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「シャープグループ国内取引状況」調査

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公開日付:2016.01.29

 東証1部上場のシャープ(株)(TSR企業コード:570384737、大阪市阿倍野区)の動向に注目が集まっている。2015年3月期に主力の液晶パネルの中国市場での販売低下や、太陽電池やテレビの不振から2,223億円の大幅赤字。さらに2015年9月中間期(4-9月期)には836億円の赤字を計上し、一気に再建に向けた動きが慌ただしくなっている。
 シャープグループの動向が影響するとみられる1次仕入先は1,680社あった。業績不振が表面化した前回調査時(2012年8月17日、2,031社)より351社減少している。ただ、総従業員数は1次仕入先で48万8,095人、2次仕入先は354万9,324人に達し、未だ雇用面での影響はいまだに大きい。
 また、1,680社のうち、資本金5,000万円未満は1,058社(構成比62.9%)、従業員数50人未満は1,017社(同60.5%)といずれも6割を超え、シャープグループの取引は中小企業を中心に展開していることがわかった。
 東京商工リサーチは、シャープグループの仕入先、販売先を1次(直接取引)および2次(間接取引先)に分け、インターネット企業情報サービス「tsr-van2」の企業相関図を活用し業種や地区、規模などを集計、分析した。


  • 1次取引先は直接取引のある取引先。2次取引先は、1次取引先と直接取引がある取引先(間接取引)を示す。
  • シャープグループ:シャープ本体と有価証券報告書に記載の国内連結子会社12社。

産業別 1次仕入先は製造業が約4割、1次販売先は小売業が約5割を占める 

 シャープグループの1次仕入先は1,680社。外注先が多い製造業が655社(構成比38.9%)を占めて最多だった。以下、卸売業352社(同20.9%)、情報通信業239社(同14.2%)、サービス業他234社(同13.9%)の順。
 一方、1次販売先は4,030社だった。家電販売などの小売業が2,050社(同50.8%)と半数を占め、次いで卸売業が935社(同23.2%)だった。

シャープグループ取引先 産業別

業種別 1次仕入先は受託開発ソフトウェア業が最多

 シャープグループの1次仕入先(1,680社)の業種別では、システム開発などの受託開発ソフトウェア業が151社で最多。以下、電気機械器具卸売業(128社)、その他の電子部品・デバイス・電子回路製造業(49社)、その他の産業機械器具卸売業(42社)、一般貨物自動車運送業(36社)と続く。
 産業別で最も多かった製造業(655社)を業種別でみると、その他の電子部品・デバイス・電子回路製造業(49社)、オフセット印刷業(25社)、半導体製造装置製造業、電気計測器製造業(各19社)、プラスチック異形押出製品製造業、集積回路製造業(各18社)など。

資本金別 1次仕入先は5千万円未満が6割

 シャープグループの1次仕入先(1,680社)の資本金別では、「1千万円以上5千万円未満」が876社(構成比52.1%)と最も多かった。次いで、「1億円以上」が387社(同23.0%)、「5千万円以上1億円未満」が235社(同13.9%)と続く。
 一方、1次販売先(4,030社)では、最も多いのが「1千万円以上5千万円未満」で1,866社(構成比46.3%)。以下、「1百万円以上5百万円未満」が735社(同18.2%)、「5百万円以上1千万円未満」が315社(同7.8%)の順。
 資本金5千万円未満の1次仕入先は全体の62.9%、1次販売先は同90.0%を占め、シャープグループと直接取引がある企業の多くは中小規模企業であり、シャープグループの動向に業況は大きく影響される可能性がある。

従業員数別 1次仕入先は50人未満が6割

 シャープグループの1次仕入先(1,680社)の総従業員数は48万8,095人、2次仕入先(5,558社)の総従業員数は354万9,324人だった。
 1次仕入先の従業員数別では、「20人以上50人未満」が322社(構成比19.1%)で最多。次いで、「10人以上20人未満」が247社(同14.7%)、「5人以上10人未満」が244社(同14.5%)、「50人以上100人未満」が234社(同13.9%)、「5人未満」が204社(同12.1%)と続く。
 一方、1次販売先(4,030社)では、「5人未満」が2,040社(構成比50.6%)と最多だった。以下、「5人以上10人未満」が682社(同16.9%)、「10人以上20人未満」が459社(同11.3%)、「20人以上50人未満」が375社(同9.3%)、「50人以上100人未満」が180社(同4.4%)の順。
 従業員数が50人未満(不明除く)の1次仕入先は1,017社(構成比60.5%)、1次販売先は3,556社(同88.2%)で、シャープグループと直接取引のある企業の多くは中小規模の企業が占めている。

シャープグループ取引先 従業員数別

地区別 大都市圏と製造拠点の地域に集中

 シャープグループの1次仕入先(1,680社)を地区別でみると、関東739社(構成比43.9%)で最も多く、次いで近畿621社(同36.9%)で、この2地区で8割(同80.9%)を占めた。
 1次仕入先では、生産拠点のある奈良県が56社(4位)、広島県が55社(5位)、三重県が45社(7位)、栃木県が39社(9位)あった。報道によると、シャープの希望退職に応じた元社員のうち、奈良県内のハローワークに登録したのは820名で、3割程度しか再就職先が決定していない。今後、シャープグループが再び希望退職や事業所閉鎖、地元取引先との取引縮小を実施した場合、地域経済や雇用に大きな影響を与えることが懸念される。

まとめ

 シャープグループの取引先の多くは中小企業が占めている。生産拠点のある地域では、取引先の従業員まで多くの雇用を創出しており、同社の動向次第では地域経済や雇用に大きな影響を与えることも懸念される。
 シャープの経営再建は、産業革新機構が主導する主力行の金融支援、鴻海精密工業(台湾)の出資提案などに絞られ、最終局面を迎えつつある。ただ、今回の調査で取引先の中小企業で多くの雇用を創出していることが明らかになり、再建のイニシアチブをどこが握るにしても液晶技術の海外流出の是非だけでなく、雇用や地域経済にも目を向けた最大限の配慮が必要だ。

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