ホーム > 最新記事 > データを読む > 2014年 > 「女性就業に関するアンケート」調査

「女性就業に関するアンケート」調査

  • RSS
  • お気に入りに登録する

公開日付:2014.12.25

 アベノミクスは、持続的な経済成長に繋げるため女性の活躍を成長戦略の中核に位置付け、2020年までに女性就業率のアップや女性管理職の比率を3割にする目標を掲げている。
 東京商工リサーチでは全国の企業を対象に「女性就業に関するアンケート」を実施した。これによると、女性管理職の比率が3割を達成している企業は6.9%にとどまり、約8割の企業が10%未満だった。
 また、大企業と中小企業では女性管理職の登用への取り組みについては、「とくに何もしていない」が中小企業で約半数(構成比48.8%)を占めるなど、企業規模により女性登用や待遇に格差が大きい現実が浮き彫りになった。


  • 本調査は、2014年11月20日~12月5日の期間にインターネットによるアンケートを実施し、有効回答を得た全国3,014社を集計・分析した。なお、資本金1億円以上を大企業、同1億円未満を中小企業と規定した。

Q1.従業員のうち、女性は何割ですか?

大企業、中小企業とも約6割が女性従業員30%未満

 全体では女性従業員の比率は、「10%以上30%未満」が1,384社(構成比45.9%)で最多だった。次いで、「30%以上50%未満」が660社(同21.9%)、「10%未満」が483社(同16.0%)と続き、「30%未満」が1,867社(同61.9%)と全体の約6割を占めた。
 大企業と中小企業では、女性従業員が「30%未満」は大企業(構成比64.7%)と中小企業(同61.6%)で、大きな開きはなかった。

Q1.従業員のうち、女性は何割ですか?

Q2.今後の従業員の男女構成比率について、どうお考えですか?

 全体では「とくに考えていない」が1,993社(構成比66.1%)で最多だった。次いで、「女性比率を増やしたい」が792社(同26.3%)、「男性比率を増やしたい」が227社(同7.5%)の順。
 女性を増やしたい企業が男性を増やしたい企業の3倍以上で、積極的に女性採用を進めようとする機運は見受けられる。規模別では、大企業(同31.4%)が中小企業(同25.7%)を5.7ポイント上回り、女性を増やす意向が強い。ただ、「女性比率を考えるのではなく、適材適所で採用している」や「男女を意識していない」など、人物本位の採用意向を示す企業もみられた。

Q2.今後の従業員の男女構成比率について、どうお考えですか?

Q3.女性従業員の雇用に関して、何か取り組みを行っていますか?

女性従業員の雇用促進 大企業と中小企業で温度差

 女性従業員の雇用促進に対する取り組みは、全体では「制度面の整備」が最多の1,287社(構成比42.7%)だった。次いで、「とくに何もしていない」が1,273社(同42.2%)、「ハード面の整備」が397社(同13.2%)の順。
 ただ、「制度面の整備」では大企業(同61.9%)と中小企業(同40.5%)で温度差がみられ、育児休暇など女性雇用への支援は大企業ほど整っている。また、「とくに何もしていない」は大企業(同30.4%)に対し、中小企業(同43.6%)が13.2ポイント高く、女性雇用への取り組みに違いが表れている。

Q3.女性従業員の雇用に関して、何か取り組みを行っていますか?

Q4.女性従業員雇用に関する課題は、何だとお考えですか?

 女性従業員の雇用に関する課題では、全体では「女性がつく職種が限定されている」が1,260社(構成比41.8%)で最多だった。次いで、「仕事(内容・時間)が厳しい」が769社(同25.5%)、「制度面の整備」が499社(同16.6%)、「ハード面の整備」が263社(同8.7%)、「その他」が221社(同7.3%)の順だった。大企業と中小企業ともに、現実問題として男女による職種の限定が女性の雇用促進を阻んでいる現状が浮かび上がった。

Q4.女性従業員雇用に関する課題は、何だとお考えですか?

Q5.管理職のうち、女性は何割ですか?

女性管理職10%未満の企業が約8割 政府目標の3割以上は6.9%にとどまる

 女性管理職の割合が「10%未満」が全体では2,304社(構成比76.4%)で、約8割を占め最多だった。次いで、「10%以上30%未満」が503社(同16.7%)、「30%以上50%未満」が106社(同3.5%)、「50%以上」が101社(同3.4%)の順。政府目標である女性管理職3割以上は207社(同6.9%)にとどまった。
 また、女性管理職の割合が「10%未満」は、大企業が258社(構成比82.7%)、中小企業は2,046社(同75.7%)で、従業員数の多い大企業ほど女性の昇進ハードルが高いことがうかがえる。

Q5.管理職のうち、女性は何割ですか?

Q6.初の女性管理職の登用はいつですか?

 女性管理職の初登用の時期では、未回答企業を除くと、最多が「2000年代(2009年まで)」の565社(構成比18.7%)。次いで、「2010年以降」の360社(同11.9%)、「1990年代」の213社(同7.1%)、「1989年以前」の191社(同6.3%)の順だった。
 女性の雇用支援制度が充実している大企業でも「2000年代」以降が構成比35.3%を占め、女性管理職の登用に関しては歴史が浅いことがわかった。

Q6.初の女性管理職の登用はいつですか?

Q7.今後の管理職の男女構成比率について、どうお考えですか?

 今後の管理職の男女構成比率について、全体で最多は「とくに考えていない」の2,098社(構成比69.6%)で、約7割を占めた。次いで、「女性比率を増やしたい」が816社(同27.1%)、「男性比率を増やしたい」が98社(同3.3%)だった。
 「とくに考えていない」は、大企業(構成比56.1%)を中小企業(同71.2%)が上回った。これは大企業に比べ、中小企業は管理職の男女構成比への関心が低いことが背景にあるとみられる。
 ただ、「とくに考えていない」との回答の中には「本人のやる気と実力次第」、「比率を定めるのではなく、男女関係なく平等に能力を判断して管理職へ登用している」など、人物としての評価を理由にあげる企業も多かった。

Q7.今後の管理職の男女構成比率について、どうお考えですか?

Q8.女性管理職の登用に対して、何か取り組みを行っていますか?

 女性管理職の登用について、全体では「とくに何もしていない」が最多の1,423社(構成比47.2%)と、半数近くに達した。次いで、「昇進・昇格基準の明確化」が699社(同23.2%)、「業務の平準化」が404社(同13.4%)、「各種の研修への参加」が314社(同10.4%)と続く。  大企業は、「とくに何もしていない」が約3割(同33.3%)にとどまったのに対し、中小企業は半数近く(同48.8%)を占めた。
 [Q7]に連動するように、中小企業は「とくに何もしていない」との回答が多く、企業規模による意識の格差が鮮明となった。

Q8.女性管理職の登用に対して、何か取り組みを行っていますか?

Q9.女性管理職の登用に、どんなことを期待していますか?

女性管理職の登用 約4割が組織活性化を期待

 女性管理職の登用に期待することは、全体では「組織の活性化や意識改革」が1,334社(構成比44.3%)で最多。次いで、「女性従業員の仕事への意欲向上」が921社(同30.6%)、「女性目線の感性による商品開発」が430社(同14.3%)と続く。「対外的なアピールにつながる」との回答も138社(同4.6%)あり、イメージ戦略として捉えている企業もあった。

Q9.女性管理職の登用に、どんなことを期待していますか?

Q10.女性管理職登用に関する課題は何だとお考えですか?

 女性管理職の登用に対する課題では、最多は「適任者がいない」で1,256社(構成比41.7%)だった。次いで、「家庭との両立が難しそう」が853社(同28.3%)、「本人の昇進意欲がない」が638社(同21.2%)と続く。
 家庭と仕事の両立を課題に上げたのは、大企業(構成比22.8%)を中小企業(同29.0%)が6.2ポイント上回った。これは企業規模による制度面での充実度合いが反映しているようだ。また、女性従業員の少ない業種(建設業、運輸業など)では、人材確保を課題とする回答も見受けられた。

Q10.女性管理職登用に関する課題は何だとお考えですか?

まとめ

 アベノミクスの「成長戦略」では、女性活躍に向けた取り組みとして「待機児童の解消」、「職場復帰・再就職の支援」、「女性役員・管理職の増加」を掲げている。少子高齢化が進み、将来的には労働力の不足が懸念され、持続的な経済成長のために女性労働力の活用、さらに女性の管理職への登用が求められている。
 しかし、政府の掛け声に反して、企業の現場では仕事環境や体制整備など、まだ課題を残している実態が指摘される。今回のアンケートでも多くの企業が、女性が活躍することをプラスに捉えている一方、女性就業の促進については「家庭との両立が困難」や「中小企業ではもっと制度面が整わなければ厳しい」といった難しい実情を訴える意見も多い。さらに、大企業と中小企業では、従業員・管理職構成比だけでなく、女性就業に対する支援姿勢にも格差が大きいことがわかった。
 女性登用企業には助成支援などの新たな施策も検討されるなど、女性就業への政府の取り組みは評価されるが、女性就業者や管理職数、企業の意識がどう変化するか今後の推移を見守っていくことが必要だ。

最新記事・倒産状況に関するお問い合わせ
フォームからお問い合わせ

資料請求・お問い合わせ

電話・FAXでのお問い合わせ

株式会社東京商工リサーチ 情報部
03-6910-3155

最寄りのTSR支社店へお問い合わせください
支社店一覧
製品詳細・資料請求・お問い合わせに関して

製品に関する詳細情報、料金体系につきましては、「資料請求・お問い合わせ」ボタンをクリック後、以下の手順でお問い合わせください。

  1. お問い合わせ種別:「お問い合わせ」を選択
  2. お問い合わせの内容:「○○○」(任意:質問事項・要件など)とご記入
  3. ご連絡先:必要事項を入力し、送信してください。
このページを見ている人はこんなページも見ています

重要な経済指標である倒産をベースに国内経済を把握できます。
倒産月報・企業倒産白書

倒産情報や債権者リストなど経営判断に欠かせない情報誌です。
TSR情報誌(倒産情報誌)

国内を含めた世界最大級の多彩な企業情報をオンラインでご提供!
tsr-van2(インターネット企業情報サービス)

1日2回、最新の倒産情報をメールいたします。
TSR express(TSR情報Web) -倒産情報配信サービス-

負債総額30億円以下の情報も収録!! TSR情報を2週間無料で試読いただけます。※地域によっては最大1カ月 お申し込みはこちら

TSRネットショップ TSRの商品がオンラインで購入できます!

インターネットエラベル TSRがオススメする就職・営業に役立つ地域の優良企業紹介サイト

TSR Express 1日2回の倒産情報配信・検索サービス

メルマガ登録 無料セミナーやイベントを優先的にご案内!

ページの先頭へ