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2010年(平成22年)9月度こうして倒産した・・・、信用調査、与信管理、倒産情報は東京商工リサーチ。

2010年(平成22年)9月度こうして倒産した・・・ 主な大型倒産事例 <負債額順>
日本振興銀行(株) [東京] 銀行業

負債総額 6805億円

 日本振興銀行(株)(千代田区神田司町2-7、設立平成15年4月、資本金182億7221万円、小畠晴喜社長)は、9月10日東京地裁に民事再生法の適用を申請した。同日、金融庁から預金保険法に基づく「業務及び財産の管理を命ずる処分」を受け、預金保険機構が金融整理管財人に就任した。負債総額は6805億6300万円。

 同行は、平成16年4月金融コンサルタント会社を経営する木村剛氏が中心となり、中小企業向け融資を目的に開業した。当時、金融機関の貸し渋りに悩む中小企業に対する無担保融資と運用目的の定期預金を専門に取り扱っていた。木村氏が小泉政権時の金融庁金融分野緊急対応戦略プロジェクトチームのメンバーだったことで開業当初から注目されていた。全国47都道府県に拠点を設置し、118店舗(22年8月末時点)のネットワークを有していた。

 中小企業向け専業融資が市場のニーズと適合し、当初は貸出利息を中心とした資金運用収益や新規貸出の増加が業績に寄与。その後は、政府などの中小企業向け制度融資の拡充により当初のビジネスモデルは崩壊、打開策として積極的にノンバンクからの債権買取にシフトし、平成22年3月期には331億4300万円の業務収益を計上し、22年6月末時点での預金残高は6101億円、貸出残高は4479億円となった。

 こうしたなか、平成21年3月、商工ローン大手の(株)SFCGから多額の貸出債権の二重譲渡を受けていたことが発覚した。同5月、金融庁が立ち入り検査に着手し、他の金融機関では前例のない9カ月間の検査期間であったことで動向が注目された。同22年3月期には、貸倒引当金の大幅積み増しから約51億円の最終赤字の転落し、この責任を取る形で木村氏が会長職を5月10日に辞任した。さらに5月27日、検査妨害などで金融庁より4カ月間の一部業務停止命令を受け、金融庁が検査忌避の疑いで刑事告発した。6月16日には、木村前会長、西野社長ら5名が逮捕される事態となり、急遽社外取締役だった小畠晴喜氏(作家名:江上剛)が代表執行役社長に就任し、新体制のもと再建を目指して体制の立て直しを図っていた。

 しかし、不良債権の精査の結果、平成22年6月末時点で1870億円の債務超過に転落。9月中間期決算も大幅な債務超過に陥る見通しとなり、増資交渉も上手くいかず、9月10日に金融庁から業務停止(9月10日から9月12日)を含む行政処分を受けていた。

(株)武富士 [東京] 消費者金融業

負債総額 4336億800万円

 東証1部上場で消費者金融大手の(株)武富士(新宿区西新宿8-15-1、設立昭和26年3月、資本金304億7790万円、吉田純一社長、従業員2009名)は、9月28日東京地裁に会社更生法の適用を申請した。申請代理人および保全管理人は小畑英一弁護士(LM法律事務所、千代田区九段北4-1-3、電話連絡先「武富士本社コールセンター」0120-390-302)。負債総額は4336億800万円だが、今後の過払金の返還請求状況により増加する可能性がある。

 同社は、故・武井保雄氏が「富士商事」として個人向け金融貸出業務を開始したのがはじまり。当初は団地に住む人々をターゲットとした「団地金融」だったが、その後本格的な消費者金融業に進出。無担保保証による即時融資で積極的に営業展開し、他社の子会社化・合併で事業規模を拡大してきた。平成8年には株式を店頭登録し、同10年12月に東証1部へ株式上場。融資残高1兆円を突破して消費者金融業者トップの地位を築き上げ、ピーク時の同14年3月期は売上高4232億4600万円を計上した。同17年5月の無担保ローンは271万8342口座に対し1兆6399億5000万円とし、以降の新規成約率のピークは同年11月63.9%と高水準だった。

 しかし、最近は貸金業法の完全施行を控えた与信基準の厳格化が影響して融資残高が減少。平成21年3月期の営業収益は1854億4300万円まで低下し、利息返還損失引当金や社債発行費等の計上により当期純損失2569億3300万円を計上、同22年3月期も営業収益は1194億300万円にとどまった。このため営業店舗の統廃合など各種合理化を図ってきたほか、貸付債権等の資産譲渡により手元流動性の改善に努めてきた。

 こうしたなか改正貸金業法による格付けの引き下げと、その引き下げによる一部借入金の早期返済事由への抵触もあり、資金調達環境が厳しくなっていた。資金繰り改善のため同23年3月期第一四半期で不動産及び営業貸付金の一部譲渡等を実施し、22年8月の無担保ローン貸付残は92万5892口座に対し4779億7000万円にまで縮小、新規成約率は4.4%(21年8月は32.2%)にまで下げていた。一方、高水準で推移する利息返還請求の影響もあって自主再建を断念した。なお、9月28日の取締役会で、吉田純一氏が代表取締役社長に就任した。

茨城県住宅供給公社 [茨城] 住宅用土地売買

負債総額 523億3600万円

 茨城県住宅供給公社(水戸市大町3-4-36大町ビル、設立昭和27年5月、上月良祐理事長、従業員28名)は、9月28日水戸地裁に破産を申請した。負債総額は523億3600万円。

 同公社は、茨城県の勤労者への住宅供給を目的として(財)茨城県住宅協会として発足。その後、地方住宅供給公社法が制定されたのに基づき茨城県及び水戸市、日立市、土浦市の自治体の出資により「茨城県住宅供給公社」となった全国51の地方住宅供給公社の1社で、茨城県の指導監督の下、住宅用地の取得、造成、販売及び斡旋等事業を行っていた。

 しかし、バブル期に大量に購入した土地の価格がバブル崩壊以降の不動産市況低迷から下落し、購入した土地の販売が低迷、評価損も膨らみ平成17年度決算で債務超過に陥っていた。

 このため茨城県は、平成18年度には向こう10年間のうちに保有土地を全部売却して同27年度に自主解散する支援策を打ち出したが、その後の少子高齢化による住宅購入層の減少、長引く景気低迷の影響による個人消費の伸び悩み、地価下落等により販売事業が低迷し、多額の有利子借入金によって生じる金利負担が運営を大きく圧迫していた。

 平成22年8月24日には、橋本昌茨城県知事が定例会見で同公社を破産法に基づき解散する方針を正式に発表。9月22日の県議会にて破産処理に関する予算案と「第3セクター等改革推進債」発行の国への許可申請案等破産関連議案の可決を受けて、9月28日午前の公社理事会で破産方針を決議し今回の申請に至った。

 茨城県が発行する三セク債の額は約380億7700万円にのぼり、15年をかけて償還する予定で、利子を含めた償還額は約400億円になる見通し。金融機関と国からの借入金の損失補填や回収不能となる県からの短期貸付金約268億円の整理に充てられる。

(株)ARMOR HOLDINGS [東京] 持株会社

負債総額 143億円

 (株)ARMOR HOLDINGS(港区赤坂4-9-25、設立平成19年10月、資本金9900万円、岩本陽二社長、従業員15名、以下ARMOR社)は、9月8日東京地裁で破産手続開始決定を受けた。8月13日、(株)ローソンエンターメディア(元JASDAQ、6月28日上場廃止、以下LEM社)から東京地裁に破産を申し立てられていた。破産管財人は中根茂夫弁護士(日本橋総合法律事務所、中央区日本橋2-3-21、電話03-3275-1166)。負債総額はLEM社が有する損害賠償債権など約143億円が見込まれる。

 同社は、純粋持株会社としてグループ会社10社余の戦略並びに経営管理を行い、グループ会社は食品を中心に、美容、アパレル、医療、衣料雑貨、投資、F1関連、人材派遣事業など幅広く事業展開していた。

 しかし平成22年2月9日、LEM社とARMOR社の子会社(株)プレジール、コンサート等のチケット企画会社との間で不正行為が発覚。この不正行為はLEM社とコンサート企画会社の間に入ったプレジールに、顧客から受領したチケット代金などの資金をプレジールが流用していたというものだった。LEM社はこのプレジールに対する債権を確実に公正に回収するために、3月16日東京地裁に破産を申し立て、プレジールは6月30日、破産手続開始決定を受けていた。それ以降、ARMOR社の事業継続が難しくなっていた。

北國リゾート(株) [石川] 不動産賃貸、管理

負債総額 97億1900万円

 北國リゾート(株)(加賀市山代温泉11-2-1、設立昭和35年8月、資本金5000万円、吉田美喜代表)は、9月6日金沢地裁から破産手続開始決定を受けた。

 同社は、明治40年に花屋旅館として創業。昭和37年5月、加賀市山代温泉に旅館を新設し「ホテル百万石」(客室27室)を開業。同50年には本館を焼失したが再建を果たし、同57年に数奇屋風別館「梅鉢亭」、同60年には南館を相次いで開業し、収容人員は山代温泉内ではトップクラスとなる1100名規模に達した。その後も平成6年にはスパリゾート施設「SPA百万石浴殿」をオープンするなど、積極投資で営業強化を図ってきた。その間、第34回全国植樹祭の行幸の際には昭和天皇が梅鉢亭の特別室にご宿泊され、全国的にも名門旅館として知名度を高め、最盛期の平成3年7月期には年商は87億8800万円をあげていた。

 しかし、バブル崩壊後は不況の長期化で業績がジリ貧傾向となり、平成17年には記録的な大雪で宿泊客のキャンセルが続いたことや、愛知万博の開催により観光客が中京方面へ流れた影響もあり、年商は約30億円まで落ち込んでいた。

 こうしたなか平成20年2月に新たに百万石アソシエイト(株)を設立して旅館の営業権を移管し、同社は不動産賃貸管理会社となった。しかし、その後も厳しい経営環境が続く中で借入の返済が滞り、主力行が債権譲渡に踏み切った。今回の破産はその譲渡先が平成20年10月に申し立てたものであり、2年近く経過してようやく破産手続開始決定となった。

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