ホーム > 最新記事 > データを読む > 2018年 > 「マイナンバー法のスタートに関するアンケート」調査

「マイナンバー法のスタートに関するアンケート」調査

  • RSS
  • お気に入りに登録する

公開日付:2015.08.11

 2016年1月に「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)が施行される。これに伴い、「マイナンバー制度」ならびに「法人番号制度」がスタートするが、さまざまな分野への影響が考えられている。
 東京商工リサーチでは全国の企業を対象に「マイナンバー法のスタートに関するアンケート」を実施した。これによると、6割の企業が「マイナンバーにメリットがない」と答える一方、2割の企業はビジネスチャンスと捉えて期待感を持っていることもわかった。しかし、5割の企業が「情報漏洩」を懸念し、最大のデメリットと考えていることが浮き彫りになった。


  • 本調査は2015年6月23日~7月7日の期間にインターネットによるアンケートを実施し、有効回答を得た全国4,942社の回答を集計・分析した。なお、資本金1億円以上を大企業、同1億円未満(個人企業、各種団体を含む)を中小企業等と規定した。

マイナンバーのメリット、デメリットに関して

Q1. マイナンバー制度における一番のメリットは何ですか?
 ~メリットなしが6割~

 マイナンバーのメリットについては、全体では「メリットはない」が3,258社(構成比65.9%)で最多、次いで「情報管理がしやすくなる」が742社(同15.0%)、「業務の効率化」が518社(同10.5%)と続く。6割以上の企業が制度にはメリットがない、と否定的な回答を寄せた。
 「メリットはない」としたのは、大企業が739社のうち465社(構成比62.9%)、中小企業等でも4,203社のうち2,793社(構成比66.5%)と比率に大きな開きはなかった。

マイナンバー調査Q1

Q2. マイナンバー制度における一番のデメリットは何ですか?
 ~5割が情報漏洩に懸念~

 マイナンバーのデメリットについては、全体では「情報漏洩リスク」が2,634社(構成比53.3%)で過半数を占め最多だった。次いで「業務の煩雑化」が750社(同15.2%)、「業務量の増加」が596社(同12.1%)、「コスト増加」が409社(同8.3%)の順で、業務への負担を指摘する回答が1,346社(同27.2%)で3割を占めた。
 「情報漏洩リスク」との回答は、大企業は387社(同52.4%)、中小企業等では2,247社(同53.5%)で、そのほかの回答についても構成比率に大きな差はみられなかった。

マイナンバー調査Q2

マイナンバー導入の準備に関して

Q3. マイナンバー制度導入の準備状況を選択してください
 ~6割がまだ検討段階~

 マイナンバー制度導入の準備については、全体では「検討中」が2,841社(構成比57.5%)で約6割を占め最多。次いで「未検討」が1,579社(同32.0%)、「システム設計・改修中」が386社(同7.8%)、「概ね完了」は136社(同2.8%)の順。「未検討」は30%を超えたのに対し、「概ね完了」はわずか2.8%にとどまった。
「未検討」と回答したのは、大企業が約1割(12.9%)だったのに対し、中小企業等では3割以上(35.3%)と、大企業に比べ中小企業等の準備の進捗が遅れていることがわかった。

マイナンバー調査Q3

Q4. マイナンバー制度導入において実施または想定する対応や準備を3つまで選択してください
 ~セキュリティ強化が最大の関心事~

 マイナンバー制度導入への対応や想定については全体では「情報漏洩セキュリティ体制強化」を選択した回答数は2,463(構成比19.7%)で最多だった。次いで、「従業員などのマイナンバー把握・管理方法策定」が2,260(同18.0%)、「社内での周知」が2,073(同16.5%)となり、回答数が2,000を超えた。
 Q2.でデメリットとして「情報漏洩リスク」との回答が過半数を占めたことに連動し、「情報漏洩セキュリティ体制強化」「従業員などのマイナンバー把握・管理方法策定」「情報取扱関連規定の作成・改訂」といった管理面への回答が50.9%(1万2,501の回答中6,358回答)と、半数を占めた。「その他」とした回答中では、「情報漏洩は必ず起こるとの前提で、情報はPCには残さず紙に印刷したうえで金庫に保管する」というアナログ的な手法で漏洩に備えようとする回答もあった。
 大企業、中小企業等ともに「情報漏洩セキュリティ体制強化」との回答が最多で、デメリットとして回答した漏洩懸念に対するセキュリティが、最大の関心事であることがわかった。

マイナンバー調査Q4

法人番号の認知に関して

Q5. 法人番号制度について、どの程度ご存じですか?
 ~大企業と中小企業等で認識度に開き~

 法人番号制度の認識については、全体では「名称だけ知っているが利用方法はわからない」が2,682社(構成比54.3%)で約5割を占め最多だった。次いで「ある程度の内容を知っている」が1,581社(同32.0%)で約3割、「知らない」は637社(同12.9%)で約1割にとどまり、約7割(同67.2%)の企業で認識が低かった。
 企業規模別でみると、大企業では「ある程度の内容を知っている」が342社(同46.3%)で最多、「知らない」が58社(同7.8%)にとどまるのに対し、中小企業等では「ある程度の内容を知っている」が1,239社(同29.5%)、「知らない」は579社(同13.8%)だった。中小企業等より大企業の方が情報把握への意識があり認識の高いことがうかがえる結果となった。

マイナンバー調査Q5

Q6. 法人番号対応の予定についてお聞かせください
 ~大企業では6割が活用の方向~

 法人番号制度への対応の予定については、全体では「検討中」が1,958社(構成比39.6%)と「未検討」が1,955社(同39.6%)で拮抗した。次いで、「活用する予定はない」が722社(同14.6%)、「活用する予定がある」が265社(同5.4%)の順だった。
 「検討中」または「活用する予定がある」との回答は、大企業では435社で構成比6割(同58.8%)を占めた。一方、中小企業等では1,788社で構成比4割(同42.5%)にとどまり、大企業の方が法人番号制度に前向きな意識を持っていることがわかった。

マイナンバー調査Q6

Q7. 法人番号制度導入で想定するメリットを3つまで選択してください。
 ~4割がメリットなし、今後の活用に期待感も~

 法人番号制度のメリットについては、「メリットはない」とする回答が2,081社(構成比42.1%)で最多。メリットとしての回答を1つ以上選択した企業は、「取引先管理の利便性向上・効率化」が1,288社、「取引先信用情報入手の効率化」が846社、「企業マスタの登録・更新の効率化」が709社の順だった。マイナンバー制度導入で最多回答だった「メリットはない」と同様、法人番号制度に関しても約4割の企業が「メリットなし」と回答した。
 Q5で約7割(構成比67.2%)の企業が法人番号への認識が低いことがわかったが、認識が低いために「メリットはない」の回答が多数を占めたともいえそうだ。
 「メリットなし」とした回答は、大企業、中小企業等の間でも、構成比率に大きな差はなかった。しかし、「取引先管理の利便性向上・効率化」「取引先信用情報入手の効率化」「企業マスタの登録・更新の効率化」「行政手続きの添付書類削減」など、利用価値を認める項目を1つ以上選択したのは4,443の回答があった。法人番号制度を「活用する予定がある」(Q6)とした回答の構成比は全体の5.4%にとどまったものの、導入された後には何とか利用したいとの期待材料もあることが透けて見える。

マイナンバー調査Q7

マイナンバー、法人番号の影響に関して

Q8. マイナンバー・法人番号制度の影響が見込まれるものをすべて選択してください。
 ~ビジネスチャンスと捉えているのは2割~

 自社のビジネス展開へのマイナンバー・法人番号制度の影響については、全体では「影響はない」が2,918社(構成比59.0%)で約6割を占めた。大企業、中小企業等別でも、それぞれ439社(同59.4%)、2,479社(同58.9%)で最多だった。
 しかし「新規顧客向け新商品・サービスの提供」「従来顧客向け新商品・サービスの提供」「新規顧客向け従来商品・サービスの提供」「従来顧客向け従来商品・サービスの提供拡大」「新規市場参入」から回答を1つ以上選択した、ビジネスチャンスとして捉えているのは933社で約2割(18.8%)を数えた。
 産業分類別では、「ビジネスチャンス」と捉えた回答をしたのは情報通信業が298社中105社(構成比35.2%)で唯一3割を超えトップだった。次いで金融・保険業が47社12社(同25.5%)、農・林・漁・鉱業が17社中4社(同23.5%)、不動産業が118社中26社(同22.0%)、運輸業が187社中38社(同20.3%)、卸売業が1,209社中232社(同19.2%)、サービス業ほかが691社中127社(同18.4%)、小売業が251社中44社(同17.5%)、建設業が693社中118社(同17.0%)、製造業が1,431社中227社(同15.9%)の順。ビジネスチャンスと捉えた情報通信業は、行政との接点が比較的多いこともあってプラス志向の関心を持ちやすいと考えられる。

マイナンバー調査Q8

Q9. マイナンバー法人番号制度の導入で想定する対応費用を選択してください
 ~半分が「わからない」~

 マイナンバーおよび法人番号制度導入の費用については、全体では、導入への準備が進んでいないことと併行し、「わからない」との回答が2,421社(構成比49.0%)で半数を占めトップだった。次いで「50万円未満」が901社(同18.2%)、「未回答」が608社(同12.3%)、「50万円以上100万円未満」が526社(同10.6%)、「100万円以上500万円未満」が371社(同7.5%)の順だった。
 大企業では「わからない」が327社(同44.2%)で最多。次いで、「未回答」が113社(同15.3%)、「100万円以上500万円未満」が94社(同12.7%)の順。中小企業等でも「わからない」が2,094社(同49.8%)で最多。次いで「50万円未満」が835社(同19.9%)、「未回答」が495社(同11.8%)の順だった。比較的、多くの従業員を抱える大企業の方が、想定費用の大きい傾向がみられた。

マイナンバー調査Q9

まとめ

 自由回答欄に回答を寄せた694社のうちマイナンバーのデメリットとしても選択した「情報漏洩の懸念」や「情報管理の強化」など、改めて情報の流出への心配の声が75社(構成比10.8%)から寄せられ、マイナンバーに対する懸念を払拭しきれない不安が感じられた。ただ、中小企業等を中心にまだ認知度は低く、導入への懸念が先行している。
 国民の利便性や正確さ、公平感などをアピールして導入が決められた「マイナンバー・法人番号制度」に対しては、情報漏洩を懸念する否定的な回答が多数を占めた。しかし、一方では2割の企業が「ビジネスチャンス」と捉えていることもわかった。
 「マイナンバー・法人番号制度」へのマイナス・イメージが先行するなか、今後はより多くの情報発信によって企業への認知度を高めるとともに企業の新たな取り組みを促し、ビジネスに結び付けるための方向性を示すことが求められる。

最新記事・倒産状況に関するお問い合わせ
フォームからお問い合わせ

資料請求・お問い合わせ

電話・FAXでのお問い合わせ

株式会社東京商工リサーチ 情報部
03-6910-3155

最寄りのTSR支社店へお問い合わせください
支社店一覧
製品詳細・資料請求・お問い合わせに関して

製品に関する詳細情報、料金体系につきましては、「資料請求・お問い合わせ」ボタンをクリック後、以下の手順でお問い合わせください。

  1. お問い合わせ種別:「お問い合わせ」を選択
  2. お問い合わせの内容:「○○○」(任意:質問事項・要件など)とご記入
  3. ご連絡先:必要事項を入力し、送信してください。
このページを見ている人はこんなページも見ています

重要な経済指標である倒産をベースに国内経済を把握できます。
倒産月報・企業倒産白書

倒産情報や債権者リストなど経営判断に欠かせない情報誌です。
TSR情報誌(倒産情報誌)

国内を含めた世界最大級の多彩な企業情報をオンラインでご提供!
tsr-van2(インターネット企業情報サービス)

1日2回、最新の倒産情報をメールいたします。
TSR express(TSR情報Web) -倒産情報配信サービス-

負債総額30億円以下の情報も収録!! TSR情報を2週間無料で試読いただけます。※地域によっては最大1カ月 お申し込みはこちら

TSRネットショップ TSRの商品がオンラインで購入できます!

インターネットエラベル TSRがオススメする就職・営業に役立つ地域の優良企業紹介サイト

TSR Express 1日2回の倒産情報配信・検索サービス

メルマガ登録 無料セミナーやイベントを優先的にご案内!

ページの先頭へ