2015年5月の全国企業倒産724件
倒産件数724件、5月としては25年ぶりの800件割れ
2015年(平成27年)5月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が724件、負債総額は1,277億5,500万円だった。
倒産件数は、前年同月比13.1%減(110件減)で2カ月連続で前年同月を下回った。5月度としては、1990年(501件)以来の800件割れで、25年ぶりの低水準にとどまった。金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じていることや、景気対策として実施された公共事業の前倒し発注の影響、さらに中小企業向け貸出金の増加も経営を下支えした。
負債総額は、前年同月比25.9%減(448億8,600万円減)で、4カ月ぶりに前年同月を下回った。負債10億円以上の大型倒産が21件(前年同月比27.5%減)にとどまったのに対し、負債1億円未満の構成比が72.2%(523件)と全体の7割を占め、依然として小規模企業の倒産が大半であることに変わりがない。
- 原因別:「他社倒産の余波」が3カ月連続で前年同月を上回る
- 形態別:特別清算が24件、前年同月より4割増
- 従業員数別:5人未満の構成比が70.5%、2カ月連続で70%を上回る
- 「円安」関連倒産が7件、2カ月連続で前年同月を下回る
- 「東日本大震災」関連倒産が15件、2カ月連続で前年同月を下回る
- 金融円滑化法に基づく貸付条件変更後の倒産が前年同月同数の10件
- 業種別:外衣・シャツ製造(9→13件)や建築リフォーム工事(2→10件)で増加目立つ
- 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が2カ月連続ですべて(構成比100%)を占める
産業別 10産業のうち8産業で前年同月を下回る
5月の産業別倒産件数は、10産業のうち8産業で前年同月を下回った。
このうち、不動産業は27件(前年同月比35.0%増)で、2カ月連続で前年同月を上回った。内訳では不動産賃貸業・管理業(7→12件)で増加した。また、卸売業が129件(同3.2%増)で、2カ月ぶりに増加に転じた。業種別では、建築材料卸売(8→13件)などで前年同月を上回った。
一方、製造業は106件(前年同月比19.0%減)で22カ月連続で減少し、建設業が144件(同14.7%減)で11カ月連続で前年同月を下回った。ただし、製造業では外衣・シャツ製造(9→13件)が、建設業では建築リフォーム工事(2→10件)の増加が目立った。また、小売業が107件(前年同月比9.3%減)、飲食業などを含むサービス業他が160件(同13.0%減)、運輸業が23件(同36.1%減)でそれぞれ2カ月連続で前年同月を下回った。
地区別 9地区のうち東北を除く8地区で前年同月の件数を下回る
5月の地区別倒産件数は、9地区のうち東北を除く8地区で前年同月を下回った。
東北は28件(前年同月比12.0%増)、2カ月ぶりに前年同月を上回り一進一退が続く。産業別では、小売業が8件(前年同月4件)で倍増し、卸売業が4件(同1件)と前年同月を上回った。
一方、関東は279件(前年同月比16.4%減)、中部98件(同9.2%減)で、ともに8カ月連続で前年同月を下回った。また、中国が30件(同21.0%減)、北海道が2014年11月(14件)以来の20件割れとなる16件(同15.7%減)で、ともに3カ月連続で前年同月を下回った。さらに、四国が14件(同22.2%減)、近畿が185件(同7.9%減)、九州が56件(同11.1%減)で、それぞれ2カ月連続で減少した。産業別では、減少が目立つ建設業が、東北・関東・北陸を除く6地区で前年同月を下回った。
※地区の範囲は以下に定義している。
- 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
- 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
- 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
- 北陸(富山、石川、福井)
- 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
- 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
- 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
- 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)
当月の主な倒産
[負債額上位5社]
- 公益財団法人奈良県林業基金/奈良県/分収造林事業/105億500万円/民事再生法
- (株)オプト/山梨県/ソーラー用シリコンウエハーほか製造/59億5,000万円/破産
- (株)日建/兵庫県/温泉施設、ゴルフ練習場経営/58億8,000万円/特別清算
- (株)笛吹/山梨県/ソーラー用シリコンウエハーほか製造/41億円/破産
- 東銀興産(株)/茨城県/ゴルフ場経営/40億円/破産
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