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2008年(平成20年)10月度こうして倒産した・・・ 主な大型倒産事例 <負債額順>
大和生命保険(株) [東京] 生命保険業

負債総額 2695億円

 大和生命保険(株)(千代田区内幸町1−1−7、設立昭和30年5月、資本金120億8696万円、中園武雄社長、従業員1011名)は、10月10日東京地裁に更生特例法適用を申し立て、10月17日開始決定を受けた。申立代理人は阿部信一郎弁護士(千代田区永田町2−13−10、東京青山・青木・狛法律事務所ベーカー・アンド・マッケンジー外国法事務弁護士事務所外国法共同事業、電話03−5157−2700)。負債総額は2695億円。

 

 生命保険会社の破たんは平成13年3月の東京生命保険(相)(現:T&Dフィナンシャル生命)以来で、生命保険会社の更生特例法適用は4件目となる。

 

 同社は明治44年9月に日本徴兵保険(株)として創業、昭和20年10月終戦に伴い大和生命(株)として普通保険業者に転じた。営業職員による販売や銀行窓口等での販売を手掛け、平成20年3月期の保険料収入は356億3500万円を計上し、業界33位に位置していた。 しかし、運用証券の損失が経営を圧迫、サブプライムローンを組み込んだ証券化商品では約14億円の評価損を計上していた。このため、9月に金融庁の立ち入り検査を受け自力再建を探っていた。

ニューシティ・レジデンス投資法人 [東京] 不動産投資法人

負債総額 1123億円

 ニューシティ・レジデンス投資法人(港区六本木1−10−6、設立平成16年9月、出資総額909億3160万円、新井潤代表)は、10月9日東京地裁へ民事再生手続開始を申し立てた。監督委員には腰塚和男弁護士(千代田区神田須田町1−13−8、東京まどか法律事務所、電話03−3254−6788)が選任された。負債は1123億6500万円。不動産投資信託市場(J−REIT)では市場発足以降、初の倒産となった。

 

 同法人は、平成16年9月に米国系不動産投資会社CBリチャード・エリスが母体となって設立され、同年12月に東京証券取引所の不動産投資信託証券市場に上場した。シービーアールイー・レジデンシャル・マネジメント(株)に委託し、首都圏の賃貸住宅に特化した資産運用を行っていた。運用資産は「ニューシティレジデンス」シリーズのマンションを中心に物件数106件、資産規模2118億円、賃貸可能戸数7170戸とし、主要投資主は国内外の信託銀行および外資資本が多くを占め、同20年2月期(6カ月決算)は営業収益約62億5200万円に対し24億5300万円の最終利益を確保していた。

 

 しかし、米国サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融市場の混乱、信用収縮などから国内不動産取引市場全体が停滞し、取得資産の決済資金および借入金の返済資金を調達することができない状態に陥った。このため近時は投資物件を、売却損を計上しても処分を進めてきたものの、10月末までに取得予定の資産の決済資金及び10月に返済期限の到来する借入金の返済の目処がたたないことから今回の事態となった。

(株)ダイナシティ [東京] 不動産販売

負債総額 520億円

 (株)ダイナシティ(港区虎ノ門4−3−1、設立平成6年9月、資本金114億9764万円、吉田雅浩社長、従業員210名)は、10月31日東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。監督委員には佐々木茂弁護士(新宿区市谷薬王寺町8−1、佐々木総合法律事務所、電話03−3359−0825)が選任された。負債総額は520億7700万円。

 

 同社は、平成6年に中興建設(株)の社名で設立された不動産販売業者。同9年に自社ブランド「スカーラ」シリーズの分譲開始に伴い、自社分譲物件のマンション販売に進出。同11年には社名を(株)ダイナシティに変更、同13年12月には店頭登録企業となり、同社及び連結子会社3社でグループを形成した。単身者及びDINKS層をメインターゲットとし、都市及び都市近郊部の駅至近立地において、都市型コンパクトマンション「ダイナシティ」シリーズ等の企画・開発・販売を行い、ピーク時の同18年3月期には年商604億7500万円を計上していた。

 

 しかし平成17年6月、当時の社長中山論氏が覚せい剤取締法違反容疑により逮捕され役員を辞任、会社の信用も大きく失墜した。同年12月、中山一族はライブドアグループと資本・業務提携を行ったが、その後にライブドア事件が勃発。同18年8月には同グループの株式と無担保転換社債型新株予約権付社債191億円を(株)インボイス(東証1部)が譲受人となり、(株)インボイスの系列として再建に取り組んでいた。

 

 ところが、昨年からのサブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱、不動産市況の大幅な悪化から事業環境が急変。買い控えによる契約率低下や不動産ソリューション事業への影響が大きく、同20年3月期の年商は315億6000万円にまで低下し、事業再構築損を中心に69億5000万円の特別損失を計上、最終的に92億2000万円の赤字に転落した。

 

 こうしたなか、コンパクトマンション事業への経営資源集中、不動産ソリューション事業からの撤退、一部開発プロジェクトの中止、人員・経費の削減などを行い事業の再構築を図っていたが、今期に入り不動産市況の更なる悪化から保有していた物件の売却が難航。金融機関からの新規融資や借換融資も困難となり、決済資金の調達の目処が立たなくなったことから今回の申立となった。

(株)新井組 [兵庫] 建築・土木工事

負債総額 427億円

 (株)新井組(西宮市池田町12−20、設立昭和19年5月16日、資本金21億9245万円、酒井松喜社長、従業員471名)は、10月8日東京地裁に民事再生手続開始申し立てた。申立代理人は荒井正児弁護士他8名(東京都千代田区丸の内1−6−5丸の内北口ビル、森・濱田松本法律事務所、電話03−5223−7764)。負債総額は427億3700万円。

 

 同社は、昭和13年7月に新井辰一氏が明治時代創業の家業を継承して個人創業し、同19年5月に法人化。同38年8月に大証2部、同58年8月東証2部に上場、同59年6月両市場で第1部に指定替え。兵庫県下トップの地場ゼネコンとして、建築工事を主体とする各種工事を手がけ、高い技術力を評価され官公庁・民間企業・不動産デベロッパー等をメインに営業基盤を構築し、ピーク時の平成8年12月期には、前年に発生した阪神・淡路大震災の復興関連の受注を背景に、1771億2700万円の売上高を計上していた。

 

 しかし、バブル景気の時期に不動産投資に注力したほか、建設市況の低迷等もあり経営内容が大幅に悪化、平成14年6月中間決算には「事業構造改善損失」として675億円を計上した。同14年8月には自主再建を断念し「経営改善計画」を策定、金融機関から約655億円の債務免除を受ける一方、同じ関西地盤のゼネコンである(株)鴻池組(大阪市北区)と資本・業務提携を実施した。その後売上高は減少傾向をたどるが、有利子負債は順次圧縮した。同18年12月には東証1部上場の金融サービス業者、NISグループ(株)(東京都新宿区)が筆頭株主となり、同19年8月に(株)鴻池組との資本提携を解消していた。同19年12月期の業績は、売上高694億8500万円、当期利益1億4800万円の実績となっていた。

 

 しかし、業容の縮小、損益の低迷等から信用不安の噂は消えず、平成19年12月期決算における金融機関に対して工事請負代金250億円超の債権譲渡担保差し入れが判明するなど、金融機関の債権保全の動きが積極化。不動産市況の急速な悪化等のため、受注先であるマンションデベロッパーが振り出した手形の割引が困難となったほか、取引先からも決済サイトの短縮・現金決済への切り替えの要請が相次ぐ状態となり、資金繰りはさらに悪化した。9月29日には中間決算短信の訂正において、不良債権の発生にともなう損失の追加計上と利益剰余金のマイナス、純資産の減少等から、ゴーイングコンサーンを注記することが発表され、注目が集まっていた。

(株)ノエル [神奈川] マンション・戸建住宅販売、不動産投資事業

負債総額 414億円

 (株)ノエル(川崎市高津区二子5−1−1、設立昭和47年2月22日、資本金22億6905万円、金古政利社長、従業員230名)は、10月30日東京地裁に破産手続開始を申し立て、同日開始決定を受けた。申立代理人は渡邊顕弁護士(東京都港区虎ノ門4−3−1城山トラストタワー31F、成和明哲法律事務所、電話03−5405−4080)。負債総額は414億円。

 

 同社は、賃貸仲介・売買仲介・新築戸建販売・新築マンション販売・収益不動産開発を総合的に行うなど幅広い展開をみせ、新築建売住宅のデザインは独創的なものが多く、雑誌社とコラボレーションした住宅建築を行っていた。東急田園都市線の沿線に強みを持ち、平成17年9月にはジャスダックに上場、同19年8月には東証2部上場を果たし、同19年8月期には売上高777億9279万円と過去最高の売上高を計上した。

 

 しかし、平成19年秋口からの不動産市況の悪化や、資材高騰の影響、販売価格上昇に伴う買い控えなど経営環境は急激に悪化し、7月18日に発表した同20年8月期決算見込みは、売上高653億円、当期純損失54億3000万円と、大幅な下方修正となった。同時に発表した「経営改善策に関するお知らせ」では、役員報酬の減額や希望退職者の募集、給与体系の見直しを実施するとの経営合理化策を打ち出していたが、保有物件の売却計画の大幅な遅れや借入返済の遅延、債務の未払い発生など資金繰りは逼迫。決済資金の調達が出来ず、今回の措置となった。

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