• TSR速報

(株)フーズ・フォーラス

画像は実際の企業と関係はありません

画像は実際の企業と関係はありません

~集団食中毒が発生した「焼肉酒家えびす」運営、特別清算から破産に移行~

 2011年4月、富山、福井など4県で死者5人を含む計181人(当時)が発症した集団食中毒事件により営業継続が困難となり2012年2月10日、金沢地裁より特別清算開始決定を受けていた(株)フーズ・フォーラス(当時実質上:石川県金沢市)は3月28日、金沢地裁より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には小堀秀行弁護士(弁護士法人兼六法律事務所白山事務所、白山市殿町48)が選任された。
 特別清算申請時の負債総額は債権者約300名に対して約17億7800万円。

 1997年5月、創業。「焼肉酒家えびす」の店名で積極的に店舗展開を行い、2011年3月期には20店舗体制となり売上高は20億円を突破した。しかし、2011年4月に砺波店などで集団食中毒により死者が発生し信用が一気に失墜。同年5月6日には富山県警などが本社や関係店舗を業務上過失致死容疑で強制捜査に踏み切り、砺波店など4店舗が無期限の営業停止処分を受けた。
 他の店舗も営業を自粛していたが、営業再開には各自治体などが難色を示し、店舗の再開は困難となっていた。

 こうしたなか、債権放棄や債権者会議で被害者優先の返済計画の承認を得るという結論に至り、特別清算を申請した。しかし、債権者との協定成立の見通しが立たず、職権で破産手続きに移行した。

※(株)フーズ・フォーラス(TSR企業コード:590207423、法人番号:7220001010283、当時実質上:金沢市、設立1998(平成10)年9月、資本金4000万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「人手不足」企業、69.3%で前年よりも悪化 建設業は8割超が「正社員不足」で対策急務

コロナ禍からの経済活動の再活性化で人手不足が深刻さを増し、「正社員不足」を訴える企業が増加している。特に、2024年問題や少子高齢化による生産年齢人口の減少などが、人手不足に拍車をかけている。

2

  • TSRデータインサイト

「食品業」倒産 2年連続増加の653件 原材料やエネルギー価格、人件費上昇が負担

歴史的な円安が続くなか、歯止めが掛からない食材の価格上昇、人件費などのコストアップが食品業界の経営を圧迫している。2023年度(4-3月)の「食品業」の倒産(負債1,000万円以上)は653件(前年度比16.3%増)で、2年連続で前年度を上回った。

3

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】テックコーポレーションと不自然な割引手形

環境関連機器を開発していた(株)テックコーポレーションが3月18日、広島地裁から破産開始決定を受けた。 直近の決算書(2023年7月期)では負債総額は32億8,741万円だが、破産申立書では約6倍の191億円に膨らむ。 突然の破産の真相を東京商工リサーチが追った。

4

  • TSRデータインサイト

2024年の「中堅企業」は9,229社 企業支援の枠組み新設で、成長を促進し未来志向へ

東京商工リサーチの企業データベースでは、2024年3月時点で「中堅企業」は9,229社(前年比1.2%増、構成比0.7%)あることがわかった。うち2023年の中小企業が、2024年に「中堅企業」に規模を拡大した企業は399社だった。一方、「中堅企業」から「中小企業」へ規模が縮小した企業も311社みられた。

5

  • TSRデータインサイト

「経営者保証」 75%の企業が「外したい」 保証料率の上昇、金融機関との関係悪化を懸念する声も

資金調達時の経営者(個人)保証について、「外したい」と回答した企業が75.5%にのぼり、経営者保証に拠らない融資へのニーズが大きいことがわかった。ただ、保証料率の上乗せや金融機関との関係悪化を懸念して経営者保証を外すことに慎重な企業も多い。

記事カテゴリを表示
記事カテゴリを閉じる

プリントアウト

RSS

CLOSE
TOPへ