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2009年(平成21年)1-12月度こうして倒産した・・・、信用調査、与信管理、倒産情報は東京商工リサーチ。

2009年(平成21年)1-12月度こうして倒産した・・・ 主な大型倒産事例 <負債額順>
(株)SFCG [東京] 事業者向け貸金業

負債総額 3380億円

 (株)SFCG(中央区日本橋室町3−2−15、設立昭和53年12月、資本金791億4915万円、小笠原充社長、従業員92名)は、2月23日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は阿部信一郎弁護士(千代田区永田町2−13−10、東京青山・青木・狛法律事務所ベーカー&マッケンジー外国法事務弁護士事務所、電話03−5157−2700)ほか16名。負債総額は3380億4000万円。

 

 同社は、昭和53年に大島健伸氏が商業手形の割引を目的に(株)商工ファンドとして設立。その後、商業手形担保貸付、保証人貸付、不動産担保貸付など貸金事業全般に事業を拡大した。中小企業向け融資ではトップクラスの実績を誇り平成10年1月には全国に200店舗体制を構えた。平成9年10月に東証2部上場、同11年7月に東証1部上場に指定替えとなった。一方、同11年には過度な回収、取り立てなどのいわゆる商工ローン問題が社会問題化し、大島社長が国会に証人喚問されるなどの事態を招いた。同12年7月期の年商は875億6200万円(単体ベース)を計上、その後の同14年11月には現商号へと変更していた。

 

 最近は多角化を推進し、企業への出資など金融・投資事業へも事業を拡大。子会社67社、関連会社4社(同20年7月末現在)を抱え平成20年7月期は連結売上高は1364億100万円、単体では839億8900万円を計上していた。

 

 しかし、平成18年12月の貸金業法改正などにより過払金返還請求の増加に伴う多額の資金流出および引当金の計上など、商工ローン業務を取り巻く環境が悪化。さらに同19年8月以降、サブプライムローン問題を発端とした金融危機により国内外の金融機関からの資金調達やエクイティなど市場からの資金調達もうまくいかなかった。新規の資金調達が困難となる中、既存債務の返済に充てる資金が逼迫、貸付債権の回収に注力していたものの、強引な回収方法が社会問題化していた。なお、2月20日創業者の大島健伸社長兼会長が代表権の無い会長に退き、小笠原充執行役員副社長が社長に就任していた。

(株)ロプロ [大阪] 貸金業

負債総額 2500億円

 (株)ロプロ(大阪市淀川区宮原1-6-1、設立昭和45年3月、資本金351億9596万円、家田孝社長、従業員122名)は、11月2日東京地裁へ会社更生手続開始を申し立てた。申立代理人は小原正敏弁護士(大阪市北区堂島浜1-4-16アクア堂島西館2階、きっかわ法律事務所、電話06-6346-2970)。負債総額は2500億3400万円。

 

 同社は、中小零細企業事業者に対する手形貸付、証書貸付、商業手形割引などを手がけ、平成5年12月京都証券取引所及び大阪証券取引所第二部へ上場。同7年3月には東京証券取引所第二部へも上場し、同8年9月には東証・大証第一部銘柄に指定され年々業容を拡大、ピーク時の同11年3月期には年商1044億3000万円を計上していた。

 

 しかし、平成12年頃には債権取立にかかる不祥事件などの影響で、融資残高が大幅に減少した。加えて、最近は過払金返還請求などの増加、貸金業法改正などから対外信用が低下、新たな資金調達も困難になっていた。この間も中小企業に対する貸倒増加も重なり、業況がさらに悪化した。

 

 このため店舗の統廃合、希望退職募集などのリストラを進める一方、創業者一族の退陣による経営体制刷新などに取り組んでいたが、年商は45億5300万円に留まり、297億3200万の赤字を計上していた。平成21年7月には京都市内から現在地に移転し、また一方で、同年2月には公的資金注入による資本増強を検討していたことも報道されていた。しかし、以降も融資額の減少・貸出金利低下に伴う利息収入減少は免れず、新たな資金調達も困難な中、過払金返還請求による資金流出は止まらず資金繰りはさらに悪化することとなった。

日本綜合地所(株) [東京] マンション分譲

負債総額 1975億円

 日本綜合地所(株)(港区高輪2−21−46、設立昭和53年7月、資本金141億1975万円、西丸誠社長、従業員362名)は、2月5日東京地裁に会社更生手続開始を申し立てた。監督委員には多比羅誠弁護士(中央区銀座8−9−11、ひいらぎ総合法律事務所、電話03−3573−1578)が選任された。負債総額は1975億4900万円。

 

 同社は、マンション分譲・販売代理を目的として設立。平成6年に第1号の自社分譲物件を発売、以降は首都圏を中心に自社ブランドのマンション分譲を加速させた。同11年に株式を店頭公開し、同13年12月東証2部、同15年3月に東証1部上場を果たした。株式上場以降は子会社を通じて戸建住宅・宅地販売事業などにも参入したほか、同17年9月には日立造船不動産(株)(現:日綜不動産(株))の全株式を取得して子会社化するなどのM&Aを行い業容を拡大。近年はヨーロッパ風の分譲マンション「グランシティ」「VERENA(ヴェレーナ)」シリーズをテレビCMなどで積極的に展開し知名度を得ていた。奥行き4mのバルコニー「オープンエアリビングバルコニー」を設置した物件などで好評を博し、同19年の事業者別マンション供給戸数は3411戸に上り首都圏で2位、全国6位の実績(不動産経済研究所発表)を誇り、同20年3月期の売上高は過去最高となる約1189億3300万円(連結ベース)に対し約46億4600万円の当期利益を確保していた。同20年5月には年間4000戸のマンション販売体制の確立を骨子とした拡大路線の第4次中期経営計画を発表。

 

 しかし同19年後半以降、建築基準法改正に伴う建築確認の長期化や資材価格の高騰、顧客の買い控えなどからマンション市況が悪化の一途を辿っていたうえ、サブプライムローン問題に端を発する世界的な信用収縮から国内不動産市況も停滞し、経営環境が急激に悪化した。

 

 平成20年11月には同21年3月期の業績と同中期経営計画の下方修正を行い、これと同時期に同21年4月新卒入社予定の採用内定者53名の内定取消しを決定したことからマスコミ報道などで大きく取り上げられ、急遽内定者に補償金100万円の支払いを決定するなどの対応に追われ、対外信用が低下していた。こうしたなか同21年2月3日には同年3月期の業績予想を再度下方修正し、棚卸資産の評価損221億600万円(連結)をはじめとした損失を計上。通期で305億円の大幅な当期純損失となる見込みとなり、同社が借入人となっているシンジケートローンの財務制限条項に抵触する恐れがあると発表。2月上旬に期限が到来する建築代金の支払いが困難となり今回の措置となった。

パシフィックホールディングス(株) [東京] 不動産投資ファンド運営

負債総額 1636億円

 パシフィックホールディングス(株)(千代田区永田町2−11−1、設立平成2年3月、資本金196億3947万円、織井渉社長、従業員182名)は、3月10日東京地裁に会社更生手続開始を申し立てた。申立代理人は渡邊顕弁護士(港区虎ノ門4−3−1、成和明哲法律事務所、電話03−5405−4080)ほか。負債総額は1636億4600万円。

 

 同社は、平成2年3月(株)ランダムコーポレーションとして法人化、同7年4月前代表の高塚優氏が買収してパシフィックマネジメント(株)に商号変更し営業を開始した。不動産投資ファンド事業を中核にして、不動産コンサルティングサービス及び不動産投資などを行い事業を拡大した。同13年12月に株式を店頭公開、同15年9月には東証2部に上場、同16年11月には東証1部に指定替えとなった。この間、J-REIT市場や不動産市況拡大の追い風に乗り同18年11月期には年商196億4700万円を計上し、同20年6月には持株会社に移行して現商号に変更した。

 

 しかし、米国サブプライムローン問題に端を発する不動産市況の急激な悪化、J-REIT市場の大幅縮小、不動産投資ファンドに対する投資意欲減退などにより平成20年5月中間期の売上高は85億7600万円を計上したものの、25億3000万円の最終赤字を計上した。同20年7月には、大手証券グループの(株)大和証券グループ本社(東証1部上場、千代田区)との間で資本参加に関する基本合意書を締結、9月末を目処に最終合意を行うべく協議を進めていたが、世界的な金融情勢の混乱から最終合意には至らず、11月末には新たな事業パートナーとして(株)中柏ジャパン(千代田区)の出資を受けていた。だが、同20年11月期でも639億6100万円の当期純損失を計上し、87億4900万円の債務超過状態に陥り、借入金の財務制限条項に抵触。継続企業に関する重要な疑義があるとして注記が付けられていた。2月26日付けで創業者の高塚氏が辞任、2月27日には監査法人より同20年11月期有価証券報告書に関し監査意見の不表明を受けたと発表し、東証からは監理ポストに指定され、動向が注目されていた。

 

 同時に会社更生手続を申し立てたのは、パシフィックリアルティ(株)(同所、秋澤昭一社長、負債994億2900万円)と(有)パシフィック・プロパティーズ・インベストメント(同所、秋澤昭一社長、負債634億4700万円)の2社。

(株)ジョイント・コーポレーション [東京] 不動産分譲、流動化事業

負債総額 1476億円

 (株)ジョイント・コーポレーション(目黒区目黒2-10-11、設立昭和48年3月、資本金208億3404万円、東海林義信社長、従業員160名)及び、関連子会社の(株)ジョイント・レジデンシャル不動産(旧商号:(株)エルカクエイ、同所、設立昭和24年2月、資本金30億円、川島勝文社長)は、5月29日東京地裁に会社更生手続開始を申し立てた。申立代理人は松嶋英機弁護士(港区赤坂1-12-32、西村あさひ法律事務所、電話03-5562-8500)ほか14名。負債総額は、(株)ジョイント・コーポレーションが1476億円、(株)ジョイント・レジデンシャル不動産が204億円。

 

 同社は、昭和61年9月(株)ジョイントとして創業し、平成1年9月(株)ジョイント・コーポレーションに商号変更。同9年4月に株式の額面金額を変更するため別会社(昭和48年3月設立)を存続会社として合併し、商号を(株)ジョイント・コーポレーションとした。同10年11月に株式を店頭登録、同11年11月に東証二部に上場、同13年3月には東証一部へと指定替えを果たした。

 

 創業当初は首都圏を中心とするマンション分譲を主力としていたが、平成13年頃には賃貸マンションや商業施設などの新規開発物件をファンド等に売却する不動産流動化事業に参入。自社開発の分譲マンション「アデニウム」を中心とする不動産分譲事業と不動産流動化事業を二大柱として全国展開していた。また不動産販売事業を行う(株)エルカクエイ(同12年2月会社更生手続開始申立)のスポンサーとなり、(株)エルカクエイは早期弁済にて同17年7月に更生手続を終結させていた。最近は熱海市でのリゾートマンションの開発なども積極的に行い、連結子会社約50社を抱え、同20年3月期は連結ベースで過去最高となる年商約1877億8500万円(不動産流動化事業61.8%、不動産分譲事業29.7%)、経常利益230億6000万円を計上した。

 

 しかし、その後の金融市場の信用収縮及び金融機関の融資姿勢の厳格化に伴い、不動産の流動性低下と価格の下落が顕著となった。このため、平成20年9月にオリックスグループからの資本参加を受け、総額99億9900万円の第三者割当増資を行った。同21年3月期は不動産流動化事業が前期比78.0%減の255億5500万円に大幅低下。このため、同期の総売上高は1195億8300万円にまで落ち込み、たな卸資産の収益性低下による簿価切下げ影響等により営業損失480億9100万円、さらに繰延税金資産の取り崩しなどから当期純損失は645億5500万円と大幅な赤字決算に陥った。その後、金融機関に支援協力も行ってきたが、調整がつかなかったとしている。

(株)穴吹工務店 [香川] マンション販売

負債総額 1388億円

 (株)穴吹工務店(高松市藤塚町1-11-22、設立昭和36年1月、資本金57億5400万円、朝倉泰雄代表、従業員774名)、(株)エイシィカンパニーグループ(有価証券の取得保有、経営コンサルティング業務、同所、設立平成13年8月、資本金1億円、朝倉泰雄及び池内孝信代表、従業員1名)、(株)穴吹ハートレイ(リゾート事業・飲食業、木田郡見三木町大字下高岡972-30、設立昭和40年12月、資本金1億円、榎範雄社長、従業員195名)は、11月24日東京地裁に会社更生手続開始を申し立てた。同日付で穴吹英隆社長は解任された。申立代理人は松嶋英機弁護士、宮崎信太郎弁護士(東京都港区赤坂1-12-32、西村あさひ法律事務所、電話03-5562-8500)他14名。保全管理人は長谷川宅司弁護士(東京都千代田区有楽町1-7-1、電話03-5288-1021)が選任された。

 

 負債総額は(株)穴吹工務店が1388億1100万円、(株)エイシィカンパニーグループが65億4900万円、(株)穴吹ハートレイが40億2600億円。四国地区では過去最大の倒産となった。

 

 同社は、明治38年1月創業のマンション業者。昭和53年に自社ブランドの分譲マンション「サーパス」シリーズを展開、ATD(穴吹トータルディベロップメント)と呼ばれる用地取得からアフターサービスまで手掛ける数少ない製販一体型のマンションメーカーとして人気を博し、主に地方都市で実績を重ね、平成18年3月期には過去最高となる売上1553億4000万円を計上、同19年には5037戸を供給し、初のマンション供給戸数全国1位を獲得した。

 

 ところが、以後は以前からの在庫過多による借入依存の高い資金繰りになっていた上、建築基準法改正の影響等もあり業績は低迷するようになった。平成20年後半にはリーマンショック等世界的金融危機の影響を受けて、消費者の購買意欲減退、競合他社の相次ぐ破綻、撤退によるダンピング販売等で業界環境は一段と悪化、同21年3月期は売上戸数が4450戸まで落ち込み、売上高は1306億5000万円にまで低下した。収益面においては用地取得費、建築費等の原価上昇、売上原価に棚卸資産の評価損を計上する等、大幅な欠損を計上していた。

 

 このため最近は合理化策を進め、従来の4500戸から3000戸ベースに段階的に縮小する方針を打ち出し、一層の固定費の削減を図るとともに、企画面でも「エコロジー」、「エコノミー」、「選べる」の3つをコンセプトに低価格マンション「NEWサーパス」を投入する等、平成22年期の単独売上を1160億円、経常利益21億円、売上戸数3900戸に設定していた。また、営業体制を2支社16支店17営業部体制に移行し、営業部を関連企業に統合したほか、10%程度の人員削減を行うなど財務面、収益向上に取り組んだ。さらに第三者割当による総額30億円の増資を進め、取引先大手住設販売メーカーを中心に20億8250万円まで完了、地元地銀を中心とした金融機関の支援もあって対外的信用はやや改善し、業況は一服感も窺われていた。

 

 しかし10月26日、取締役11名全員を解雇する方針を決め、11月3日解任を決議する臨時株主総会の招集通知を発送、これがマスコミに報道されたことにより銀行、取引先、従業員等に一気に動揺が広がった。主力銀行数行の説得により11月2日、翌日の臨時株主総会開催を撤回し急遽役員の解任は取り下げたものの、この解任騒動による信用不安の拡大は予想以上に大きく、上記の連結子会社も資金繰りが悪化、自力による事業継続は困難と判断し、会社の事業を再建させる法的手段である会社更生手続開始を申し立てた。

司建物管理(有) [東京] ウィークリーマンション・サブリース

負債総額 790億円

 司建物管理(有)(品川区小山6−4−14、設立昭和37年11月、資本金5000万円、川又幸彦社長、従業員30名)は、3月4日東京地裁に破産手続開始を申し立てた。破産管財人には有住淑子弁護士(千代田区九段南4−7−16、薄金・有住法律事務所、電話03−3234−5381)が選任された。負債総額は790億円。

 

 同社は、川又社長の実父がアパート経営を目的に創業、昭和37年11月法人化した。「ウィークリーマンションツカサ」として知名度は高く、バブル期にはマンスリーマンション、レジデンシャルホテル、オフィスコンパートメント等の事業を積極的に展開し、賃貸物件規模拡大を反映して急成長を遂げていた。

 

 しかし、多数の物件取得のため金融機関からの借入金も急激に増加。平成2年には借入総額が約1000億円に達していた。その後、バブル景気崩壊による不動産価格の下落に伴い大幅な債務超過に陥ったため、物件を売却して借入金を返済しつつ事業を継続していた。また、同11年にはウィークリーマンション事業の商標権等を別会社に譲渡。同社はウィークリーマンションのサブリース事業へ業態を転換。同19年11月期には年商5億円を計上していた。こうしたなか、2月25日債権者の申立により、ウィークリーマンション事業の売上の大部分を差し押さえられる事態が生じ、資金繰りの見通しが立たなくなった。

(株)クリード [東京] 不動産投資業

負債総額 785億円

 (株)クリード(中央区日本橋室町1−8−6、登記上:千代田区内神田3−2−8、設立平成8年6月、資本金43億3456万円、宗吉敏彦社長)は、1月9日東京地裁に会社更生手続開始を申し立てた。申立代理人は片山英二弁護士(中央区八重洲2−8−7、阿部・井窪・片山法律事務所、電話03−3273−2600)ほか。負債総額は債権者約900名に対して785億円。

 

 同社は平成8年6月設立、同13年2月に大証ヘラクレスに上場、同17年5月には東証1部に上場した。不動産ファンド事業を中心に不動産運用事業、海外のオフィスビルやリゾートホテル事業にも投資して積極的に事業を展開、連結子会社34社でグループを形成していた。ピーク時の平成20年5月期には年商331億9300万円(単体)、最終利益51億7000万円(単体)を計上していた。

 

 しかし、サブプライムローン問題の深刻化以降、不動産市況が大きく悪化。このため、保有不動産等を売却して200億円以上の有利子負債を削減するほか、事業売却や人員削減を進めていた。こうしたなか平成20年9月以降期限が到来するコミットメントライン契約の更新ができず、物件処分で資金繰りをつけてきたが、最近は物件の転売もできず、同年12月下旬以降の金融債務の返済ができなかったことから今回の措置となった。

Spansion Japan(株) [北海道] フラッシュメモリ開発製造

負債総額 741億円

 Spansion Japan(株)(川崎市川崎区日進町1−14、設立平成5年4月16日、資本金487億8765万円、田口眞男社長、従業員1300名)は、2月10日東京地裁に会社更生手続開始を申し立てた。申立代理人は渡邉光誠弁護士(千代田区丸の内2−2−1岸本ビルディング2F、弁護士法人大江橋法律事務所東京事務所、電話03−5224−5566)。負債総額は741億円。

 

 同社は平成5年4月にフラッシュメモリの共同開発・製造を目的として設立。その後同15年7月にはアメリカNASDAQ上場のSpansion Inc.に株式譲渡され、同社子会社として再スタートを切った。Spansion Inc.についてはフラッシュメモリの開発製造を主業とし、世界各国に事業を展開する大手業者。NOR型フラッシュメモリに特化した販売展開を確立、携帯電話やデジタル家電、自動車用電子機器に用途され業績を伸ばし、同18年12月期には年商1797億3700万円を計上していた。

 

 しかし、福島県会津若松市にある高久工場の設備投資に多額の資金投下を行った事で負担が生じ採算は悪化。グループ全体でリストラ策を講じるものの改善に至らず一部取引先に対して支払延長の要請を行っていた。更に、平成20年秋口以降の世界同時不況により受注が急速に冷え込んだ事で資金繰りは限界に達し、今回の措置となった。なお、法的手続を申し立てたのは当社のみで、親会社及びグループ会社は通常通りの営業を行っている。

(株)大阪ワールドトレードセンタービルディング [大阪] 不動産賃貸・管理

負債総額 643億円

 (株)大阪ワールドトレードセンタービルディング(大阪市住之江区南港北1−14−16、設立平成1年4月11日、資本金1億円、仲茂彦代表取締役、従業員21名)は、3月26日大阪地裁へ会社更生手続開始を申し立てた。保全管理人は中井康之弁護士(大阪市中央区北浜2−3−9入商八木ビル2階、堂島法律事務所、電話06−6201−4456)。負債総額は643億円。

 

 同社は、大阪市が出資する第三セクター。南港コスモスクエア地区で、約1193億円をかけて建設したWTCビルを運営。平成7年3月の開設以来、入居率や来客数の低迷などから業績は落ち込み、巨額の赤字計上を続け債務超過に転落。同15年6月20日には大阪簡易裁判所に特定調停法に基づく特定調停を申し立て、同16年2月特定調停が成立し金融機関等より債務免除を受けていた。

 

 しかし、以降もテナント入居状況は好転せず、こうしたなか平成20年夏に大阪府庁舎の移転先としてWTCビルを活用する案が浮上。橋下大阪府知事が現地に視察に訪れるなど、移転を最有力案とする考えを示し議論を進めていたが、3月23日(24日未明)の府議会で移転案が否決。これを受けて、自力での営業継続が困難となり、特定調停から5年を経て再び経営破綻することとなった。

栄泉不動産(株) [大阪] マンション分譲、不動産販売

負債総額 580億円

 栄泉不動産(株)(大阪市中央区高麗橋4−1−1、設立昭和28年8月、資本金10億円、元原幹夫社長、従業員102名)は、1月29日大阪地裁へ民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は野上昌樹弁護士(大阪市北区堂島1−1−5梅田新道ビルディング8F、弁護士法人大江橋法律事務所、電話06−6341−7432)。負債総額は580億円。

 

 同社は「ロイヤルアークマンション」の名称で知名度の高い分譲マンション業者。(株)住友生命ビルディングとして発足。不動産事業を展開し、ピーク時の平成5年1月期には年商645億8436万円を計上していた。平成18年3月にはモルガンスタンレーグループが運営する不動産投資ファンドが発行済株式の95%の株式を取得し同グループの傘下入り。不動産分譲以外の事業の柱として収益物件取得及び用地開発型の不動産ソリューション事業へ取り組んでいたが、建築基準法の改正やサブプライムローン問題に端を発する不動産市況の悪化により業績は伸び悩み、同20年1月期の年商は240億2280万円に留まっていた。

 

 今期に入っても市況は改善せず、保有物件の売却を進めるとともにマンション及び戸建不動産の販売事業に主軸を移してきたが、金融環境の悪化などに伴い資金繰りは悪化。さらに平成21年1月期の決算で多額の不動産評価損の計上を迫られ、債務超過には至らないものの財務内容が悪化することが確定化した。このため株主への支援要請を行ったが実らず、このままでは資金繰りが逼迫することから民事再生手続きによる再建を決断した。

ニチモ(株) [東京] マンション分譲

負債総額 540億円

 ニチモ(株)(千代田区神田美土代町7、登記上:大阪市北区堂島浜1−4−4、設立昭和21年11月、資本金40億6397万円、辻征二社長、従業員183名)は、2月13日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。監督委員には土岐敦司弁護士(港区虎ノ門4−3−1、成和明哲法律事務所、電話03−5408−6160)が選任された。負債総額は540億7900万円。

 

 同社は昭和30年9月に大阪市内で南海ブロック(株)として設立、同31年に大阪モデル住宅(株)に商号変更し分譲住宅の施工販売を開始した。その後、同35年には商号を日本モデル住宅(株)へと変更した。同40年に東京市場に進出、中高層の自社マンション分譲業務を中心とし、同46年に大証2部、同48年に東証2部に上場、同53年には各1部に指定替えとなった(その後、東証は2部に指定替え)。

 

 マンション分譲業者としては老舗で、首都圏、近畿圏を中心にファミリー向けマンション「ルイシャトレ」、都市型コンパクトマンション「ヴォアール」、シングル層向け「ジョイシティ」など自社分譲を展開。マンションブームを追い風に業績を伸ばし平成平成19年9月期の年商は連結ベースで665億1100万円を計上、当期利益26億9800万円を確保し、同19年7月には総供給実績60000戸を達成していた。

 

 しかし、平成19年後半以降、サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機などから国内不動産市況が急激に悪化。分譲マンション戸数の大幅減少、価格下落、共同事業社倒産による工期の遅れが発生した。同20年9月期は連結売上高が前期比46.8%減となる353億8700万円(連結)にまで減少、棚卸資産の評価損の計上などで当期純損失は102億5600万円にのぼった。純資産は前年度119億4700万円から12億4300万円にまで大幅に毀損し、これらの状況から監査法人より「継続企業の前提に関する重要な疑義」(ゴーイングコンサーン注記)が付記されていた。

 

 今期は販売力強化や営業・エリア戦略を進めるとともに販売経費や人件費などコスト削減に取り組んでいたものの、事業の見直しを行った結果、第1四半期決算で棚卸資産の評価損121億円を追加計上したことなどから167億円の債務超過に転落。このため、さらなる経営合理化としてマンション管理子会社の売却や在庫の早期売却など資金繰り改善策を進めていたが、今後の決済資金の目処が立たず今回の措置となった。

(株)丸井今井 [北海道] 百貨店経営

負債総額 502億円

(株)丸井今井(札幌市中央区南1条西2−11、設立平成17年11月、資本金20億1000万円、畑中幸一社長、従業員783名)は、1月29日札幌地裁より民事再生手続開始決定を受けた。申立代理人は橋本昭夫弁護士(札幌市中央区札幌市中央区北4条西20−1−28、電話011−631−2300)ほか3名。負債総額は502億1263万円。

 

 同社は明治5年4月創業、大正8年に2月に法人化された旧会社(現:北海道丸井今井(株))から平成17年11月に会社分割で設立された老舗百貨店。最盛期には道内7店舗を展開し、名実ともに北海道随一の百貨店グループに成長した。バブル期には今井家4代目社長の今井春雄氏が積極的な多角経営を押し進め、ピークとなった平成10年1月期には売上高1357億1500万円を計上した。

 

 しかし、景気後退により、過年度の過剰な設備投資と関連会社の債務保証が重荷となって、同17年1月期に256億円の実質債務超過に陥り経営不振が表面化した。このため、同年6月に北海道マザーランド・キャピタルを主軸とする第三者割当増資が行われ、(株)伊勢丹との業務提携や分社型新設分割による会社分割方針を発表。同年9月に臨時株主総会で再生計画の承認を受け、旧会社:北海道丸井今井(株)が室蘭店と釧路店及び不採算の関連会社を継承し、同社が札幌本店・函館店・旭川店と(株)北海道百科・(株)丸井ソフトサービスを継承した。同年11月より再生計画をスタートし、同18年6月には(株)伊勢丹の出資を受け、同社主導の経営再建が進められていた。

 

 こうしたなか景気低迷と大通地区への客数落ち込みから再建計画は2期連続で未達成となり、主力となる婦人服売場の店舗改修の実施、紳士・食品部門の強化するほか、平成20年4月より東京都千代田区有楽町にある北海道で手がける北海道物産のアンテナショップ「北海道どさんこプラザ」の運営を受託するなど売上維持に努めていたが、6カ月決算となった平成20年7月期(変則決算)には売上高368億8179万円と対前年比では93.6%に止まった。損益面も経常損失8億600万円、改装に伴う特別損失3億円を計上したなか、最終的に9億5500万円の赤字を余儀なくされるなど業績低迷に歯止めが掛からず、同20年12月末時点で5億5,200万円の債務超過に陥り、再建計画案の見直しを迫られていた。

(株)アゼル [東京] マンション分譲

負債総額 442億円

 (株)アゼル(大田区西蒲田8−23−1、設立昭和21年9月、資本金150億円、古江正社長、従業員144名)は、3月30日東京地裁に破産手続開始を申し立てた。破産管財人には長島良成弁護士(千代田区五番町5−5、長島良成法律事務所、電話03−5276−1321)が選任された。負債総額は442億円。

 

 同社は、昭和31年11月に武田工務店として創業、同32年11月に(株)武田工務店として法人化された。同55年3月上場準備のため合併した東南工業(株)(同21年9月設立)が存続会社となり、日榮建設工業(株)に商号変更、同58年12月東証2部に上場した。上場以降はマンション分譲で業務を拡大し、同61年10月には東証1部に指定替え、同63年12月には大証1部に上場。平成9年10月に現商号へ変更し、同社及び連結子会社5社でグループを形成した。

 

 事業の中心は「Angel」ブランドとして知られる自社ブランドのマンション分譲、企画、販売であり、京浜地区を中心として分譲実績を残し、ピーク時の平成9年3月期で年商647億9300万円を計上していた。バブル崩壊後はマンション分譲事業の不振や資産デフレの煽りを受け経営状態が悪化。有利子負債の圧縮や子会社の整理を進め、同16年6月には主力銀行から代表取締役を招聘。主力銀行の支援のもと再建に努めていた。

 

 しかし、サブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱から、不動産市況は急変。分譲マンションの販売計画に大幅な遅れが生じ、転売を目的とした収益物件の売却も進捗せず、他のマンションデベロッパーからの請負工事代金の回収が滞るなど業績・資金面が急速に悪化。平成20年3月期の年商は328億9600万円と再び大幅な下落に転じた。

 

 こうしたなか、平成20年6月住居系不動産投資顧問の(株)プロスペクト(千代田区)より代表取締役以下3名の経営陣を招聘して役員を一新するとともに、マンション販売の(株)グローベルス(渋谷区)との合併を発表。沖縄に所有していたレジャーホテルとその運営企業で連結会社の(株)エンゼル商事の株式譲渡を実施するなど、経営再建を図っていた。ところが、10月30日に破綻した(株)ノエル(川崎市高津区)に対し、10億1700万円の焦付が発生したほか、(株)グローベルスとの合併も中止に追い込まれるなど、再建計画に狂いが生じてきた。さらに、昨年11月に発表された同21年3月期第2四半期決算短信において、95億7200万円の純損失の計上したことに伴い「継続企業の前提に関する重要な疑義」が注記された。その後も子会社の譲渡、不動産、建設事業部の廃止、人員削減などの経営合理化策を実施してきたが回復に至らず、決済資金調達のメドが立たなくなったところから今回の申立となった。

東新住建(株) [愛知] 分譲不動産販売、住宅建築

負債総額 437億円

 東新住建(株)(稲沢市高御堂1−3−18、設立昭和51年7月20日、資本金6億3720万2000円、深川堅治社長、従業員498名)は、1月9日名古屋地裁に民事再生手続開始を申し立て、同時に保全処分及び監督命令が下りた。申立代理人は草野勝彦弁護士(名古屋市中区錦1−20−25広小路YMDビル7F、電話052−203−5305)ほか5名。負債総額は437億2400万円。

 

 同社は昭和51年に資本金400万円をもって法人化、平成10年4月株式の店頭登録(ジャスダック市場)を果たした。戸建・マンション分譲と賃貸住宅・注文住宅の設計施工の2本柱で東海3県を主体に関西・首都圏にも進出、年間2000棟の販売実績をあげ、分譲戸建事業においては、愛知県において業界1位のシェアを占めるに至った。

 

 注文住宅は外壁にタイルを使用した「タイルダグラス」、賃貸住宅「ザ・借家」、総タイル貼りの「ザ・借家ネクサスセラ」などの新商品を開発するほか、分譲住宅においては耐震工法「SP工法DIO」、地震の揺れを吸収する「TF制震装置」を組み合わせた商品販売を積極的に行っていた。業績は続伸基調を辿り平成19年6月期は単体ベースで売上高949億円、経常利益11億5900万円、当期利益4億2500万円、連結ベースでは売上高1044億円、経常利益9億5400万円、当期利益2億6700万円を計上した。

 

 しかし、平成19年6月に改正建築基準法施行に伴う住宅着工建設の減少、同業他社との販売競争の激化、地価上昇や建築資材高騰によるコスト負担の増加やマンション市況の低迷もあって平成20年6月期の売上高は単体ベースで863億9100万円、経常利益3億5900万円、当期利益2億3000万円、連結ベースは売上高982億1300万円(前期比6.0%減、経常利益4億4800万円(同53.1%減)、当期利益3億5700万円(同33.9%増)と成長軌道から一転して業績は低迷色を強めた。

 

 その後も不動産市況の一段の悪化に自動車関連産業をはじめとした輸出産業の大幅減産の影響が主力市場である中部地区経済の冷え込みを加速化させ消費マインドも悪化した。このような受注の一段の落ち込みが外部資金依存を前提とした経営に支障をきたし始め取引先への支払遅延や繰り延べ要請を行う状況となり、信用不安が増大していた。


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