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2015年3月期決算 「役員報酬 1億円以上開示企業」調査(最終まとめ)

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公開日付:2015.07.13

 2015年3月期決算で役員報酬1億円以上を開示した上場企業は211社、人数は411人だった。前年同期より社数で20社(前年同期191社)、開示人数は50人(同361人)増加した。業績改善を反映し、2年連続で役員報酬1億円以上だった272人のうち、176人(構成比42.8%)は前年同期より役員報酬額が増加した。
 役員報酬の最高額は、オリックスの宮内義彦元代表執行役会長で54億7,000万円(前年同期2億1,300万円)で、個別開示制度が始まった2010年3月期決算以降、報酬額の最高記録を塗り替えた。
 個別開示人数が最も多かった企業は、三菱電機の23人だった。前年同期(同18人)より5人増え、過去最多の記録を更新した。
 2014年3月期決算での開示がなく、2015年3月期に開示されたのは139人。このうち制度開始以来、初めて開示されたのは131人だった。


  • 本調査は、全証券取引所の3月決算の上場企業2,463社(東芝、東芝プラントシステム、オプトロムを除く)を対象に、有価証券報告書から役員報酬1億円以上を個別開示した企業を集計した。上場区分は2015年7月3日時点。
  • 2010年3月31日に施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令の改正」で、上場企業は2010年3月期決算から取締役(社外取締役を除く)、監査役(社外監査役を除く)など役職別及び報酬等の種類別の総額と、さらに提出企業と連結子会社の役員としての連結報酬1億円以上を受けた役員情報を有価証券報告書に記載することを義務付けられた。この内閣府令改正にあたっては、上場企業の「コーポレート・ガバナンス」(企業統治)に関する開示内容の充実を図ることを目的にしている。
  • ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)のニケシュ・アローラ代表取締役副社長(報酬額165億5,600万円)は2015年3月期において、取締役に就任していないため本調査は対象外とした。
  • 文中の各数値は小数第2位を切り捨て。

開示企業推移

 役員報酬1億円以上で個別開示された411人の役員報酬総額は817億3,800万円(前年同期361人、664億8,400万円)で、前年同期より152億5,400万円増加した。役員報酬の主な内訳は、基本報酬が412億2,800万円(構成比50.4%)、賞与が144億3,200万円(同17.6%)、退職慰労金(引当金繰入額含む)が113億5,500万円(同13.8%)だった。
 法人別での開示人数の最多は三菱電機(東証1部)の23人。前年同期(18人)より5人増加し、2010年3月期決算から開始された開示制度において過去最多人数を更新した。次いで、ファナックが11人(前年同期10人)、伊藤忠商事が9人(同6人)、トヨタ自動車、野村ホールディングス、三菱重工業が各8人、三菱商事、大和証券グループ本社、武田薬品工業が各7人と続く。役員報酬1億円以上が2人以上の企業は86社(構成比40.7%)で、前年の74社を12社上回った。

役員報酬額 オリックス宮内義彦代表執行役が過去最高を更新

 2015年3月期決算の役員報酬の最高額は、オリックスの宮内義彦元代表執行役会長(現シニア・チェアマン)で54億7,000万円だった(提出会社からの報酬、前年同期:2億1,300万円)。当初から会社経営に関わり、長年の実績に対する功労金(44億6,900万円)が役員報酬額の8割を占めた。以下、 三共(SANKYO)の毒島秀行代表取締役会長が21億7,600万円(提出会社と連結子会社からの報酬、同:4億5,000万円)、ソフトバンクのロナルド・フィッシャー取締役が17億9,100万円(連結会社のみからの報酬、同3億2,300万円)、岡三証券グループの加藤精一代表取締役会長が12億円(提出会社からの報酬、同2億1,200万円)、日産自動車のカルロス ゴーン代表取締役会長兼社長、最高経営責任者が10億3,500万円(同、同9億9,500万円)と続く。
 上位10人のうち、4人が役員退職慰労金(引当金繰入額を含む)主体の役員報酬だった。
 安定的な報酬である基本報酬では、日産自動車のカルロス・ゴーン代表取締役社長兼CEOが10億3,500万円でトップだった。
 個別開示対象411人のうち、2年連続開示は272人(構成比66.1%)。このうち、176人が前年同期より役員報酬額が増加し、減額は77人、同額は19人だった。また、2014年3月期決算での開示がなく、2015年3月期に開示されたのは139人。このうち、制度開始以来、初めて開示されたのが131人、2年ぶりの開示が4人、3年ぶりの開示が3人、4年ぶりの開示が1人だった。
 6年連続で1億円以上の役員報酬を受け取ったのは109人(同26.5%)だった。
 411人のうち、役員報酬額10億円以上は5人(前年同期4人)、9億円台は2人(同2人)、8億円台は1人(同3人)、5~7億円台が7人(同5人)、2~4億円台が69人(同58人)、1億円台が327人(同289人)。
 報酬額10億円以上の5人は過去最多で、2億円以上も84人(同72人)と増え、1億円台の構成比は79.5%と前年同期(80.0%)を0.5ポイント下回り、役員報酬は高額化の傾向を示した。

役員報酬額ランキング

業績連動の報酬体系に移行へ

 411人の役員報酬総額817億3,800万円(前年同期664億8,400万円)の内訳は、基本報酬が412億2,800万円(構成比50.4%、前年同期369億7,300万円)、賞与が144億3,200万円(同17.6%、同118億5,100万円)、退職慰労金(引当金繰入額含む)が113億5,500万円(同13.8%、同91億1,800万円)、ストックオプションが48億4,600万円(同5.9%、同49億7,200万円) 、業績連動報酬44億300万円、中期インセンティブ12億5,400万円など。
 役員任期中の安定報酬である基本報酬を主体にした報酬体系に大きな変化はない。
 上位50人の役員報酬総額は300億3,200万円。主な報酬内訳では基本報酬104億7,400万円(構成比34.8%)、退職慰労金(引当金繰入額含む)89億5,600万円(同29.8%)、賞与41億4,400万円(同13.7%)、ストックオプション14億8,300万円(同4.9%)。全体と比べ基本報酬が15.6ポイント、賞与が3.9ポイント、ストックオプションが1.0ポイントダウンした。
 開示制度の開始から6年目に入った。役員報酬体系は、基本報酬が柱ではあるが、退職慰労金制度の廃止などもあり、徐々に賞与やストックオプションなど、業績に連動した報酬体系に移行しつつあるようだ。

報酬支払元別 提出会社のみからの報酬が約8割

 個別開示対象411人のうち、有価証券報告書を提出した会社のみからの役員報酬1億円以上は324人(構成比78.8%、前年同期276人)で最多だった。このほか、提出会社と連結会社の両方からの役員報酬は74人(同18.0%、同76人)、連結会社のみからの役員報酬は13人(同3.1%、同9人)だった。
 上位10人では、報酬の支払元が提出会社のみが5人、提出会社と連結会社の両方からが3人で、連結会社のみは2人だった。

法人別 三菱電機が23人で過去最多を更新

 個別開示した211社のうち、法人別で役員報酬1億円以上の開示人数が最も多かったのは三菱電機の23人。2014年3月期(18人)から5人増加し、過去最多の開示人数となった。次いで、ファナックが11人。2014年3月期(10人)より1名増え、引き続き高収益を反映し10人以上の個別開示を行った。以下、伊藤忠商事が9人、トヨタ自動車、野村ホールディングス、三菱重工業が各8人、三菱商事、大和証券グループ本社、武田薬品工業が各7人、三井物産が6人と、グローバル展開をしているメーカー、商社などが上位に名を連ねている。また、株価上昇や円安を背景として業績好調から上位10社のうち、8社が前年同期を上回る開示人数となった。
 開示人数別では、1人の企業が125社(構成比59.2%、前年同期117社)と最も多く、2人が49社(同23.2%、同38社)、3人が18社(同8.5%、同15社)と続く。複数の役員に対し1億円以上の役員報酬を支払った企業は86社(構成比40.7%)で、2014年3月期74社(同38.7%)より2.0ポイントアップした。
 個別開示した211社のうち、2年連続で個別開示した企業は158社。このうち、29社は前年同期より個別開示人数が増加、17社が減少した。同数は112社。また、2014年3月期に個別開示がなかったが、2015年3月期に個別開示を行ったのは53社。
 また、6年連続で個別開示した企業は96社(構成比45.4%)、5年連続が13社だった。

開示人数ランキング

赤字決算11社、無配6社が1億円以上の役員報酬開示

 単体決算で、2015年3月期が最終赤字で1億円以上の役員報酬を支払った企業は11社だった。このうち、バンダイナムコホールディングス(3人)、出光興産(2人)の2社が複数人の役員に1億円以上の役員報酬を支払った。また、無配で1億円以上の役員報酬を支払った企業は6社だった。
 赤字決算で無配ながら、1億円以上の役員報酬の個別開示をした企業はゼンショーホールディングスのみだった。

業種別 製造業が125社・246人で最多

 役員報酬1億円以上の個別開示を業種別でみると、製造業が125社(構成比59.2%、前年同期111社)・246人(同59.8%、同211人)と最多。次いで、卸売業が18社(同8.5%、同22社)・41人(同9.9%、同48人)、金融・保険業が14社(同6.6%、同14社)・39人(同9.4%、同34人)、運輸・情報通信業が14社(同6.6%、同14社)・24人(同5.8%、同22人)と続く。
 円安の恩恵を受けグローバルな展開をする製造業を中心に業績は好調に推移し、開示社数、人数ともに大幅に増加させた。
 製造業では三菱電機が2013年3月期1人→2014年3月期18人→2015年3月期23人と、他社に比べ開示人数が突出して多い。また、三菱重工業が2014年3月期3人→2015年3月期8人、HOYAが同1人→同5人。卸売業では伊藤忠商事が同6人→同9人。金融・保険業では野村ホールディングスが同7人→同8人、大和証券グループ本社が同6人→同7人と増加した。

業歴別 業歴50年以上の開示人数が7割

 個別開示のあった企業を業歴別でみると、50年以上100年未満が133社(構成比63.0%、前年同期121社)・296人(同72.0%、同248人)、100年以上が9社(同4.2%、同7社)・15人(同3.6%、同15人)。業歴50年以上の個別開示は142社(同67.2%、同128社)・311人(同75.6%、同263人)で、開示社数は6割以上、開示人数は7割以上を占めた。しかし、10年未満は10社(同4.7%、同8社)・15人(同3.6%、同14人)。
 業歴の長い企業は相応の事業基盤が構築されている一方、業歴の浅い企業は事業基盤の形成途上にあり、業歴により個別開示社数・人数に格差が生じた。

従業員平均給与 平均700万円台が開示人数が最多

 個別開示のあった企業の従業員平均給与をみると、社数では600万円台が51社(構成比24.1%、前年同期51社)で最多。次いで、700万円台が50社(同23.7%、同42社)、800万円台が28社(同13.2%、同17社)と続く。開示人数では、700万円台が98人(同23.8%、同89人)と最多。次いで、1,000万円以上が88人(同21.4%、同82人)、600万円台が74人(同18.0%、同72人)と続く。
 従業員の平均給与が高いほど個別開示人数は増加し、逆に平均給与が低いほど個別開示人数は減少する傾向があった。

役員報酬1億円以上の配当金

 役員報酬1億円以上で個別開示された411人のうち、有価証券報告書(役員状況・大株主状況)で確認できる配当金(『持株数×1株当たりの配当額(円)、基準日2015年3月期)は、ソフトバンクの孫正義代表取締役社長(役員報酬額1億3,100万円)が92億4,820万円で最高額だった。役員報酬額では上位ではなかったが、配当はトヨタ自動車の豊田章男社長(同3億5,200万円)が9億1,920万円、飯田グループホールディングスの森和彦社長(同1億8,500万円)が6億9,996万円など、上位に名を連ねる役員も少なくない。


 引き続き円安・株価上昇などの恩恵を受け、大手企業を中心に好決算となった。役員報酬は個別開示制度が開始された2010年3月期以降で、開示社数・開示人数ともに過去最高を記録した。
 報酬体系は、基本報酬を主体とする報酬体系に大きな変化はないが、退職慰労金制度の廃止、業績を反映して賞与額のアップ、ストックオプションなど業績に連動した報酬も増えている。
 役員報酬の個別開示制度は多くの人に認知され、また各企業が役員報酬額を決定するにあたり判断基準にもなっている。しかし一方では、株主や従業員、取引先などステークホルダーから「経営方針」「業績」「配当」「長年の実績(会社への貢献度)」など、さまざまな観点で報酬額の妥当性が判断される。
 年々、「コーポレートガバナンス」や「コンプライアンス」が重視されており、役員報酬の説明責任もより一層、企業に求められるようになってくる。

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