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新時代の世界確立への根本理念革新

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公開日付:2016.11.04

 

(1)人間は環境に支配される

 人間や動植物などあらゆる生き物は、気候風土や地理的状況などの大自然の環境や、政治・経済体制、社会システム、住宅事情、教育制度、便利な機械や道具の開発などといった物理的、人為的環境の影響を受けて生息し、こういった環境の変化を敏感に捉え、それに積極的に対応し得たものは進化し、その変化に鈍感で、無視したり、適切に順応し得なかったものは衰退する。
 これは人間が構成する国家や企業や家庭にも通じることであり、だから「企業は環境適応業である」、「人格は環境の影響を受けて形成される」などとも言われる。
 たとえば、広大な面積の大陸や島に生息する動植物は大きく育ち、狭く小さな土地や島で密集して生息する動植物は小さなものしか存在し得ないし、恵まれた平穏で環境変化に乏しい中で安住するガラパゴス諸島の動物や、深海魚、大サンショウ魚などは、いつまでも太古の姿のままで一向に進化しないままである。
 「歴史は繰り返し、過去の歴史の延長線上で未来の歴史は築かれる」とか「年年歳歳、花相似たり」ともいわれ、これらは一面の事実であるが、長い人類や地球の歴史において、同じような現象や環境が周期的に繰り返して再現したり、過去の流れの傾向から未来を予見する一助に資するといった手法は経済予測などでも用いられ、また毎年季節になると、同じ花が咲き乱れているようだが、これはシーズンオフに休眠していた同じ花が、再び息を吹き返して咲くというものではなく、同種の新しい花にとって替わって咲き替わるのである。

(2)万物は流転し続けて止まらず

 万物は常に流転し続け、止まることがない。宇宙や地球の気象状況、資源の需要と供給関係などの自然環境や、市場情勢などさまざまな環境の変化も、遅速・緩急・激穏の差はあれ、徐々に漸進的ではあっても、それは一瞬たりとも停滞することなく、常に連続性をもって着実にアナログ的に変化し続けられているのであり、しかもそれは、デジタルのように断続的に数値や時間が刻まれるように変化したり、クリックすることで瞬時に変化し、視認できるといったものではない。
 だからいつ、どこで、なにが、どう変わったかを克明に認識することは困難であろうが、短期的でなく、後になって長期的に回顧すると、あの時期の、あの事件が、大きな歴史の転機であったと気付かされるものである。
 たとえば、近世の歴史は、WASP(ワスプ…皮膚色が白系のアングロサクソン人でプロテスタンツを信奉する西欧・米人)が主体となって、カソリックやイスラム教徒との宗教戦争に勝利し、優れた科学技術や進歩的と自称する機械文明、財物的豊かさに幸福の価値尺度を置く自由な資本主義・市場主義思想などを生み出し、世界を主導・支配することとなった17世紀以降の近代に至ってからは、地球大自然の摂理の無視や環境の破壊が進み、その覇権争いで排他的で自国の繁栄重視のナショナリズムが台頭し、宗教やイデオロギーの対立顕著化、大規模な戦争が多発・激化するようになり、産業公害、地球温暖化などといった異常気象をもたらし、それにつれ、人類の意識や理念、価値観、生活態様などの急加速度的な変化を招くようになり、さらには、恵まれた環境下にある強大国に都合がよいような変動市場相場制、投機的金融、情報システム、貿易などの諸規制の撤廃、グローバル・スタンダードの設定と押し付けなど、各種の環境を人為的に、しかもメタボリック(漸進的変容)な変化でなく、メタモルフィック(画期的で劇的な変質)な変革を誘引するようになって、人間の意識や知能の進化や変態が、その急激な環境変化や社会の進歩スピードに追随できなくなってしまった。
 その結果が、近年の世界的な大自然の摂理や真理に反し、好ましい政治や経済、幸福の原点を見失わせ、不遜で不当な行動、人類万能との思い上がり、もっともっとといった節度なき阿漕な過剰欲望、利己中心主義、過度な排他的競争心の増長、世界・国家・地域社会の激動の増幅、極端な貧富格差の増大、従来の変動周期の乱調やリズムの不調和、秩序の混乱、人類共通の目標や混迷を招く根本的な原因となっている。
 これを抜本的に基礎から改めないと、将来の世界新秩序の構築は不可能といえよう。

(3)世界歴史の変化の節目

 世界と人類の歴史を客観的に振り返ってみると、ほぼ2千年(主要因は同一人種による結合)、1千年(同一民族による結合)、6百年(宗教理念的結合)、4百年(時代の文明や宗教、思想を主導する国や地域の交代)、百年(世紀末の人間意識刷新と従来の弊害大整理期、種々の主役交代)、60年(資源・エネルギーや技術の革新、農業作況、大規模戦争など)、40年(統合と分裂の周期的変動)、30年(時代を牽引する国家や花形産業の寿命と主役交代)、20年(社会的な主要関心事が「積極的攻勢、達成、反転・衰微、混乱」、あるいは「導入・建設期、成熟期、反動・衰退期、破壊・再構築準備期」、「政治の安定、経済発展、文化・娯楽、精神・道徳心の退廃」などと、各課題あたりそれぞれ20年、4課題で都合「20年×4課題=80年」で一巡を繰り返す所謂「還暦」)といったような節目がある。
 これまでの世界・人類の歴史の画期的ともいえる大きな転機としては、西暦以前の各種宗教的哲学・思想主導者の相次ぐ輩出期、古代の各種宗教観の対立と統合・整理期、雑多な豪族支配と対立・抗争期、中世の実力あるものが王や皇帝となって独裁的に君臨支配した時期、同類の集結による国家や国境といった概念の発生期、近世の大航海時代と新大陸の発見、植民地化競争の時代、近世になっての産業革命、機械・物質文明発達期、領土拡大の覇権争いやイデオロギー的対立からの二次にわたる全世界規模大戦争時代、戦争終結後の弱小国の大国支配からの開放と独立促進期、東西冷戦の深刻化と崩壊、超大国アメリカ一国による世界独占的主導・支配期、中国の再興隆・台頭に伴う世界の軍事・経済バランスの異変、世界勢力国図の塗り替え期となって20世紀末を迎えて近世が終結した。
 これまでも何度も筆者が主張してきたことだが、世紀の変わり目は過去の弊害や残滓の大整理と精算が必要な時期であり、あらゆる分野で主役が交代する大激動の時期でもある。
 案の定というべきか、新しい「近代」の21世紀に入ってからは、諸環境も当然大きく変化し、人類の有史以来数千年の及び累積されてきた過去のあらゆる問題が一斉に噴出し、財物的豊かさの弊害が露顕することとなって、もはや姑息な彌縫策や部分修正だけではどうにも解決できない程の深刻な状態となっているのが現況である。

(4)今世紀の環境変化は人類未曾有の重大な転機

 このように人類の歴史で、過去にも数多の大きな変節期を体験してきたが、20世紀末までと21世紀を迎えるに当たっての転機は、これまでの地球と人類が、過去の経験したことの無い新しい未知の局面への挑戦を試みなければならない、全く画期的な根底からの環境変化であり、したがって根本からの革新が要求されることになる。
 なぜなら、それは地球と人類をとりまく大自然のみならず、宇宙にまで関連する各方面にわたる未曾有で多様な環境の大変化が予想され、これまでのようなイデオロギーや宗教哲学理念、経済的損得、軍事的脅威などで対立・抗争する関係当時国間だけで解決できる程度のものではない、全地球・全人類の、いや、宇宙大自然の秩序や生体系の混乱、危機、破壊にもで及ぶ重大な問題であるからだ。
 予想される画期的環境大変化の先ず第1は、宇宙、地球大自然の環境変化の危機問題である。
 現在でも既に、世界各国が競って合計で年間数百発、累計では数万発にも及ぶ宇宙開発基地の建設用や、気象、研究探査、情報、軍事目的などの宇宙衛星が打ち上げられているというが、各国の最高機密ということもあり、その実態の正確な把握もされず、国際的共同管理体制も整っていないし、公明にされない、まさに野放しの宇宙支配・主導権争い、乱開発競争状態にある。
 これらの打ち上げ衛星やロケットの破片や残骸が、地球の引力が及び地球上に落下して回収も可能な大気圏外を脱して、宇宙空間に放置されたままで宇宙塵となって多数浮遊しており、このままの放置状態が進めば、宇宙塵埃の衝突・爆発事故が起こり、それが地球の気象などにどのような影響を及ぼすか、その解決策などの研究や管理体制づくりはまだまだ十分とはいえない状態にある。
 産業公害による大気圏の汚染だけでも、現在もう既に気象状況が大きく影響を受け、地球温暖化、異常気象の発生、潮流の変化、北・南両大陸の氷山溶壊、海面上昇、砂漠化などが加速度的に進み、危険水準に達しているのである。
 大気汚染が更に進んで、太陽熱が遮断されるようになると、太陽熱放射1%減で地球の平均気温は3~5度低下するとされているので、もし5%の減少ともなれば、平均気温は25度のマイナスとなり氷河期に転じることとなる。
 第2は、地球温暖化の結果、現在でもすでに、海水温の上昇、潮流の変化、地底マグマの上昇などの異常気象を招き、大規模天災が増発することになった。
 地球砂漠化の進行は、世界で毎年、九州の面積ほど、氷山の融解は四国の面積ほど、氷河の先端後退は約5メートルにも達し、水面上昇で東京区部は水没する。
 第3は、この上に人為的な地球自然環境の破壊は根絶されず、経済後進国の焼き畑農業で森林伐採は進み、産業公害である二酸化炭素抑制の国際協定の批准や実行もなかなか足並みが揃わない状態である。
 第4に、地球自然の乱開発、荒廃による環境の変化は、上記の他に、地球天然埋蔵鉱物資源や動植物資源、食糧資源の枯渇、エネルギー・産業基礎資源の確保難と、その獲得競争の激化、世界規模での食糧資源供給量不足、食糧難などを招来する。
 第5は、資源の枯渇や確保難など、供給面の問題深刻化が予想されるが、一方、需要の面では、世界人口は爆発的増加傾向が続き、しかもそれは経済低開発のアフリカや東南アジア諸国で顕著なこと。経済先進国では逆に少子・高齢化が進み、将来の人口減少が予想され、その極端なアンバランスとミスマッチの世界全体としての是正が今後の課題となる。
 基礎的な必需は食糧資源であり、それは人口(消費する胃袋の数)の増減に左右されるが、この減少を胃袋の容量の拡大でカバーすることは不可能、お金持ちだがらといっても人の3倍食べられるものでなく、高級・美食化といった質の向上でのカバーにも限界があり、高齢化が進めば少食になるので需要は減少する。
 第6は、過去の歴史では、自然界が供給する資源は無尽蔵にあり、それを採掘し活用する技術も産業も未発達だったし、一方の需要の面では、出生率が死亡率を若干上回り、人口が着実に穏やかながら増加するという状態がずっと続いたので、常に「需要(消費)>供給(生産)」であり、したがって生産技術や効率を高め供給力を高めることが国民の需要と満足に応える良い政治・経済であり、その需要と供給の均衡がほぼ保たれ、なんらかの特別な事情で需要過剰、供給不足という状態という状態になれば、自ずと物価もつりあがるので、インフレの抑制に意を用いることが、物価の番人である中央銀行の重要使命の一つであった。
 それが今世紀になって、有史以来初めて「供給(生産)>需要(消費)」という、需要と供給関係が逆転し、その供給過剰で物が売れず販売競争が激化するので、値下げ競争で物価の下落が長期的に持続するデフレ経済を初体験することとなった。
 需給関係の逆転で最も重要で心配なことは、世界的な食糧難の到来、魚類など海洋資源の乱捕り競争の激化と枯渇化である。
 経済の安定的発展には需要と供給の均衡が大切であり、この需要と供給の逆転とギャップの拡大は、いろいろな面に多大な影響を及ぼす大きな環境の変化となる。
 にもかかわらず有史以来の初体験だから、見習うべき先例も無く、経験したことがない未知との遭遇だから、打つ手に戸惑いと混迷が生じた。
 第7に、目下はその過渡期で混乱し、取り敢えずの生き残り策として、国内大量生産した余剰分の海外での需要拡大を狙った値下げ貿易・販売競争が国際的に熾烈化し、国家間の摩擦や対立が顕著化することになった。
 第8に、長年の自由と平和、持続的経済成長に慣れ、豊さを味わい、高度に拡大した人間の欲望を、再び引き締め、縮小均衡、抑制を、自由・民衆主義体制の下で強いることは至難だということであるが、あえてこの理念や政策転換、民衆の意識や生活態様に取り組む必要に迫られることとなる。
 第9に、自由主義・市場経済体制の下では、人並み以上に努力し才覚を発揮した者が、努力をしいなかった者よりより豊かな生活をし得るということは当然なことであろうが、それが特定者の政策的優遇や不当な手段によるものであり、貧富の格差が度を越えた極端なものであれば、不公平感からの社会的弱者の不満が鬱積し、いずれそれが爆発し、社会混乱の要因となるので要注意である。
 近年は経済大国と経済低迷国で、この極端な貧富格差が増大し危険水準に達していることが問題であり、これが社会秩序の混乱やテロ不安の主要因になっているといっても過言ではない。
 「人は乏しきを憂えず、等からざるを憂う」のであり、この是正は、世界平和の実現のためにも、今世紀の最大で急務の重要課題とすべきであろう。
 第10は、これまで世界のポリスマン国家を自認してきた超大国アメリカの相対的な威信の低下もあって、世界を主導し、統制する錘となる国家がなくなり、国際的な箍(たが)が弛んだことと、その間隙を突いて、再び中小規模社会主義国で核武装をする国が増加する傾向にあり、核廃絶意識が後退、国際的軍事バランスが崩れ、勢力図が塗り替えられる状態になってきたことである。
 第11は、実需の裏付けなき投資というより投機的な投資・金融相場経済の過熱と、それに頼る経済拡大であること、投資的建設ブームと、その反動バブル破綻の危機への懸念、行き過ぎたアメリカ流の自由・資本主義経済の是正である。
 最後にもう一つ、これらを補填するために機能強化を図るべき中立的な国際連合や国際司法裁判所などの諸国際機構の権力と主導性の弱体化、信頼失墜である。
 近年はこれが特定の米・中・露の大国に支配され、その都合で骨抜きにされて、中立性と権力、存在価値が低落したことが問題であり、再構築・復権を期待したい。

(5)新世界秩序再構築に向けての人類意識の革新

 以上に述べてきたようなさまざまで困難な問題を抱え、その未知への挑戦で全人類が希求する将来の平和で物心ともに豊かな新世界秩序を再構築しなければならず、目下はその転換の過渡期で混迷し、新しい進路を求めて模索中であるが、過去の反省と整理・生産を済ませ、新世界再構築の長期計画と具体的設計図を策定し、準備をする時期が今世紀の2025年までの重要課題であり、その適否が地球、世界、全人類の未来の運命を決定づけるであろう。
 人間のあらゆる行動は、理念と意識に基づき発動され、正しい認識と判断があってこそ、正しい行動が起こせ、好ましい成果を得ることが出来るので、先ずは全世界が、自国の利益本位を戒め、「世界は一つ、全人類は一家族」という意識に改める人間意識改革の啓蒙教育から全世界が一斉に取りかかることが肝要である。雑多な価値観を持つ多様な民族の意識を一斉に大幅に切り替えさせることは至難なようだが、何かの強い動機でその気にさえなれば、人間の意識は案外すっきりと変え得る得るものともいえる。この点は、敗戦後の日本人の意識が、数年間の占領軍による洗脳教育ですっかり変わったこと、平素まとまりの悪い私利優先の日本人が、いざの被災時には、誰の命令・強制されずボランティア精神を発揮して復興支援に参加したことからもご理解願えるであろうし、全ての改革は底辺民衆の盛り上がりがあってこそ成功することも学んだのではなかろうか。民族は言語と血縁でまとまり、意思統一には同一言語を持ち人事交流が大切。意志あれば不可能はなく、心改めれば全てが変わる。

著者プロフィール

経済評論家・ビジネスドクター 芦屋 暁(あしや さとる)

幼少期の貧苦体験から「十分な教養があれば民族も国家も企業も個人も安泰」との信念を抱き、一生涯を人間能力の開発と日本経済・産業の発展に捧げる1本の杭になろうと決意し、都市銀行勤務を中退してフリーの経済評論家・経営コンサルタントの道に転身、大学の教鞭やマスコミ出演を経つつ、過去通算で全国約3千市町村を講演歴訪した実績を持ち現在に至る。庶民派で皮膚感覚の簡明率直な解説がモットー。

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