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2013年の新設法人は約11万社 4年連続で増加

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公開日付:2014.08.08

 2013年の1年間に全国で新しく設立された法人(新設法人)は、11万74社で4年連続で増加した。都道府県別では43都道府県で前年を上回り、株高、公共事業拡大などのアベノミクス効果を背景に、産業別では不動産業や金融・保険業、建設業などの伸びが目立った。


  • 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象382万社)から、2013年に新しく設立された法人データを抽出し、分析した。

2013年の新設法人 前年比5.8%増

 2013年(1-12月)に全国で新しく設立された法人(新設法人)は、11万74社(前年比5.8%増、前年10万4,044社)だった。新設法人数は2009年にリーマン・ショックに端を発した世界同時不況の影響により前年を下回ったが、2010年以降は4年連続で前年を上回って推移している。
 月別では、6月を除くすべての月で前年を上回った。

月別新設法人

産業別 不動産業と金融・保険業が2ケタ増

 産業別の前年比では、10産業のうち8産業で増加した。増加率トップは不動産業の16.8%増。次いで、金融・保険業16.6%増、建設業8.4%増、小売業7.3%増、サービス業他5.6%増、農・林・漁・鉱業5.6%増の順。特に不動産業と金融・保険業は2ケタ増で、アベノミクスによる景気回復期待や株高などの資金運用環境の改善を背景としている。また建設業も公共事業拡大や東京オリンピック開催効果が増加要因に挙げられる。一方、減少率では、卸売業が9.4%減で最も大きかった。インターネット取引などの直販拡大も影響したとみられる。

産業別新設法人

業種別 電気・ガス・熱供給・水道業が倍増

 業種別では、前年比で電気・ガス・熱供給・水道業が118.1%増(834→1,819社)と前年に引き続いて著しい増加をみせた。太陽光や風力、地熱など再生可能エネルギーによる発電を目的とした法人が一段と多く設立された。
 また、高齢化社会での有望業種とされる医療・福祉事業は3.4%増(7,388→7,639社)、物品賃貸業が29.5%増(390→505社)、飲食業が2.8%増(6,022→6,188社)だった。
 一方、減少した主な業種は、宿泊業4.5%減(404→386社)、通信・放送業30.3%減(360→251社)、印刷・同関連業8.7%減(230→210社)など。

資本金別 小規模な法人の増加が目立つ

 資本金別では、「1億円以上」が383社(前年比5.9%減)、「5千万円以上1億円未満」が521社(同8.9%減)と減少した。
 この一方で、「1百万円未満」が2万2,894社(同8.4%増)と増加した。最低資本金規制の撤廃が浸透し、小規模な資本金の法人設立が目立つ。

資本金別新設法人

地区別 全国9地区すべてで前年を上回る

 地区別では全国9地区すべてで前年を上回った。増加率では、四国が12.0%増(1,922→2,152社)でトップだった。また前年は復興需要に加えて、支援に関わる非営利団体の設立などで増加ぶりが際立った東北は3.9%増(5,221→5,424社)で勢いが一段落した。このほか、九州9.1%増(1万168→1万1,098社)、北陸7.1%増(1,457→1,560社)、関東6.5%増(5万767→5万4,090社)、中国6.5%増(3,980→4,237社)、北海道5.8%増(3,821→4,043社)、中部4.5%増(1万129→1万583社)、近畿1.9%増(1万6,579→1万6,887社)だった。

地区別新設法人

都道府県別の増加率 43都道府県で前年を上回る

 都道府県別では、東京都が3万1,909社(構成比29.0%)で最多。次いで、大阪府が9,394社(同8.5%)、神奈川県が7,440社(同6.8%)、愛知県が5,391社(同4.9%)だった。
 一方、新設法人数が最も少なかったのは鳥取県の284社。次いで、島根県285社、高知県335社、福井県370社、徳島県と秋田県が各386社の順。
 前年との増減率をみると、43都道府県で前年を上回り全国的な増勢が目立った。増加率トップは、佐賀県の23.1%増(394→485社)。次いで、山形県19.0%増(378→450社)、香川県18.9%増(525→624社)、山口県14.6%増(589→675社)、群馬県14.2%増(1,147→1,310社)、愛媛県14.1%増(707→807社)、岡山県13.8%増(1,110→1,263社)と続く。
 前回は東北県が上位に顔をそろえたが、今回はベストテンにランクインしたのは、8位の福島県13.4%増(1,280→1,452社)だけだった。一方、前年より減少したのは4県で、減少率では島根県の11.8%減(323→285社)を筆頭に、秋田県11.5%減(436→386社)、宮城県2.0%減(1,969→1,929社)、奈良県1.1%減(723→715社)の順だった。

新設法人率 都道府県別で沖縄県がトップ

 2013年の新設法人数を「国税庁統計年報」に基づく普通法人数(最新は2012年度データ)で除して算出した「新設法人率」でみると、沖縄県が7.8%で最も高かった。
 沖縄県は全国平均より高い失業率を背景に起業意欲が高いほか、創業時に家族・親族などの支援が得られやすい土地柄などが影響しているとみられる。
 次いで、東京都6.0%、福岡県5.1%、宮城県5.0%、熊本県4.5%の順。一方、比率が低かったのは、福井県2.3%、新潟県2.4%、徳島県2.5%、秋田県2.5%、山形県2.5%の順だった。

2013年新設法人の最多商号は「ネクスト」

 2013年の新設法人で最も多かった商号は、「ネクスト」の43社だった。「ネクスト」は英語で「次を」を意味する「Next」があり、次世代、未来、期待のイメージから商号に多く使用されたとみられる。次いで、「アシスト」41社、「アドバンス」40社、「ライズ」39社の順。
 前年比較では、アルファベット商号の「next innovation」が18社増(6→24社)で最も増加した。人気テレビドラマの舞台となったITベンチャー企業と同じ商号で、その影響も考えられる。次いで、「ネクサス」が16社増(4→20社)、「TK」が13社増(1→14社)、「スマイル」が12社増(24→36社)、エムズが11社増(19→30社)と続く。
 一方、最も減少したのは「ひまわり」の13社減(34→21社)だった。また、震災後に増加が目立った「絆」は、4社減(31→27件)だった。商号の文字種類別をみると、2013年の新設法人では、カタカナのみの商号が全体の33.5%を占めた。漢字商号(構成比20.2%)を抑えてトップを占め、依然としてカタカナ商号へのシフトが続いている。

新設法人の商号

法人格別 投資事業有限責任組合や特定目的会社が増加

 法人格別では、株式会社が8万2,930社(構成比75.3%)で全体の約8割を占めた。次いで、合同会社が1万4,588社(同13.3%)、一般社団法人が4,278社(同3.9%)、特定非営利活動法人が3,389社(同3.1%)、医療法人が1,371社(同1.2%)と続く。
 また、幅広い投資家による中小企業・ベンチャー企業などへの投資促進が目的の投資事業有限責任組合は、景気の先行き期待と法人税がかからない利点もあって前年比55.4%増(312→485社)と急増した。このほか、企業保有の不動産などの資産を譲り受けて証券化する、特定目的会社も同48.6%増(74→110社)で、不動産市況の活況を反映した。
 介護老人保健施設や有料老人ホーム経営などの社会福祉法人も同20.1%増(268→322社)、集落単位で農家が各自の農地を持ち寄り、農機具の共同所有や、農作業を行う農事組合法人は、法人事業税が非課税のメリットもあり、同15.7%増(388→449社)と増勢をみせた。
 この一方で、協同組合が同4.6%減(306→292社)、企業組合が同3.6%減(55→53社)と減少した。

法人格別新設法人

まとめ

 政府は成長戦略のなかで、企業の開業率を欧米並みの10%台へ上昇させることを目標に掲げた。このため、積極的にベンチャー企業の起業などを支援し、産業の新陳代謝を促進する計画である。 だが、厳しい経営環境なかで目標達成は容易なことではない。
 2013年の新設法人の動向をみると、アベノミクス効果による景気の先行き期待を背景に、全国的に新設法人が増加した。開業率のアップには、デフレ脱却と同時に景気拡大による地方経済の立て直しが急がれる。新設した法人を今後いかに活性化させ、育てていくか、スピード感ある政策と実効ある地方振興策が求められている。

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