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2015年上半期「コンプライアンス違反」企業の倒産

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公開日付:2015.07.17

 2015年上半期(2015年1-6月)に法令違反や粉飾決算、偽装などの「コンプライアンス違反」が一因となった倒産は103件(前年同期107件)だった。こうしたなか、違反内容別では不正な会計処理や虚偽の決算報告書作成などの「粉飾」が前年同期に比べて倍増した。景気拡大が叫ばれるなかで経営不振から抜け出せない中小企業の一端を浮き彫りにした。


  • 本調査の「コンプライアンス違反」倒産は、建設業法、医師法などの業法違反や特定商取引法などの法令違反、粉飾決算、脱税、詐欺・横領、不正受給などをまとめた。

コンプライアンス違反関連倒産月次推移

リスク管理として重要さを増す「コンプライアンス」

 企業経営は「コンプライアンス(法令遵守)」が重要視されている。直接の法的違反でなくとも、「倫理や社会貢献などに配慮した行動」に反した社会的な不適切行為は消費者、取引先などの信頼を失い、事業継続が困難に至るケースも多い。企業にとってコンプライアンスはリスク管理という観点からも経営の重要課題として認識されてきた。

上半期の「コンプライアンス違反」倒産は103件

 2015年上半期に「コンプライアンス違反」が一因で倒産した企業は103件(前年同期比3.7%減、前年同期107件)だった。企業倒産は、金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じていることや、大手輸出企業を中心に牽引され景気が底上げされていることで一段と抑制されている。これに伴い「コンプライアンス違反」企業の経営破綻も表面化するケースが少なくなったとみられる。
 ただし、大手輸出企業が業績を伸ばしているのに比べて、中小企業は業績回復のピッチが鈍く、今後の景気動向によっては、経営破綻が表面化する可能性を払拭できない。

違反内容別、「粉飾」が倍増

 103件の違反内容別では、不正な会計処理や虚偽の決算書作成などの「粉飾」が17件(前年同期比112.5%増、前年同期8件)で前年同期より倍増した。
 また、脱税や滞納など「税金関連」が27件(同22.8%減、同35件)、「不正受給」が9件(同25.0%減、同12件)、食品の産地偽装など「偽装」が4件(前年同期ゼロ)だった。
 なお、「その他」39件の中には、建設業法や医師法など業法違反、法人税法や特定商取引法などの法令違反、行政処分、代表者の逮捕などを含む。

負債5千万円未満の小規模倒産が3割増

 103件の負債総額は751億7,800万円(前年同期比7.8%減、前年同期815億4,400万円)に減少した。このうち、負債10億円以上の大型倒産は15件(同31.8%減、同22件)だった一方で、負債5千万円未満は25件(同31.5%増、同19件)と小規模企業が3割増と増勢をみせた。
 主な倒産事例では、国からの補助金を不正に受給した疑いから社長が逮捕された木質バイオマス事業のグリーンケミカル(株)(広島・負債14億円)。金融機関から支援を受けるため、在庫や売掛金を水増ししていた鋼材加工販売の大東鋼業(株)(神奈川・同9億4,200万円)。検査や整備をせずに車検を通す「ペーパー車検」を繰り返していた自動車整備の(株)オオキモータース(大阪・同1億円)など。

産業別、サービス業他が最多の30件

 産業別では、サービス業他が30件(構成比29.1%)で最も多かった。次いで、建設業18件、製造業14件、卸売業13件、運輸業10件、小売業9件、情報通信業4件、金融・保険業3件、不動産業と農・林・漁・鉱業が各1件だった。
 最も多かったサービス業他では、飲食関連が5件、医療、老人福祉関連が4件、ホテル・旅館が2件など。これらの中には売上不振から税金を滞納したケースや、老人福祉・介護事業では、経営不振から介護報酬の不正請求などに手を染めたケースもみられた。


 企業の社会的責任が重視されるとともに、コンプライアンスの徹底が金融機関の融資継続の条件や、企業間の取引条件にも重要な要素になってきた。今やコンプライアンスを疎かにすると取引自体、さらに企業の存立にも支障をきたしかねない。
 だが、こうしたなかにあってもコンプライアンス違反企業は後を絶たない。2015年上半期では、「粉飾」決算の増加が目立った。大手輸出企業を中心に全体の景況は上向きに推移しているが、景気改善の波に乗れない中小企業の実体を反映したものともいえる。

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