財務活動によるキャッシュ・フロー
資金の調達または逆に調達資金の返済といった企業の財務(ファイナンス)に関しての現金及び現金同等物の増減です。
財務活動によるキャッシュ・フローの特徴
財務活動によるキャッシュ・フロー以外(営業・投資活動によるキャッシュ・フロー)を維持するために必要な資金調達及び返済状況を表しており、企業を経営するに際してのキャッシュのバランスを考える上で重要な経営指標となってきます。具体的な項目としては、長短借入金の増加・返済、社債の発行・償還、配当金の支払い、株式発行などがあげられます。
TSRの視点
現在の企業経営上で最も重要なウエイトを占めているのが金融機関との取引ですが、その取引の中で最も一般的な資金調達方法といえば借入金です。日本国内は金融機関への依存度が高くなっていますが、資金調達が容易であったバブル時代が終焉となり、さらにリーマンショック後、金融機関の審査体制も変化をみせ資金調達は厳しさを増してきています。結果的に借入金の導入により、期末のキャッシュ(現預金期末残高)が前期比増加となっていたとしてもいずれは返済しなければならず、借りている期間には利息が発生しているのが現状です。
借入金以外の資金の調達方法としては、社債発行、増資などがポピュラーです。借入金等の外部資金に頼らず、営業活動によるキャッシュ・フローで賄ったキャッシュのみで経営ができることが企業にとっての理想ですが、実際そういった優良企業は殆どなく、企業を判断する上で、この財務活動によるキャッシュ・フローの増減いずれにおいてもどれだけの資金(絶対額の大きさ)が動いているかが経営指標として重要となってきます。特に借入金の増加⇒現預金期末残高増加=いい経営とはいかないので、最終的に現預金期末残高増加に至った経緯を各キャッシュ・フローのカテゴリーを含めて十分精査していくことが本当の与信管理といえます。
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