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2013年度「米麦卸売業」449社の動向調査

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公開日付:2014.12.11

 米麦卸業者449社の2013年度の売上高は1兆6,031億9,900万円で、2012年度より1.8%(287億3,900万円)増加した。当期利益は8億6,800万円の黒字だったが、2012年度に比べ86.1%(53億8,700万円)減少。2013年度に減益だったのは229社(構成比51.0%)で5割を超えた。
 米消費が鈍化し米卸価格の下落から売上高は伸び悩み、大幅減益となった。米卸価格は2年連続で下落し、2015年も米麦卸業者は出足から厳しい展開が予想される。


  • 本調査はTSRの企業データベース148万社より、2012年度~2014年度(4-3月期)の売上高・当期利益が比較可能な米麦卸売業を主業務とする449社を抽出し、分析した。

当期利益が2年連続の減少

 米麦卸業者449社の2013年度の売上高合計は、1兆6,031億9,900万円だった。2012年度(1兆5,744億6,000万円)より1.8%(287億3,900万円)増加。増加率は前年同期の6.7%(988億3,400万円増)を下回り伸び悩んだ。また、当期利益の合計は8億6,800万円の黒字だったが、2012年度の62億5,500万円の黒字から86.1%減(53億8,700万円減)に大幅に落ち込んだ。
 当期利益は、2012年度も前年同期比30.1%(26億9,800万円)減少し、2年連続の減益だった。
 2012年度は、米卸価格が上昇し価格転嫁ができなかった業者の収益を圧迫したが、2013年度は米卸価格が急落するなか、2012年産米在庫を抱えた業者が薄利多売を強いられ収益を圧迫した。
 また、2013年度に前年度より増収になった米麦卸業者は182社(構成比40.5%)で、2012年度より67社(14.9ポイント)減少。一方、前年度より減収だった米麦卸業者は227社(同50.5%)で、前年度より70社(15.5ポイント)増加した。売上高は2年連続で増加したが、2013年度は2013年産米の急激な卸価格の下落が売上高の伸びを抑制した。

米麦卸業者449社の業績

約8割が黒字ながら約5割が減益

 米麦卸業者449社の2013年度損益別では、黒字が352社(構成比78.4%)、赤字は97社(同21.6%)だった。2012年度は黒字が372社(同82.8%)、赤字が77社(同17.1%)で、黒字が20社(4.4ポイント)減少したが、直近2年間では約80%の米麦卸業者が黒字だった。
 増・減益別では、2013年度は増益が163社(構成比36.3%)、減益が229社(同51.0%)で減益が5割を超えた。前年度より増益が8社(1.7ポイント)減り減益が10社(2.2ポイント)増えた。米仕入価格は下がったが、スーパーや量販店などへの米卸価格が落ち込んで収益に影響した。

米麦卸業者449社の利益

業歴50年以上が約6割

 業歴別では、50年以上100年未満が209社(構成比46.5%)で最多。次いで10年以上50年未満が147社(同32.7%)、100年以上が50社(同11.1%)の順だった。業歴50年以上が259社で約6割(同57.6%)、10年以上が406社で全体の9割を占めた。日本における米の文化は古く、江戸時代以降、米問屋が組織的にコメ流通を担ってきた歴史があり、産業としての伝統が窺われる。

2013年度の倒産件数は15件

 米麦卸業の倒産件数は、2012年度の11件から2013年度は15件に増加し、2014年度も9月までに9件の倒産が発生している。生産者である米農家が消費者へ直販や通販を行うなど、物流およびインターネットの普及により流通形態が様々に変化するなか、販売不振や赤字累積などの業績不振をはじめとする不況型倒産が全体の6割を占め、米卸価格下落による影響が顕在化する動きを見せている。

ブランド米が利益に貢献

 地区別売上高で、2013年度に前年度より売上高が増加した割合が高かった地区は、北海道52.4%(21社中11社)、東北48.3%(58社中28社)、九州44.1%(68社中30社)、近畿42.6%(47社中20社)、関東40.2%(127社中51社)の順だった。
 地区別損益で、2013年度に黒字の割合が高かった地区は、北海道90.5%(21社中19社)、関東84.3%(127社中107社)、九州82.4%(68社中56社)、東北79.3%(58社中46社)、近畿74.5%(47社中35社)の順だった。
 北海道は、地区別売上高増減の増収割合がトップで、また地区別損益で黒字の米麦卸業者の割合も最多だった。同地区は、近年ブランド米として売出中の「ゆめぴりか」が、前年度からの価格下落の影響が少なく、人気を背景に増産体制を整えて売上高および利益を押し上げた。
 その他、地区別損益で黒字割合が高かった地区は、つや姫(山形県)、コシヒカリ(新潟県)、夢つくし(福岡県)などのブランド米の生産地区と重なり、ブランド米の威力を発揮した。

売上高1,000億円超え2社で他社を引き離す

 2013年度の売上高は、トップが(株)神明ホールディング(兵庫県)の1,441億8,400万円だった。ただし、同社は米卸価格の下落と玄米の落ち込みが影響して前年度より売上高を下げた。2位は木徳神糧(株)の(東京都)1,054億2,000万円で、同社はミニマム・アクセス米(最低限輸入しなければならない外国産米)の取扱量や外食・コンビニ等向け精米数量が堅調に推移して売上高を伸ばした。3位は大和産業(株)(愛知県)の875億8,100万円だった。
 上位10社中4社が前年度より売上高を下げたが、10社の売上高合計は6,603億9,000万円で前年度より5.4%(34億3,800万円)増加し、449社全社の売上高合計の増加率1.8%を上回った。

米麦卸業者449社の売上高ランキング

当期利益10億円超え1社、1億円超えは11社

 2013年度の当期利益は、トップは(株)ヤマタネ(東京都、東証1部)の11億9,900万円、次いで(株)神明ホールディング(兵庫県)8億2,200万円、大和産業(株)(愛知県)2億2,586万円の順。当期利益が10億円を超えたのはヤマタネ1社だけで、1億円超えは449社中11社だった。
 なお、上位10社のうち、売上総利益が判明した8社の2013年度売上総利益率は、すべて前年同期を下回り、8社平均の2013年度の売上総利益率は11.5%で前年同期より1.7ポイント低下した。
 2012年度は、東日本大震災以降の品不足感から米卸価格が急騰し、仕入れ価格が上昇して価格転嫁が追い付かない業者の収益を圧迫した。その後、2013年度は、東日本大震災を経て2年続けて水稲の収穫量が前年を上回る水準が続くなか、食生活の多様化による米離れや、中・外食が1食あたりの盛り付け量を減らすなど、消費が鈍化して需給が緩慢化している。米卸価格は下落し、新米出荷を控えて在庫米の早期売り切りを急いで薄利多売を強いられた業者の収益を圧迫した。
 11月28日に農林水産省が発表した2014年産米の10月の相対取引価格は、前年同期比17.2%安の60キロ1万2,215円(全銘柄平均、消費税込み)で、2006年に調査が開始されて以降最安値を更新した。米卸価格の下落は収益を直撃する。TPP交渉が停滞し減反廃止論もおさまらないなか、コメの需要減と過剰在庫など米麦卸業者の足元の環境は厳しく先行きは見えない。

米麦卸業者449社の利益ランキング

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