全国企業倒産状況

2024年度(令和6年度)の全国企業倒産1万144件

2024年度の企業倒産 年度も11年ぶり1万件超、「人手不足」倒産が1.6倍に増加


 2024年度(4-3月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が1万144件(前年度比12.0%増)、負債総額は2兆3,738億7,900万円(同3.6%減)だった。
 件数は、3年連続の増加で、2013年度(1万536件)以来、11年ぶりに1万件を上回った。
 負債総額は、2022年度より3年連続で2兆円台で推移した。最大の倒産はMSJ資産管理(株)(旧:三菱航空機(株)、愛知)の負債6,413億円だったが、負債100億円以上が11件(前年度19件)と減少し、3年ぶりに前年度を下回った。また、同1億円未満が7,658件(構成比75.4%)と小規模倒産が主体だが、同1億円以上5億円未満が1,989件(前年度比8.5%増)、同10億円以上50億円未満が200件(同23.4%増)と中堅クラスで増勢が目立つ。

 人手不足や原材料・資材、エネルギーなどのコストアップに加え、新たに相互関税も大きな経営課題に浮上している。また、過剰債務の解消が手につかない企業は、新たな資金調達が難しい状況に変わりはない。相互関税の余波で、為替が乱高下し、物価高が解消される要素は見当たらない。
 金融機関の貸出金利が上昇局面に入り、収益改善が遅れた企業は事業継続を諦める可能性も出てきた。企業倒産は、年度末の3月は前年を下回ったが、今後も息切れ企業を中心に、一進一退を繰り返しながら緩やかな右肩上がりで増勢をたどるとみられる。

企業倒産年度推移



・上場企業倒産:11月に東証グロースの日本電解(株)(茨城、民事再生法)が1件発生
・「人手不足」関連倒産は「求人難」122件(前年度78件)、「人件費高騰」110件(同65件)、「従業員退職」77件(同49件)。「後継者難」倒産は454件(同458件)
・「物価高」倒産は、700件(前年度比2.0%増、前年度686件)
・形態別:破産が9,144件で構成比は90.1%。会社更生法が13件(前年度比1200.0%増、前年度1件)発生
・地区別件数:2年連続で、9地区すべてで前年度を上回る
・業種別:繊維工業、輸送用機械器具製造業、老人福祉・介護事業などが増加
・従業員数別:10人未満の構成比が89.4%、300人以上が3年連続で発生
・原因別件数:『不況型』倒産の構成比が85.5%、16年連続で80%台
・中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)の構成比は99.98%

◇倒産データ分析https://www.tsr-net.co.jp/news/data_analysis/index.html

産業別 10産業のうち、8産業で前年度を上回る

 2024年度の産業別件数は、金融・保険業と運輸業を除く8産業で前年度を上回った。
 最多はサービス業他の3,398件(前年度比12.2%増)で、3年連続で前年度を上回り、1989年度以降で最多件数になった。
 以下、建設業1,943件(同9.3%増)と製造業1,179件(同17.1%増)、卸売業1,214件(同15.8%増)が、それぞれ3年連続で前年度を上回った。円安を背景に資材高や仕入コストの上昇が続くが、価格転嫁が進まず、企業収益に影響を及ぼしている。
 このほか、農・林・漁・鉱業116件(同13.7%増)と小売業1,090件(同9.7%増)、不動産業292件(同3.9%増)、情報通信業460件(同31.8%増)が、それぞれ3年連続で前年度を上回った。
 一方、燃料価格の高止まり、人手不足が続くなか、価格交渉が進んでいる運輸業が424件(同3.8%減)で、4年ぶりに前年度を下回った。

2024(令和6)年度 産業別倒産状況
主要産業倒産件数構成比推移

地区別 倒産件数、2年連続で9地区すべてで前年度を上回る

 2024年度の地区別件数は、2年連続で9地区すべてで前年度を上回った。
 北海道271件(前年度比0.7%増)と東北567件(同15.9%増)、関東3,661件(同8.5%増)、中部1,230件(同14.1%増)、近畿2,645件(同13.9%増)、中国445件(同7.7%増)、九州908件(同19.6%増)が、それぞれ3年連続で前年度を上回った。
 このほか、北陸204件(同20.0%増)と四国213件(同17.6%増)が、それぞれ2年連続で前年度を上回った。
 増加率が最も大きい北陸は、サービス業他74件(同57.4%増)、建設業44件(同25.7%増)、製造業37件(同105.5%増)など4産業で前年度を上回った。また、九州ではサービス業他296件(同12.9%増)、建設業172件(同5.5%増)、小売業127件(同58.7%増)など8産業、四国では建設業48件(同37.1%増)、サービス業他47件(同2.1%増)、製造業41件(同51.8%増)など8産業で、それぞれ前年度を上回った。

2024(令和6)年度 都道府県別倒産状況

※地区の範囲は以下に定義している。
東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
四国(香川、徳島、愛媛、高知)
九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)


当年度の主な倒産

[負債額上位5社]
1.MSJ資産管理(株)/愛知県/航空機開発製造/6,413億円/特別清算
2.エクシア合同会社/東京都/融資・投資事業/850億円/破産
3.(株)BALM/東京都/中古自動車販売ほか/831億円/民事再生法
4.丸住製紙(株)/愛媛県/洋紙製造ほか/590億円/民事再生法
5.船井電機(株)/大阪府/AV家電製造販売/469億6,400万円/破産

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