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日本再興隆への基盤づくりの年

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公開日付:2016.01.08

新年明けましておめでとうございます。
 本年も真理に基づく経済・社会の是々非々を直言することをモットーに論評を展開してまいりたいと念じております。どうぞよろしく、ご支援ご愛読下さい。

(1)干支の吟味から読む本年

 昨年はISのテロ拡大や中国の産業公害スモッグの深刻さなどが世界的な関心事となったが、わが国の政治・社会も、安保関連法案の改定や離島の領土問題、消費税率導入、高層マンションの不正なくい打ちなど、もう一つすっきりとしないスモッグに覆われた状態を抱えたままで今年を迎えることとなったが、これらを緊急に応じて着実に解消し、民心安泰とゆとりを取り戻し、国家の将来に希望が持てるような見通しをつけることが本年の課題であろう。
 そこで先ず、恒例となっている、自然界の法則と人類の貴重な経験則ともいえる干支の吟味からの、本来の予測を申し述べておこう。
 今年の干支は「丙申(ひのえ・さる、へい・しん)の年」で、これを吟味すると、

     
  • 丙(へい、ひのえ) …十干の3番目、五行では「火」に属し、方角は南。双葉の新芽が少し地上で芽吹きつつある状態、神様に生贄を供える大きな机の様子を表す象形文字、俎板の源字で「明らか(炳)、著しい、取る(柄)、病が加わること」などを意味する。
  • 申(しん、さる) …十二支の9番目、方位は南西、時刻は午後4時頃。地中の固い殻を破った種子から少し新芽と根が伸びだし始めた状態の象形から、物ごとの始め、伸張の可能性を秘めるもまだ完全発芽や開花には至らぬ過程の状態、ひいては「伸びる、うめく(呻く)、甲冑、手の甲、甲骨、申す(意が通じる)」などの意味に通じる。
  • 「丙申(へいしん)の年」の解釈 …干支の「干は樹木の幹」で、陰陽では陽を、「支は樹木の枝」で陰陽では陰を表し、樹木が幹と枝があって育つが、そのためには目に見えない地中の根がしっかりと張ることが大切であり、また物事には全て陰陽の両面があり、その週期的な循環で環境や状況が変化し、「禍福、苦楽、吉兆、善悪は糾える縄の如し」といった刺激があってこそ、人間の心や世の中の秩序の引き締め、行き過ぎの反省と是正、良識の復元力が働くので、この干支のどちらか一方で世相を判断することや、ましてや庶民に覚えやすくするよう当てはめたに過ぎない、架空のものまで含む動物の習性からの読みは正しくないので、この両者の組み合わせ、つまり両者が合致する60年周期で吟味し、自然界の森羅万象の真理に照らして判断することが重要であると陽明学では教える。

 そこで、それに従うと、新しい時代の開花へのかすかな期待の新芽は芽吹きつつあるが、気象状況がまだ整わず不安定なので、戸惑って呻き、双葉を開いて順調に伸ばし切れない苛立たしさを感じるが、雌伏長きは飛翔すること高しであるから、焦らずじっくりと、明日への基礎的エネルギー、つまり人間の理念や意欲の刷新と技術や能力の開発・向上に努め、先ずは、軟弱な地盤や朽ちかけた建物の見た目だけの部分的補修では堅牢な高層ビルの再建が不可なように、過去の問題や欠陥を、一旦は停滞や後退、収縮はあっても、完全に除去・整理し尽くし、更地にしてから、地質の再調査や地盤固めの基礎な杭の打ち込みをしっかりとした上で、長期的な未来にも通じる地球世界の造設計と造物の再構築に取り組む、「屈をもって伸となす」地味でも根気強い努力が将来の好結果をもたらすことを示唆する年といえよう。

 「丙申の年」の過去の主要出来事

  • 1957年(昭和32年)…第2次世界大戦前から「小日本主義」を提唱するなどの自由主義的論陣をはり、戦後も日・中、日・ソ連の交流に尽力した石橋湛山首相が引退し、現在の安倍首相の祖父で、戦時中は東条内閣の商工相、戦後は戦犯容疑で逮捕されたこともあったが保釈され、その後1957~1960年に首相となり、日米新安全保障条約批准を強行、争乱の責任を取り退陣した自民党鷹派の代表的存在であった岸信介首相の治世で、平和条約未締結のままで日・ソ通商条約を締結、国土開発縦貫自動車道建設法公布、南極観測船宗谷の出航、国連非常任理事国入りもあったが、神武景気後の反動で鍋底不況。ソ連が人工衛星打ち上げ成功。
  • 1897年(明治30年)…新自民党結成、貨幣法成立で金本位確立、台湾総督府設置。無線通信発明、トルコ・ギリシャ戦争。
  • 1837年(天保8年)…大塩平八郎の変、アメリカ船が救済した漂流民を伴い浦賀に初入港するも攘夷で追放。イギリスで工場機械生産始まる。
  • 1777年…田沼意次が老中となり、新田開発が進むも賄賂政治横行。
  • 1717年…8代将軍徳川吉宗が大岡越前を江戸町奉行に登用。
  • 1597年…豊富秀吉が朝鮮出兵、慶長の役。

(2)干支の吟味による本年

 本年は歴史の転機になるよう大きな事件が新たに発生することはなく、時流変化の過渡期で、先行きの見通しも困難、その出口もまだ見当たらず、進路も目標もさだまらないといった政治・軍事・経済・世相など諸分野で混沌とした状態が続き、改善への歩みのテンポは鈍く、目覚ましい経済成長率は期待し難いが、徐々ながらも変化や妥協への機運が芽生え、新しい動きが出始めるであろうから、昨年より悪化することはなかろう。
 その理由は、対立するいずれの陣営とも、国民の情報入手力、教育水準の向上などから、特定権力者による狂気的・威圧的独裁・統制が国民の反発・不支持もあって利かなくなってきたこと、経済・軍事的に疲弊がみえ始めたこと、いかに核武装・軍事攻撃力を強化しても、現代の戦争ではそれを実際に本気で行使することは、双方共に受ける被害が大きく、勝ちも負けもない損失となるので、意地は通せても利はなく、国際的にも非難され孤立しかねないので難しく、それらは単なる威嚇・牽制でしかない愚かさに気づきだし、全世界各国・全人類の厭戦気分が高まってきたからである。現に、米・ロ、米・中関係が微妙になり緊張を増しているようだが、どちらも外交上の駆け引きと国内向けの演出であり、対話のパイプは切っておらず、実務官僚級の交流は拒まず、左手の握り拳は振り上げているが、テーブルの下では互いに妥協の握手の右手を探り合っていることも見逃してはならない。
 したがって日本も、それに怯えたり、粋がって怒鳴り合い、火に油を注ぐ参戦をしようとすることなどは、時流に逆行しナンセンスといえよう。
 従ってこういう時期にこそ、時代の指導的立場にある為政者、とりわけ主導的力を有する大国ほど、自己のエゴな利害や、覇権欲や競争での勝敗に拘らず、自動車の運転でも、スピードを落とした時の方が視野も広がり、物事を冷静に観察し考える心のゆとりも出るように、譲り合いの2歩後退はあっても後刻の3歩前進・回復は可能との信念で、大局的視野、長期的展望に基づき、現代が全地球・全世界人類の危機であることを認識し、現在の混迷を払拭・解消する良識と良導手腕を発揮していただきたいものである。
 なぜなら、名船長ほど自己の操船技能を過信・誇示せず、先ずは気象予報を尊重し、あえて嵐の海に無謀な船出はしないで、自分の名誉より乗客の安全を優先し、島影や港に一時退避し、嵐が去るのを待ち、機を覗い潮目を読んで船足の挽回を図るといわれるからである。

(3)世界と日本の経済・世相見通しとその対応

 先ず世界の動向を予測すると、前世紀の世界の社会主義国を主導し大きな影響力を持っていたソ連邦が崩壊したこと、自由主義諸国を主導し、末期には政治・軍事・経済・科学技術などあらゆる面で優越的立場になり、独占的な覇権を制してきた超大国アメリカの、行過ぎた投資市場主義と力を背景とした独善的強引さへの抵抗感から、少し間を置こうとする傾向が高まり、威信が低下してきたこと、21世紀になって、その隙をついて主役交代の座を占めようと急成長し、わが国を追い抜きGDPでアメリカに次ぐ世界第2位にのし上がった中国も、急拡大と一国二制度の矛盾などの弊害から、早くも反転し、バブル経済破綻の不安定化が顕著になるに及んで、その善悪は別として、今の世界は、いわゆる「Gゼロ」の時代となり、世界秩序を統制する鏨が緩み、新たな枠組みを模索する混迷状態になった。
 こういった自由主義・社会主義・イスラム主義の3大イデオロギー、大小国入り混じっての混沌は、これまでの統合・巨大化から、今後しばらくは分裂と新たな連携や枠組みづくりの模索と鬩ぎ合いが続き、その再構成と秩序の回復・安定化には2020~2025年頃までかかるであろう。
 また、その過程において世界を主導する国のタイプは、従来のような政治・軍事・経済力の巨大さによる威圧的な覇権国ではなく、むしろ非武装の中立国で、世界平和と人類の幸福追求への強い理念と意志を有し、国内政治・経済が安定し、国際的外交・交渉力に長けた、良識があって信頼される、調整・仲介役的存在の国であり、そういった面では日本も今後の舵取り次第では、その候補国になり得る潜在力を秘めている。
 現在、世界の日本も含めた多くの国の間で起きている領土や国境を巡る紛争、民族間や宗教の対立の遠因は、ユダヤ民族の追放以来ともいえ、17世紀頃からの欧米先進国の植民化と、ホワイト優越意識、カラード蔑視・排斥、資本家による労働者酷使と差別化、その結果の貧富格差の拡大、第2次世界大戦終結後、それら植民地国の独立などに際しての、彼らの原住民の意思を無視した強引な、あるいは曖昧な処理の結果が尾を引いているものであるから、彼らがこそが率先してその解消の義務と責任を負うべきことであろう。
 すべての争いごとの真因は、飢餓、貧困、等しからざるを憂える不平等、差別化、自由さの束縛の不満にあるから、真の世界平和と人類の幸福実現のためには、根本的には、全世界一体となって、こういった人間の、とりわけ支配者・優越者の意識から抜本的に改め、過去の歴史の反省に立って、従来の制度設計を見直し、再構築することから着手しなければ、小手先の彌縫策的対症療法では、健全な体質への改良や根本的な解消とはならない。
 もはや地球自然の破壊や天然埋蔵資源の奪い合い、弱者いじめで富の独占化を図ろうとするより、経済低開発国を積極的に支援して育て、潜在需要を創出・顕在化して経済のパイそのものを大きくし、その貢献度に応じて公正・合理的に分配するべき時期に至っており、目先のエゴな利益を追う過剰欲望や浅ましい競争の時代ではなく、協調の世紀としなければ、全世界国家・人類の共生・共存・共栄はなく、「一将功成りて、万骨永遠に滅ぶ」ということになる。本年こそは、それに舵を切り替え、第一歩を踏み出す環境と基盤を整備する年としないと、将来の夢は持てない。
 アメリカは、建国以来250年弱の間の目覚ましい発展振りとの比較とやっかみ半分で、近年、凋落とか中国に追い上げられているなどといわれるが、2位中国との差はまだ大きく、その北・中・南アメリカ大陸という巨大な島の中・北部を占め、大海に守られて、欧州とアジアを結ぶ中継地としての地政的に有利な立場、資源も豊か、優秀な人材、進歩的な経済や科学技術、特許所有、自由で民主的な社会システム、失敗を恐れぬ開拓者魂と積極的な進取の気性を有するなど恵まれた環境にあるので、そう簡単におちぶれる国ではなく、今世紀も世界に大きな発言力と影響を与える主導的立場の大国であり続けるであろうが、独占的覇権国家、圧倒的な諸種の優越さによる傲慢さ、自国の利益至上主義の冷徹なドライさと変わり身の速さ、行過ぎた自由・市場主義経済の歪、世界のポリス国家を自認した強引な他国への介入、現在のアメリカを実質的に仕切り、その富を占有しているのはユダヤ系のアメリカンであることなどから、他国から次第に警戒・敬遠され、アメリカの都合だけで振り回されないぞ、なんでも言いなりにはならないぞといった不満や反発が高まり、アメリカ一辺倒でなく少し間を置こうというようになり、そこにテロ攻撃を受けるという不幸やリーマンショックなどが重なって、世界的な信頼と威信の低下を招いた。一度失った信頼や威信を取り戻すことは並大抵でなく、本年もアメリカは難しい選択と、名誉挽回の厳しい道を歩むこととなり、やや国内重視のスタンスを取るようになろう。にもかかわらず安倍政権下の日本だけは、依然としてアメリカ従属とその亜流で良しとしているが、どんな状態になっても、最後までアメリカが日本を守り、繁栄を支援してくれるとは限らない。
 欧州も当初の一枚岩の構想に、加盟国の取り込み増加による拡大化を図ったものの、その思惑の違いや経済力の格差などから亀裂が入り、その団結維持に苦悩することとなろう。
 新興・躍進が目覚ましかった中国は、既にその頂点を越して下降傾向に反転し、成長率の鈍化や民衆の離反を引き止めるのに躍起になり、日本の軍事力強化に対する警戒と抵抗を煽り、国民の目を外に向けさせようとしているが、国内事情の不振と混迷は公表以上のようであり、不動産バブルの破綻も予想され、本年はそれが一層深刻化し、国際的な中国包囲網の締め付け、孤立化を恐れ、その対策として東南アジア諸国の取り込みに注力し、強気な対日・対米姿勢を改めざるを得なくなるであろう。
 ロシアの西側諸国への強気な対抗姿勢の復活や旧連邦諸国の取り込みなども、中国と似たようなもので、プーチンの威信挽回への焦りと虚勢といえよう。
 ISのテロ活動、中東の混乱、キリスト教国とイスラム勢力との対立は本年も続き、その平穏化への道は険しいが、これを解消するには、現在の感情的な意地での武力による威嚇対決では、エスカレートするばかりで根本的解決にならない。
 適切な中立国の仲立ちで冷静・客観的に、互いに相手方の事情も深慮しつつ対話し、その原点に立ち返って真因を探求すれば、元来は源の経典と同一神を尊崇で、その解釈の微妙な差であり、民族の差別化と蔑視、貧困に起因するものなので、優越側の寛容と譲歩があれば、案外その解決の糸口が見出せる可能性もあろう。
 イスラマーのすべてが闘争的なテロリストではなく、大部分は鷹揚で純朴な民であり、またISのテロリストたちは、欧米人も含めた貧窮と差別に不満を持つ狂信者の寄せ集め傭兵に過ぎないのだから。
 国内問題に関しては、昨年、安倍首相は一強他弱政権の勢いをかって、一気に戦後日本の歴史における大きな方向転換といえるハンドル切りとアクセルを踏み、集団自衛権というまやかしで軍事力を強め米軍と一体となった武装自衛隊の海外派兵を可能とする道を選んだこと、財政再建のための消費税率アップの導入・税制部分改正で、大企業・富裕者優遇、その埋め合わせの福祉のカット・弱者見捨て姿勢をより明確にしたこと、アベノミクスはまだ不十分と考え第4の矢を準備したのか、いずれにしろ抽象的な一億総活躍などという曖昧な政策で他の国民の目を向けさせようとし、その結果、貧富格差だけを更に増大させ、骨太どころか、見た目の上半身だけは筋肉隆々だが下半身は痩せ細った、アンバランスな体格と脆弱な体質や持続性のない体力構造の日本となったこと、世界を飛び回った割には、その信頼獲得には到らなかったことなどから、将来の日本への明るい希望がまだ沸いてこない。
 確かに、難しい世界情勢の下で、戦後歴代総理の中では、積極的に改善に取り組みまめに動いている部類に入るといえ、その姿勢と努力は評価できるので、焦って暴走せず、今年は一息入れ、未来への基盤整備に尽力していただきたい。

著者プロフィール

経済評論家・ビジネスドクター 芦屋 暁(あしや さとる)

幼少期の貧苦体験から「十分な教養があれば民族も国家も企業も個人も安泰」との信念を抱き、一生涯を人間能力の開発と日本経済・産業の発展に捧げる1本の杭になろうと決意し、都市銀行勤務を中退してフリーの経済評論家・経営コンサルタントの道に転身、大学の教鞭やマスコミ出演を経つつ、過去通算で全国約3千市町村を講演歴訪した実績を持ち現在に至る。庶民派で皮膚感覚の簡明率直な解説がモットー。

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