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4度の行政処分と刑事告発で揺れるジャパンライフ、取材ルポ

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公開日付:2017.12.25

 師走も押し詰まった12月22日。ジャパンライフ(株)(TSR企業コード:291624898、千代田区)の本社前は朝から慌ただしかった。会社の電話は通じず、本社前には債権者10名ほどが入口の前にたたずんでいた。
 12月に消費者庁から4度目の行政処分を受け、20日には被害対策弁護団が愛知県警に刑事告発していた。さらに本社不動産の売却や山口ひろみ社長の辞任などの情報が駆け巡ると、ネットやSNSでも話題が拡散していた。
 東京商工リサーチ(TSR)情報部は、夏からジャパンライフの取材を本格的に続けていた。ところが12月21日午後になり、ジャパンライフと連絡が取れなくなった。22日朝には同社と取引していた取引先からも「連絡が取れない」という問い合わせが急増した。全国の高齢者を中心とした数千名から集めた預かり金などは総額2,000億円といわれるジャパンライフの本社前をルポした。


沈黙を続けるジャパンライフ本社

沈黙を続けるジャパンライフ本社

「12月21日、木曜日」

 TSRは独自に山口ひろみ社長の辞任と本社不動産の売却情報を入手した。すぐ会社登記簿、不動産謄本で事実を確認。ジャパンライフに取材すると担当者も社長辞任を認める。理由は「体調不良」と語った。だが、不動産売却のコメントは複数回、担当者の携帯に連絡したが応答はなかった。

「12月22日、金曜日」

【9時00分】
 担当者の携帯は呼び出すが応答はない。この頃からTSR情報部の電話には会員と思われる女性や取引先から、ジャパンライフと連絡がつかないとの電話が入り始める。

【9時30分】
 本社に到着。朝の神保町、出勤する人などで混雑しているが、ジャパンライフ本社は不気味な静けさが漂っていた。入り口ドアがタイミング良く開き、中に入るとすでに債権者が入口にたたずんでいる。「連絡が取れず心配になって訪問した」という。受付に女性はいない。ただ、エレベータがひっきりなしに動き、誰か社内にいることはわかる。受付の電話から呼び出すが応答はない。

【9時50分】
 社員と思われる人物が玄関を通り過ぎたため、債権者とともに声をかけ呼び止める。担当者を呼んでほしいと頼むが、「総務も経理もおらず対応できない」と返答。何も得るものはなく、外で待つことにする。

【10時00分】
 本社入口の自動ドアは、暗証番号を入力しないと開かない。郵便や宅急便の配達員は自動ドアが開かないため、インターホンを鳴らすが応答がない。それぞれ諦めて荷物を抱え帰る。郵便局の配達員は1時間ごとに来たが、なしのつぶて。

【11時00分】
 突然、女性従業員がばらばらに10名ほど段ボール箱を抱えて出てきた。取材には全員口を固く結んだまま。その後も断続的に従業員が荷物を抱えて出てくるが、いずれも取材にはノーコメント。
 債権者の一人が従業員に担当者を呼んで欲しいと頼むが、無視して足早に立ち去る。いずれも両手で会社の荷物を段ボール箱や紙袋を抱えている。

荷物を持ち社外に出る従業員

荷物を持ち社外に出る従業員

【11時40分】
 別の債権者は「債権が残っている。ジャパンライフに電話しても繋がらず来社した」と語気を強めながら語る。入口のインターホンは鳴らしても応答なし。

【11時50分】
 男性従業員が大きな荷物を抱えて出てきた。取材には無言で、大量の荷物を車に運び混む。

【12時00分】
 タイミング良く社内に入れた業者がジャパンライフから出てきた。「社内にはいつもより従業員がかなり少ない。デスクの上はきれいに片づけられていた」と社内の状況を説明。

【12時18分】
 ジャパンライフの山口会長が乗車していると思われる高級外車が本社前を通り過ぎる。同一の番号が3つ並んだわかりやすいナンバーだ。債権者の一人が「あれは会長の車だ」と話す。

【12時30分】
 別の債権者に取材すると、「3年前から支払い期日に遅れることがあった」という。さらに「11月位から支払い遅れがひどくなった」とも。インターホンを押すが応答はなく、茫然と本社入口に立ちつくしている。

【13時00分】本社近隣の駐車場
 幹部が利用している駐車場を突き止めた。「ジャパンライフ」と掲げられた駐車スペースに所有者は不明だが、白い高級車が止まっていた。12時18分に本社前を通り過ぎた高級車と同じ番号が並んだナンバーだ。

ジャパンライフの駐車スペースに止まる高級車

ジャパンライフの駐車スペースに止まる高級車

【13時30分】ジャパンライフ本社
 会長が利用している国産車が本社前に。会長は乗車していない。債権者が会長の所在を訊ねるが、運転手は「会長の連絡先は言えない」と断り、そのまま出て行った。

【13時40分】地方のジャパンライフ店舗
 店舗の状況を別の取材班が確認。店内には複数の高齢女性が店員と話し、とくに変わった様子はみられない。

【14時00分】ジャパンライフ本社
 一度、別の入口から出てこようとした男性従業員は、債権者が待ち構えていることに気づき、ドアを閉めようとする。ドアが閉まる寸前、債権者がドアを押さえ、引っ張り合う。強引に従業員がドアを閉め、すぐに鍵を掛ける。

【15時00分】
 ジャパンライフ関係会社へ取材ができた。「本社から何も連絡がなく、混乱している。社長辞任や本社不動産の売却はTSRのWEBニュースをみて知った」と答える。

 その後、18時まで大きな動きはなかった。4度目の行政処分、被害対策弁護団からの告発を受け、ジャパンライフの社内は混乱しているようだ。不安を感じている高齢の会員や債権者への真摯な説明が急がれる。

 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年12月26日号掲載予定「取材の周辺」を一部抜粋)

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