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「全国18万社財務データ」調査 全国で赤字企業率が改善

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公開日付:2013.05.10

未上場の企業は業績が低迷期を抜け出し、赤字企業率は平均26.4%(前期比3.1ポイント改善)と、全国的に前期より改善したことがわかった。なかでも宮城、福島、岩手の震災被災3県の財務改善が目立ち、復興事業が企業業績を押し上げていることを示した。

  • 本調査は、東京商工リサーチの財務データベース(71万4,059社)のうち、2009年12月期から3期連続の財務データを入手できた18万1,393社(上場企業を除く)を無作為に抽出し、分析した。最新決算データは2012年12月期まで。

赤字企業率 全国9地区すべてで改善

赤字企業率(当期損失を計上した企業数の比率)の全国平均は、前々期31.6%→前期29.5%→最新期26.4%と年々比率が低下し、経営の持ち直しがみられた。地区別では、全国9地区すべてで最新期の赤字企業率が前期より改善した。前期比較では、東北が9.6ポイント(前期31.4%→最新期21.8%)改善した。次いで、北陸4.6ポイント改善(同33.1%→同28.5%)、中部4.0ポイント改善(同36.3%→同32.3%)の順で、九州が0.1ポイント改善(同25.0%→同24.9%)と最も改善率が低かった。

東北の被災3県の回復ぶりが目立つ

赤字企業率を都道府県別でみると、最も比率が高かったのは静岡の38.0%。次いで、広島34.3%、徳島33.6%、新潟32.5%、香川32.0%の順だった。自動車関連産業が基幹産業の一つになっている静岡と広島が上位に顔を出した。震災の影響から持ち直したが、自動車関連は昨年まで円高や輸出低迷で生産がおおむね横ばいに推移したことも影響したとみられる。
これに対し、最新期の赤字企業率が最も低かったのは、宮城17.3%だった。以下、沖縄17.9%、岩手18.8%、茨城19.6%、奈良19.7%の順。前期比較では、宮城が19.0ポイント改善(前期36.3%→最新期17.3%)、福島13.0ポイント改善(同33.7%→同20.7%)、岩手11.5ポイント改善(同30.3%→同18.8%)と震災の被災3県がランキング上位に顔を揃え、復興事業の進展などで回復ぶりを示した。

赤字企業率

有利子負債構成率 航空関連会社などの影響から千葉が高率

有利子負債構成率(総資産に占める有利子負債の割合)では、都道府県別で比率が最も高かったのは千葉の36.5%だった。千葉は日産グループの金融会社のほか、成田国際空港(株)や日本貨物航空(株)など航空関連、石油精製会社、火力発電所などの有利子負債が影響した。
次いで、奈良35.9%、愛知35.7%、埼玉35.2%、三重34.6%の順。一方、比率が低かったのは、滋賀12.1%、島根13.9%、和歌山14.1%、石川16.8%の順。

有利子負債構成率 9地区のうち8地区で前期より比率が低下

有利子負債構成率の全国平均は、前々期30.6%→前期30.2%→最新期28.9%と低下傾向で推移している。最新期で前期より比率が低下したのは、香川、大阪を除く45都道府県にのぼった。地区別では、9地区のうち、四国を除く8地区で前期を下回った。

有利子負債構成率

自己資本比率 都道府県別トップは徳島の50.9%

自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合)の都道府県別では、最も比率が高かったのは徳島の50.9%だった。県内に青色LED開発の日亜化学工業(株)、大塚製薬グループで輸液大手の(株)大塚製薬工場などの有力企業の財務内容が押し上げた。次いで、香川42.4%、佐賀39.3%、山梨38.2%、長野38.1%の順だった。
自己資本比率は、企業の基礎体力や安全性を示し、一般的に低いほど借入依存度が高くなる。比率が最も低かったのは、和歌山の18.0%。次いで、滋賀18.3%、千葉19.6%、高知20.1%、島根20.7%、鳥取22.3%など。

自己資本比率

経常利益率 都道府県別では島根、北海道、鳥取で低率

経常利益率(売上高に占める経常利益の割合)の都道府県別では、最も比率が高かったのは山口の5.9%だった。次いで、埼玉4.9%、徳島4.8%、長崎4.4%、宮城3.6%の順。経常利益率は、金融収支などを含む総合的な収益力を反映し、比率が高いほど財務状態が良好といえる。
一方、比率が低かったのは、島根の1.7%を筆頭に、北海道1.91%、鳥取1.99%、山梨1.99%、群馬2.0%、大分2.1%の順だった。

経常利益率 東北の改善が目立つ

経常利益率の全国平均は、前々期2.4%→前期3.0%→最新期3.1%と比率が年々上昇している。都道府県別の前期比較では、宮城が2.0ポイント上昇(前期1.6%→最新期3.6%)と最も上昇した。以下、岩手1.6ポイント上昇(同1.7%→同3.3%)、福島1.3ポイント上昇(同1.9%→同3.2%)、山形0.9ポイント上昇と続き、ここでも東北の改善が目立った。

経常利益率


未上場企業の東日本大震災後の財務比率は、全国的に持ち直し傾向がみられた。特に復興事業が進む東北の改善ぶりが目立った。ただ、建設業への依存度や輸出産業の比重の高低など、各地域ごとの産業構造の違いなどで、業況の回復テンポにはバラツキもみられた。
中小企業は2013年3月末で期限切れの中小企業金融円滑化法など、各種の金融支援策で下支えされてきた。今回の調査では、業績低迷から抜け出せない企業が残されている一方、業績拡大に向かう企業が多いこともわかった。企業は業績が進展するほど資金需要は活発になる。金融機関は過去の業績を反映した債務者区分(格付け)だけでなく、企業の持つ強み、将来性、可能性をこれまで以上に見極める能力が一層求められている。今後も企業業績が堅調に改善ペースをたどるかどうかは景気動向に委ねる部分も強いだけに、「アベノミクス」3本目の矢である「成長戦略」の浸透とスピードの行方が注目される。

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