公開日:2004.01.19
2003年主な上場企業、希望・早期退職者募集状況調査
募集実施企業数は、公表ベース126社
2003年に希望および早期退職者募集を実施した主な上場企業は、公表ベースで126社となった。前年より社数が減った一方で、年齢条件付き募集では適用開始年齢の引き下げが目立った。業種別では電気機器と建設が最も多かった。
東京商工リサーチでは、東京証券取引所および各証券取引所、ジャスダック市場などに上場する企業のうち、2003年(1月〜12月)に希望および早期退職者募集の実施を公表し、具体内容を確認できた126社を抽出し、募集状況をまとめた。
資料は原則として会社情報適時開示の『会社情報に関する公開資料』(2004年1月9日公表分まで)に基づく。特別退職金等の損益に与える影響、年間人件費の節減見込み額は会社発表に準じた。本調査には、会社事情による時限的な希望退職者募集のほかに、早期退職優遇制度の適用年齢引き下げや退職金の特別割増措置など、既存制度の拡充募集も含む。
◎希望・早期退職者募集実施の上場企業、公表ベースで年間126社
2003年に希望および早期退職者募集の実施を公表した主な上場企業は、具体内容が確認できたもので126社となった。調査対象が公表ベースのため単純比較が難しいものの、前年調査(2002年)の200社と比べて74社減、37.0%減になった。
◎年齢条件付き募集、適用開始年齢のトップは40歳
年齢条件付き募集(判明分)では、募集適用開始年齢を40歳とするケースが24社で最も多かった。次に45歳が15社、30歳が13社、50歳が8社、35歳が4社となった。募集適用開始年齢では、これまで常に45歳が最多だったが、今回は年齢条件の引き下げが目立つ。
年代別では40代が45社、30代が20社、50代が9社。また全社員対象と公表したものが13社、59歳未満などの実質全社員募集が7社。このほか特定の工場・地区・部署勤務者に限定した募集が6社。勤続年数のみを条件とした募集が4社など。
募集人数別の分布では、300人以上が15社(1,000人以上2社含む)。100人以上299人以下が37社。50人以上99人以下が37社。50人未満が22社。募集枠設定なし及び不明が15社となった。
◎年間に数回募集の企業も
募集人数と応募結果を公表した会社のうち、応募人数が募集枠を上回った主なケースでは、関電工の募集1,000人に対して応募1,473人。ミツミ電機(グループ会社を含む)の募集500人に対して応募753人、東急百貨店の募集500人に対して応募752人、塩野義製薬の募集150人に対して応募369人、新光証券の募集350人に対して応募565人など。
これに対して応募人数が募集枠を下回ったのは、旧日商岩井の募集250人に対して応募177人、日本無線の募集300人に対して応募238人、フジクラの募集200人に対して応募140人など。このほか年間に数回、希望および早期退職者募集を実施した上場企業は、ライオン、児玉化学工業など。
◎特別退職金などによる特別損失、96社で総額1,284億円
特別退職金などの割増金支出による特別損失額(見込み額を含む)では、公表している96社で総額1,284億3,800万円(前年は公表150社で総額3,164億2,900万円)となった。
このうち公表金額が最も多かったのは、関電工の250億円。次にプロミスの170億円、新光証券62億円、オリエントコーポレーション58億円、東急百貨店52億円、クボタ40億円と続く。特別退職金などによる特別損失額が10億円以上となったのは33社(前年66社)となった。
◎年間人件費節減見込み額、65社で総額641億円
希望および早期退職者募集の実施による今後の年間人件費節減見込み額は、公表している65社で総額641億4,200万円(前年は公表90社で総額1,022億6,900万円)となった。
このうち公表ベースで年間人件費節減見込み額が最も多かったのは、関電工の100億円。次に東京エレクトロン(グループ会社を含む)82億円、新光証券39億円、ミツミ電機(グループ会社を含む)38億円と続く。年間人件費節減見込み額が10億円以上になったのは16社(前年30社)。
◎業種別、電気機器と建設が最多の22社
2003年に希望および早期退職者募集を公表した、主な上場企業126社を業種別でみると、電気機器と建設が各22社で最も多かった。次に機械13社、卸売11社、化学7社、証券6社、サービス5社と続く。
2003年に希望および早期退職者募集を実施した主な上場企業数は、企業の大規模リストラが一巡した影響もあって公表ベースで前年を大きく下回った。
しかし景気の回復機運が高まるなかにあっても、各企業の事業構造改革への取り組みは変わらず、コスト構造見直しの手を緩めていないのが現状である。人件費を含む、きめ細やかなコスト削減が進むなかで、今後も希望および早期退職者募集を人件費削減の有効手法として実施する企業は多いとみられる。
◎2003年主な上場企業
希望・早期退職者募集人数別分布状況
==================
希望・早期退職募集人数 社数
==================
1,000人以上 2
500人以上999人以下 4
300人以上499人以下 9
100人以上299人以下 37
50人以上 99人以下 37
1人以上 49人以下 22
募集枠設定なし、不明 15
==================
合計 126
==================
◎希望・早期退職者募集または応募人数
(※印は応募人数)
===================
1,関電工 ※1,473人
2,東京エレクトロン(注)※1,060人
3,ミツミ電機(注) ※753人
4,東急百貨店(注) ※752人
5,NTN(注) 700人
6,アンリツ ※583人
7,新光証券 ※565人
8,プロミス 500人
9,塩野義製薬 ※369人
10,藤田観光 ※361人
===================
注:グループ会社を含む
◎主な特別退職金等の特別損失額
(公表分・見込額を含む、単位百万円)
=====================
1,関電工 25,000
2,プロミス 17,000
3,新光証券 6,200
4,オリエントコーポレーション 5,843
5,東急百貨店 5,200
6,クボタ 4,000
7,丸善 3,400
8,ティアック 2,900
9,三菱ウェルファーマ 2,700
10,島田理化工業 2,600
=====================
禁・転載・複写
| お問合せ先 |
|---|
| 株式会社東京商工リサーチ 経済研究室/TEL:03-6910-3157 または最寄りのTSR支社店へお問い合わせください |
![]()
|
||
その他コンテンツ |















