(株)ホクシンメディカル(TSR企業コード:660400642、法人番号:4140001010823、神戸市東灘区向洋町中6-9、設立1987(昭和62)年7月、資本金9000万円)は再度の資金ショートを起こし4月25日、行き詰まりを表面化した。
負債総額は112億4334万円。
1986年10月に創業し、医療機器の販売などを手掛けていた。心臓外科・循環器・整形外科向けの医療機器を主体に扱い、官公庁や大学、医療機関などに販路を構築。全国に拠点を設置することで営業力を強化し、2004年3月期には売上高が100億円を上回るなど増収基調で推移。新規取引先などの開拓もあり、2021年3月期には売上高が379億3618万円まで伸長した。一方で、子会社の清算に伴う損失もあり、同期は2422万円の最終赤字に陥るなど財務基盤の強化は遅れていた。
こうしたなか、2024年3月に当時の代表取締役が急死。以降は支払遅延を散発し、対外的な信用が急激に低下した。また、この間、従業員の退職が相次ぐなど混乱が続いていたところ、4月10日の決済が不調となり、4月12日以降は実質的に事業停止状態となっていた。
(有)川越建材興業(TSR企業コード:500056579、法人番号:6190002019790、四日市市大矢知町大城3097-2、設立1970(昭和45)年4月、資本金500万円)は4月8日、津地裁四日市支部より破産開始決定を受けた。
破産管財人には板垣謙太郎弁護士(ソレイユ経営法律事務所、同市西浦1-1-7)が選任された。
負債総額は36億円。
土木工事を主体に、産業廃棄物の収集運搬処理業も併営していた。平成初期には約9億円の年間売上高で推移し、採算も維持していた。しかし、この間、三重県に届け出ていたエリア外に産業廃棄物を不法投棄していたことが発覚。これを受け、三重県より撤去を命じられる事態となった。
その後、2001年に当時の社長が死去したこともあり、撤去命令に従うことなく休眠状態となり2009年4月30日、株主総会の決議により解散していた。
日本ファンド(株)(TSR企業コード:292228678、法人番号:2010701022967、品川区東五反田1-10-9、設立1978(昭和53)年9月、資本金4億円)は4月10日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には大石健太郎弁護士(大石法律事務所、日本ファンド破産管財人室お問合せ窓口:03-6735-3013(平日午前9時30分~午後6時))が選任された。
負債総額は債権者約1600名に対して、26億1660万円。過払金返還請求権を含めると負債額はさらに膨らむ見通し。
ローンや貸金業など金融事業を手掛けていた。グループと連携し、英語教材のローン契約などを主力に2003年8月期は売上高38億3909万円をあげていた。しかし、金融業の規制強化やグループ再編、過払金返還請求などで、2011年頃から事業を大幅に縮小。この間、多額の赤字を計上し、債務超過が拡大していた。
以降も赤字が継続し、債務の解消も困難なため今回の措置となった。
ウィル・エンジニアリング・テクノロジー(株)(TSR企業コード:576886580、法人番号:1120001140451、大阪市中央区島町2-1-5、設立1988(昭和63)年3月、資本金1000万円)は再度の資金ショートを起こし4月5日、行き詰まりを表面化した。
負債総額は24億円。
(株)京星(TSR企業コード:133207455、法人番号:1120001225979、枚方市)グループを形成する企業として、設立当初は骨材の販売を中心に行っていた。その後、2011年9月に汚染土壌処理業許可を取得し、2013年9月期以降は汚染土壌の洗浄処理業務を主力に手掛けていた。
しかし、土壌汚染対策法第23条1項の規定に違反して汚染土壌の処理業を行ったとして、2024年3月1日から90日間、汚染土壌処理業の全部停止処分を下されていた。こうしたなかで資金繰りも限界に達し、今回の事態となった。
(株)栄進フーズ(TSR企業コード:322283507、法人番号:8040001008700、旭市新町731、設立2000(平成12)年11月、資本金4000万円)は4月1日、千葉地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には石川貴康弁護士(コンパサーレ法律事務所、千葉市中央区本千葉町1-1)が選任された。
負債総額は20億円。
中華総菜の製造から販売までをグループとして展開。中核の栄進フーズは、グループの販売会社として大手食品メーカーなどを対象に、餃子をはじめとする中華総菜を販売していた。近年は売上の伸び悩みにより厳しい業績が続いていたが、グループと連携したOEM受注の強化で、一時的には回復傾向にあった。
しかし、2020年以降は「新型コロナウイルス」感染拡大による巣ごもり需要でスーパー向け特需が発生した一方、業務用を中心とした販売の落ち込みから再び減収に転じ、積極的な設備投資で膨らんだ有利子負債もあって、余裕のない資金繰りが続いていた。
人件費負担の増大や減価償却負担に加え、原材料価格の高騰も進んだことで業況がさらに悪化するなか、第三者の出資により設立された新会社に事業を譲渡していた。
大栄鋼管(株)(TSR企業コード:291078206、法人番号:3010601004024、江東区深川1-7-9、設立1957(昭和32)年5月、資本金1000万円)は4月30日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には倉持政勝弁護士(倉持法律事務所、中央区日本橋茅場町3-13-3)が選任された。
負債総額は20億円。
管材・ポンプのメーカー、商社から仕入れた鋼管管材や継手バルブ、空調機器の販売を手掛けていた。しかし、廉価による販売で、十分な採算が確保できず、赤字決算を散発していた。
2024年4月には資金ショートが発生。動向に注目が集まるなか、資金繰りが限界に達し、今回の措置となった。
ワイ興産(株)(TSR企業コード:291010083、法人番号:1010701009874、品川区東品川1-2-5、設立1947(昭和22)年3月、資本金1億円)は3月26日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。
負債総額は19億5000万円。
江戸時代(嘉永年間)に創業した老舗の塗装工事会社。近年はマンションなどの塗装工事業を中心に、総合改修工事業を展開していた。長い業歴を背景に事業基盤を構築し、マンション管理組合などから受注を獲得するなどにより2021年3月期には完工高82億3881万円をあげていた。
しかし、不適切会計が発覚。金融機関との協議の結果、金融債務を残したまま2023年2月3日、磯部塗装(株)(TSR企業コード:294054790、法人番号:7010401037253、江東区)の100%出資子会社、ヤマギシリフォーム工業(株)(TSR企業コード:131403397、法人番号:7010601055575、品川区)に全事業を譲渡。当社は社名をヤマギシリフォーム工業(株)から現商号に変更し、2023年11月13日株主総会の決議により解散していた。
関連サービス
人気記事ランキング
日本企業の支持はハリス氏43%、トランプ氏15% 大統領選の注目点は「為替」から「地政学リスク」へ
11月のアメリカ大統領選まで1カ月を切った。民主党のカマラ・ハリス候補と共和党のドナルド・トランプ候補が接戦を繰り広げているが、国内企業はハリス候補の支持が高いことがわかった。
2
事業投融資のエクシア、投資家とトラブル多発
個人投資家などから合同会社の社員権の出資を受け、累計出資者数1万1,974名、累計出資金額723億円(11月4日時点)と喧伝している投融資業のエクシア合同会社(TSR企業コード:014686724、東京都港区、代表社員:菊地翔氏)。そのエク
3
苦境続く書店経営 大手と地域密着で格差 書店全体は3年連続赤字、増収は4社に1社
「活字離れ」が言われて久しい。本屋さんの倒産、廃業が高止まりし、業績確保に苦慮している。 全国の主な書店261社の2023年度の売上高合計は6,385億1,000万円(前期比2.1%減)で、利益合計は17億9,800万円の赤字(前期は24億2,600万円の赤字)と3期連続で赤字だったことがわかった。
4
被害対策弁護団の戦略、エクシア「債権者破産申立」の舞台裏
多額の出資金を集めたものの、2022年3月頃から返還が滞っていたエクシア合同会社(TSR企業コード:014686724、墨田区、代表社員:菊地翔氏)が10月18日、東京地裁から破産開始決定を受けた。被害者は9,000人、出資総額は850億円に上る。
5
船井電機の実質負債800億円、多額の引当不足が露呈
10月24日、東京地裁から破産開始決定を受けた船井電機(株)(TSR企業コード:697425274、大東市)は、今年9月末時点で117億円の債務超過に陥っていたことがわかった。東京商工リサーチ(TSR)が独自入手した破産申立書より判明した。