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2014年「全国新設法人動向」調査

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公開日付:2015.08.10

 2014年の1年間に全国で新しく設立された法人(新設法人)は11万9,552社で、5年連続で増加した。地区別では復興需要が一巡した東北を除く8地区で前年を上回った。産業別では、公共事業拡大、株高、不動産市場の活況などを背景に、建設業、金融・保険業、不動産業などの伸びが目立ったのに対し、円安に伴う燃料高が影響した運輸業は唯一前年を下回った。


  • 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象398万社)から、2014年に新しく設立された法人データを抽出し、分析した。

調査概要

2014年の新設法人、前年比8.5%増

 2014年(1-12月)に全国で新しく設立された法人(新設法人)は、11万9,552社(前年比8.5%増、前年11万175社)にのぼった。新設法人数は2009年にリーマン・ショックに端を発した世界同時不況の影響により前年を下回ったが、2010年以降は5年連続で前年を上回っている。

産業別、建設業が前年比2割増

 産業別の前年比では、10産業のうち運輸業を除く9産業で増加した。増加率トップは建設業の21.5%増。次いで、金融・保険業16.5%増、農・林・漁・鉱業9.5%増、不動産業9.5%増、製造業8.7%増、サービス業他6.9%増の順。建設業は景気対策としての公共事業拡大や民間工事の増加が要因に挙げられる。また金融・保険業も2ケタ増で、アベノミクス効果による株高などの資金運用環境の改善を背景としている。一方で運輸業は0.9%減で唯一減少した。これは2014年前半の急激な円安進行による燃料高が影響したとみられる。

調査概要

業種別、電気・ガス・熱供給・水道業が前年比8割増

 業種別では、前年比で電気・ガス・熱供給・水道業が81.5%増(1,816→3,296社)と前年に引き続いて高い増加率をみせた。太陽光や風力、地熱など再生可能エネルギーによる発電を目的とした法人が多く設立された。
 また、高齢化社会での有望業種とされる医療・福祉事業は2.2%増(7,656→7,825社)、通信・放送業が50.6%増(247→372社)、飲食業が9.6%増(6,171→6,766社)だった。
 一方、減少した主な業種は、飲食料品小売業が4.8%減(2,189→2,085社)、宿泊業が1.0%減(385→381社)、繊維・衣服等卸売業が0.7%減(587→583社)など。

資本金別、小規模な法人が増加

 資本金別では、「1億円以上」が405社(前年比10.2%減)、「5千万円以上1億円未満」が548社(同6.2%減)、「1千万円以上5千万円未満」が5,351社(同7.0%減)と減少した。
 この一方で、「1百万円以上5百万円未満」が5万4,275社(同11.0%増)と増加した。最低資本金規制の撤廃が浸透し、小規模な資本金の法人設立が目立つ。

地区別、全国9地区のうち東北を除き前年を上回る

 地区別では全国9地区のうち東北を除く8地区で前年を上回った。増加率では、四国が12.4%増(2,150→2,417社)でトップ。次いで、近畿12.3%増(1万6,889→1万8,961社)、中国11.9%増(4,229→4,733社)、中部10.0%増(1万604→1万1,663社)、関東8.3%増(5万4,195→5万8,695社)、九州7.6%増(1万1,099→1万1,947社)、北陸6.4%増(1,555→1,655社)、北海道3.0%増(4,031→4,152社)だった。一方、復興需要に加えて、支援に関わる非営利団体の設立などで増加を続けていた東北は1.7%減(5,423→5,329社)で勢いが一服した。

調査概要

都道府県別の増加率、39都道府県で前年を上回る

 都道府県別では、東京都が3万5,037社(構成比29.3%)で最多。次いで、大阪府が1万203社(同8.5%)、神奈川県が7,870社(同6.5%)、愛知県が6,169社(同5.1%)だった。
 一方、新設法人数が最も少なかったのは鳥取県の310社。次いで、島根県364社、福井県397社、高知県409社、秋田県428社、徳島県が435社の順。
 前年との増減率をみると、39都道府県で前年を上回り全国的に増勢が目立った。増加率トップは、島根県の27.7%増(285→364社)。次いで、高知県22.1%増(335→409社)、滋賀県20.7%増(739→892社)、兵庫県20.6%増(3,605→4,348社)、大分県18.9%増(762→906社)と続く。
 一方、前年より減少した8県では、東北が4県も含まれ復興需要の一服を浮き彫りにした。
 減少率では岩手県の7.5%減(642→594件)を筆頭にして、佐賀県6.4%減(486→455件)、福島県4.1%減(1,446→1,387社)、長崎県2.9%減(719→698件)、沖縄県2.1%減(1,509→1,477社)、青森県1.9%減(565→554件)、宮城県1.4%減(1,933→1,905社)、新潟県1.1%減(976→965社)の順だった。

新設法人率、都道府県別で沖縄県がトップ

 2014年の新設法人数を「国税庁統計年報」に基づく普通法人数(最新は2013年度データ)で除して算出した「新設法人率」でみると、沖縄県が7.4%で最も高かった。
 沖縄県は、全国平均より高めの失業率を背景に独立、起業意欲が高いほか、創業時に家族・親族などの支援が得られやすい土地柄などが影響しているとみられる。
 次いで、東京都6.6%、福岡県5.6%、宮城県4.9%、千葉県4.8%の順。これに対し、比率が低かったのは、新潟県2.4%、福井県2.5%、山形県2.6%、長野県2.7%の順だった。

2014年新設法人の最多商号は「アシスト」

 2014年の新設法人で最も多かった商号は、「アシスト」の56社だった。アシストは、英語で「力を貸す、手助けする、援助する」などを意味する「assist」があり、社会に貢献するという企業理念を表しているとみられる。次いで、「ライズ」46社、「ワイズ」42社、「サンライズ」38社、「クローバー」と「ネクスト」が各37社の順。
 前年比較では、「アイル」が20社増(9→29社)で最も増加した。アイルは英語の詩語で「島」を意味する「isle」があり、またアイル(I’ll)は 「I will」の略で、「自らの意志で未来を切り開いていく」という意味が込められているとみられる。次いで、「アシスト」が15社増(41→56社)、「ワイズ」が14社増(28→42社)、「NEXT」が13社増(21→34社)、大輝が13社増(2→15社)と続く。一方、最も減少したのは「大和」の12社減(20→8社)だった。また、震災後に増加が目立った「絆」は、2社減(28→26社)だった。商号の文字種類別をみると、2014年の新設法人では、カタカナのみの商号が全体の32.3%を占めた。

調査概要

法人格別、「士業」の法人化が増加

 法人格別では、株式会社が8万7,205社(構成比72.9%)で全体の7割を占めた。次いで、合同会社が1万9,879社(同16.6%)、一般社団法人が5,003社(同4.1%)、特定非営利活動法人(NPO法人)が2,862社(同2.3%)、医療法人が1,379社(同1.1%)と続く。
 前年比では、企業保有の不動産などの資産を譲り受けて証券化する、特定目的会社が前年比15.5%増(110→127社)で不動産市況の活況を反映した。また、高い専門性などのニーズに応えるため法人化が進む専門資格職業の「士業」では、税理士法人が同23.7%増(228→282社)、社会保険労務士法人が同17.9%増(56→66社)、弁護士法人が同4.0%増(99→103件)とそろって増加した。
 この一方で、介護老人保健施設や有料老人ホーム経営などの社会福祉法人が同27.6%減(323→234社)、特定非営利活動法人が同15.7%減(3,394→2,862社)、集落単位で農家が各自の農地を持ち寄り、農機具の共同所有や、農作業を行う農事組合法人が1.3%減(448→442社)と減少した。

まとめ

 2014年の新設法人の動向では、景気の先行き期待を背景に全国的な増勢が目立ち、増加率が前年水準を上回った。政府は成長戦略のなかで、産業の新陳代謝を促すことで、企業の開業率を欧米並みの10%台へ上昇させることを目標に掲げている。
 政府目標に沿う形で新設法人数は増加しているが、新設した法人を今後いかに活性化させ、育成していくかも重要な課題である。
 大都市と地方の経済格差が広がり、地方経済の立て直しが急がれるなかで、スピード感ある政策と実効ある地方振興策が求められている。このため、地方創生と成長戦略が車の両輪となった「ローカルアベノミクス」の実践に期待がかかる。

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