全国企業倒産状況

2025年3月の全国企業倒産853件

Xアイコン
facebookアイコン

3月の倒産 件数が7カ月ぶりに前年同月を下回る


 2025年3月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が853件(前年同月比5.8%減)、負債総額は985億8,600万円(同30.6%減)だった。
 件数は、2024年8月以来、7カ月ぶりに前年同月を下回った。3月に前年同月を下回ったのは2022年以来、3年ぶり。
 負債総額は、5カ月ぶりに前年同月を下回った。負債が1,000億円を切ったのは、2024年1月(791億2,300万円)以来、14カ月ぶり。これは最大の倒産が(株)PQR(負債62億円)で、負債100億円以上がゼロ(前年同月1件)など10億円以上が13件(同19件)、5億円以上10億円未満が21件(同39件)と、中堅クラスの倒産が減少したため。一方、同1億円未満は662件(構成比77.6%)と8割近くを占め、小・零細企業を中心に推移した。
 
 2024年度の倒産は1万144件で、2013年度(1万536件)以来、11年ぶりに1万件を超えた。四半期別では、2024年4-6月2,612件(前年同期比25.2%増)、同年7-9月2,483件(同10.9%増)、同年10-12月2,592件(同7.5%増)、2025年1-3月2,457件(同5.9%増)で、夏場を境に増加率の縮小が顕著になった。

企業倒産月次推移



・形態別件数:破産が775件で、構成比は90.8%
・都道府県別件数:前年同月を上回ったのが17府県、減少24都道府県、同数6県
・負債額別件数:負債1億円未満の構成比77.6%、100億円以上が9カ月ぶりに発生せず
・業種別件数:建築材料,鉱物・金属材料等卸売業や、教育,学習支援業などが増加
・従業員数別件数:従業員10人未満の構成比は90.7%で、5カ月ぶりに90%台
・中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)の構成比は、2カ月ぶりに100.0%
・「人手不足」関連倒産は、求人難13件(前年同月19件)、従業員退職9件(同10件)、人件費高騰4件(同13件)で、合計26件(同42件)
・「物価高」倒産は55件(前年同月74件)で、3カ月ぶりに前年同月を下回る

◇倒産データ分析:https://www.tsr-net.co.jp/news/data_analysis/index.html

産業別 10産業のうち、4産業で前年同月を上回る

 2025年3月の産業別件数は、10産業のうち、4産業で前年同月を上回った。
 最多は飲食業(88→91件)や宿泊業(4→9件)を含むサービス業他が296件(前年同月比4.5%増)で、6カ月連続で前年同月を上回った。月次倒産に占める構成比は34.7%(前年同月31.2%)だった。
 このほか、製造業107件(前年同月比15.0%増)が7カ月連続、情報通信業45件(同50.0%増)が3カ月連続、金融・保険業3件(同200.0%増)が2カ月連続で、それぞれ前年同月を上回った。
 一方、運輸業24件(同54.7%減)が4カ月連続、小売業86件(同20.3%減)が2カ月連続、卸売業100件(同15.9%減)が3カ月ぶり、不動産業24件(同14.2%減)が4カ月ぶり、農・林・漁・鉱業10件(同9.0%減)が5カ月ぶり、建設業158件(同12.2%減)が7カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。


2025年3月 産業別倒産状況

主要産業倒産件数推移

主なサービス業他 倒産状況

主なサービス業他 倒産月次推移

地区別 9地区のうち、増加は中部と九州の2地区

 2025年3月の地区別件数は、9地区のうち、中部と九州の2地区で前年同月を上回った。
 九州81件(前年同月比5.1%増)が7カ月連続、中部106件(同3.9%増)が6カ月連続で、それぞれ前年同月を上回った。
 一方、中国40件(同4.7%減)が6カ月連続、東北51件(同20.3%減)が2カ月連続、北海道17件(同39.2%減)が2カ月ぶり、関東293件(同6.3%減)が4カ月ぶり、近畿225件(同4.6%減)が7カ月ぶり、四国22件(同15.3%減)が9カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。北陸は前年同月と同件数の18件だった。

2025年3月 都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。
東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
四国(香川、徳島、愛媛、高知)
九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]
1.(株)PQR/群馬県/タッチパネル、電子部品製造/62億円/特別清算
2.(株)アルカディア/福岡県/結婚式場運営/54億200万円/破産
3.(株)タケダ開発/福井県/ゴルフ場経営/46億2,000万円/特別清算
4.(株)姫山商事/東京都/ダイヤモンド販売/27億4,400万円/破産
5.みちのくエコランドマネジメント(株)/岩手県/高齢者向け弁当宅配事業ほか/22億6,200万円/破産

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

年度上半期の「人手不足」倒産 過去最多の240件 深刻な“賃上げ疲れ”、『賃上げ倒産』が1.7倍に増加

2026年度上半期(4-9月)の「人手不足」倒産は、240件(前年同期比17.0%増)と過去最多を記録した。コロナ禍の2021年度同期の26件を底に、5年連続で前年同期を上回った。調査を開始した2013年以降の年度上半期では、これまで最多だった前年同期(205件)を抜いて最多を更新した。

2

  • TSRデータインサイト

外国人「技能実習制度」認定取消しは累計754社 製造業と建設業で7割占める、ワーストは愛知県の46社

外国人技能実習制度で実習生を受け入れていた企業のうち、法令違反や不正などを理由に実習実施の認定取消処分を受ける企業が相次いでいる。 2017年11月の現行制度施行以降、累計754社にのぼり、2026年度も8月までに50社が公表され、前年度と同水準のペースで推移している。

3

  • TSRデータインサイト

再編が進むホームセンター、キーワードは「1兆円」 ~ 統合や提携、共同購買やPB商品の取り組み ~

ホームセンター業界で統合や提携で競争力を高める動きが加速している。店舗が増えながら1店舗の売上効率が低下する「オーバーストア」状態で、大手各社は次の一手を巡りしのぎを削っている。5期連続(最新期:2025年4月-2026年3月期)で決算比較が可能な48社を分析した

4

  • TSRデータインサイト

1-9月の上場企業「早期・希望退職募集」は22社 人数は5,345人、黒字企業が6割を超える

2026年1月-9月に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は22社(前年同期34社)、対象人数は5,345人(同1万1,909人)だった。社数は3割(35.2%)減少し、対象人数は半減(55.1%)した。

5

  • TSRデータインサイト

新型コロナ破たん、9月は133件発生

 9月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が133件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万4,700件に達した。2026年は3月に162件と3カ月ぶりの150件超えを記録。しかし、4月は一転して150件を下回り、5月は119件で、2021年1月以来の120件割れとなった。

TOPへ