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第2回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査

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公開日付:2020.03.12

 「新型コロナウイルス」感染が拡大した2020年2月の売上は、約7割(67.6%)の企業が前年同月(2019年2月)より減少したと回答し、感染拡大による影響が企業業績にすでに表れていることがわかった。
 新型コロナウイルスの企業活動への影響は、94.6%の企業が「すでに影響が出ている」、または「今後影響が出る可能性がある」と回答した。前回(2月7日~16日実施)のアンケート(回答1万2,348社)では、「すでに影響が出ている」が22.7%、「今後影響が出る可能性がある」が43.7%で、何らかの「影響がある」企業は合計66.4%にとどまっていた。3週間で28.2ポイント上昇した。
 業種別では、道路旅客運送業ですべての企業が「すでに影響がでている」と回答した。
 また、感染拡大を防ぐため政府が推奨している「在宅勤務」や「リモートワーク」は、大企業の33.7%が実施しているのに対し、中小企業では14.1%にとどまり、規模格差が顕著だった。
 東京オリンピック・パラリンピックの中止を懸念する企業は約4割(36.0%)にのぼった。

  • 2020年3月2日~8日にインターネットでアンケートを実施し、有効回答1万6,327社を集計、分析した。
  • 前回(第1回)の「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査は、2月20日発表。
  • 資本金1億円以上を大企業、1億円未満や個人企業等を中小企業と定義した。

Q1.新型コロナウイルスの発生は、企業活動に影響を及ぼしていますか?(択一回答) 

大企業の64.2%、中小企業で52.7%が「すでに影響が出ている」
 最多は、「現時点ですでに影響が出ている」で54.8%(1万6,327社中、8,952社)。次いで、「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」が39.8%(6,498社)で、合計94.6%の企業が企業活動への影響をあげた。
 規模別では、「現時点ですでに影響が出ている」は、大企業(資本金1億円以上)が64.2%(2,958社中、1,899社)、中小企業(同1億円未満・個人企業等)は52.7%(1万3,369社中、7,053社)で、大企業が11.5ポイント上回った。
 前回調査との比較では、大企業が32.6ポイント、中小企業が32.1ポイント、それぞれアップした。

新型コロナウイルスに関するアンケート1

産業別 「すでに影響が出ている」最多はサービス業他の62.2%
 産業別で、「すでに影響が出ている」と最も多く回答したのは、宿泊業や旅行業、飲食業を含むサービス業他の62.2%(3,051社中、1,900社)。外国人観光客などインバウンドの出入国規制や国内旅行の自粛、外出自粛などの影響が強く出ている。
 次いで、「すでに影響が出ている」の比率が高かったのは、卸売業の62.0%(3,593社中、2,231社)だった。卸売業は「今後影響が出る可能性がある」も34.2%(1,230社)で、合計96.3%が何らかの「影響がある」と回答した。卸売の取引先は多岐にわたり、取引連関の中心に位置するため他産業より影響が出やすいことを示している。
 規模別では、大企業の小売業で「影響なし」は1社(全104社)にとどまった。国内外で広く店舗展開する大企業は、外出自粛や買い占めなどの影響を受けやすく、同時にインバウンドは都市部の百貨店など大企業を中心に恩恵を受けていた反動とみられる。

新型コロナウイルスに関するアンケート2

業種別 「BtoC」ビジネスへの影響が顕著
 産業を細分化した業種別で分析した。
 アンケート回答企業で「すでに影響が出ている」の割合が最も高かったのは、道路旅客運送業だった。回答企業(29社)のすべてが「すでに影響が出ている」と回答した。
 以下、宿泊業の96.5%(86社中、83社)、飲食店の91.7%(133社中、122社)、旅行業や葬儀業、結婚式場業などを含むその他の生活関連サービス業の90.0%(100社中、90社)と続く。
 上位15業種中、繊維・衣服等卸売業、飲食料品卸売業の2業種以外は、一般個人を主なターゲットとしており、いわゆる「BtoC」ビジネスを新型コロナウイルスが直撃していることがわかる。

新型コロナウイルスに関するアンケート3

Q2.新型コロナウイルスの今後の影響について、どのような懸念をお持ちですか?(複数回答)

「感染拡大」が75.4%
 新型コロナウイルスによる今後の懸念について聞いたところ、1万5,597社から回答があった。
 最多は、「感染拡大」で1万1,770社(構成比75.4%)だった。2月26日に政府が大規模なスポーツ・文化イベントの中止・自粛を要請して以降、感染拡大への対応が継続されているが終息メドは立たず、多くの企業が成り行きを心配していることがわかる。
 次いで、「東京オリンピック・パラリンピックの中止」の5,615社(同36.0%)だった。関連イベントも含め、官民が開催に向けた準備を重ねているが、中止だけでなく日程変更などの延期の場合も、影響は大きいと思われる。
 一方、「不安はとくにない」は323社(同2.0%)にとどまった。

Q3.貴社では、「新型コロナウイルス」の感染拡大を防ぐため、在宅勤務・リモートワークを実施しましたか?(択一回答)

実施率17.6%、大企業と中小企業で大きな開き
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府は在宅勤務・リモートワークの推進を要請している。
 在宅勤務を「実施した」企業は、17.6%(1万5,597社中、2,759社)と2割に満たなかった。
 企業規模別では、大企業が33.7%(2,805社中、946社)で「実施した」と回答したのに対し、中小企業は14.1%(1万2,792社中、1,813社)にとどまった。大企業と中小企業では、実施率に倍以上の差が出た。

新型コロナウイルスに関するアンケート4

Q4.貴社の今年(2020年)2月の売上は前年同月を「100」とすると、どの程度でしたか?

中央値は「90」、中小の約2割が「80未満」
 感染拡大が急激に広がった2月の売上を聞いた。Q1で「すでに影響が出ている」と回答した企業のうち、4,764社から回答を得た。「100以上」は、32.3%(1,539社)にとどまり、約7割が前年割れだった。中小企業では、「80未満」が20.5%(4,092社中、840社)にのぼる一方、大企業は13.3%(672社中、90社)にとどまった。
 また、中小企業では3.6%(149社)が「50未満」まで売上が落ち込み、深刻さを増している。
 中央値は全企業が90、中小企業が90、大企業が95だった。

新型コロナウイルスに関するアンケート5


 3月12日、WHO(世界保健機関)が「パンデミック」を宣言した。今回のアンケート調査でも「新型コロナウイルス」感染拡大の企業活動への影響が、日増しに深刻さを増していることが浮き彫りになった。
 「すでに影響が出ている」業種は、道路旅客運送や宿泊、飲食などが深刻だが、それ以外にも広がっている。一般消費者やインバウンドなどを対象にした「BtoC」ビジネス停滞は、真っ先に小売業を直撃し、その後は商品を供給する卸売業、商品・製品を作り出す製造業に波及する。また、サプライチェーンの混乱による部材の供給遅延・停止は、製造業や建設業にも影響するなど、新型コロナウイルスの感染拡大は需要減少と供給混乱が同時に進行する異常事態を招いている。
 3月10日、政府は新型コロナウイルス緊急対応策の第二弾を公表した。企業向け支援策は、第一弾で実施した緊急貸付・保証の深堀りが中心になっている。ただ、資金繰りが日ごとに悪化する中小企業には、従来にないスピードで対応しないと年度末の3月末が目前に迫っており、混乱が生じる可能性もある。
 同時に、資金貸付が中心の支援だけでは、感染拡大の終息が見通せない状況で返済原資の確保が難しい中小企業は借入への抵抗もある。モラルハザードにも配慮しながら、疑似資本的位置づけの超長期の融資など、大胆な支援策も必要になってくるだろう。今回のアンケートでは、法人税や固定資産税の減免・繰り延べを求める声も寄せられている。
 感染拡大が本格化した2月売上高は、約7割の企業が減収と回答した。東京商工リサーチの企業データベースによると、2019年3月期の企業決算は、増収:減収:横這いは5:4:1の比率で、今年2月の企業業績の落ち込みの深刻さがわかる。その後もイベント自粛や外出自粛は広がり、消費マインドをさらに冷え込ませ、3月の売上はもう一段の悪化に向かう可能性もある。
 感染拡大を防ぐための在宅勤務の実施は、大企業(33.7%)と中小企業(14.1%)で倍以上の開きがあった。今後は「働き方改革」の中で、新たな課題に浮上している。
 今後の懸念では、4割近い企業が「東京オリンピック・パラリンピックの中止」をあげた。事前準備の大きいイベントだけに、中止、延期いずれにしても大きな影響が出る。
 新型コロナウイルス感染拡大で、企業業績は打撃を受けている。株価乱高下、為替変動など、企業を直撃する事態も進行している。新型コロナウイルスの終息メドが不透明で、これまで想定していない事態に向け、さらにもう一段の中小企業支援策も必要になっている。

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