ホーム > 最新記事 > 時局レポート > 2018年 > 時流の大転機2025年への道標

時流の大転機2025年への道標

  • RSS
  • お気に入りに登録する

公開日付:2016.09.09

 「光陰矢の如く、学成り難し」といわれるが、平和の実現もまた成し難しといえ、これからの世界や日本においても、さまざまな変動や試練があろう。しかしそれに適切に対処し、変動をチャンスとしてこそ、成長発展、進化が可能となる。
 過去の世界歴史変転の流を大局的に回顧してみると、時の流れは一瞬たりとも停止することなく、その変転の程度の大小やテンポの緩急の差はあったが、連綿と持続・変転し続けてきたし、これからも渦巻状に明暗を繰り返しつつ永続して止まず、進化し続けるであろう。
 しかしその流れや変転はアナログ型の連続であり、デジタル時計の時の刻み方や表示、文章の句読点のような区切りや、何年の何時・何分が転換点といったことは、その時点では明確に気づけないものだが、後年になって振り返ってみると、あの頃が時流の大きな転換期であったのかと気づかされることが多く、しかもこれには一定の周期性が見受けられるものである。
 ただし、何億年という長い人類の歴史では、大昔には数万・数千年もかけてのゆっくりとしたテンポでの少しづつのメタボリック(漸進的、新陳代謝的な段階的進化)な環境の変化であったので、それに対処する人類の意識や行動態様の変化も、徐々に順応しつつ進歩を遂げるものでよかったのだが、近代になっての産業革命以降は、人為的に自然環境の変化に影響を及ぼすことも可能になって、その変化のテンポが何百・何十年と大幅なハイテンポになった。
 とりわけ20世紀の後半以後は、目覚ましい科学技術や情報伝達、人工知能、交通手段の進歩による行動範囲拡大などの進化もあって、変化というよりも変革のテンポは加速度的に早まり、しかもその変容は、漸進的な変化でなく、たとえば水中動物であった幼虫のヤゴが、成長・脱皮して突然空を飛ぶトンボに様変わりするようなメタモルフィック(画期的、変質的)な著しい変革を示すようになり、その結果、人間の意識や心身能力、行動態様が、それに適切に追従、順応し難くなったり、物質文化の進歩の一方で精神文明の荒廃、社会秩序の混乱をもたらすなどといった弊害さえ生ぜしめることになった。
 つまり現代の地球や人類社会の環境、世界情勢は、自然界の原則や生態系維持の限度を超え、その天然資源の供給能力と棲息人口などの受容能力との不均衡という不安定な混乱状態にある。
 これをわかり易いたとえで説明すると、「追いつ追われつの競争と経済効率性ばかりに捉われ続けた挙句に、気がつけば、走行スピードや貨客の搭載可能力などの限度を無視した、欲望の過剰積載、運行スピード超過違反で、ブレーキが効き難く、ハンドル操作が困難になった、下手な運転手による暴走トラックのような状態で、事故発生の危険性が非常に高くなている」といえよう。
 従って、ここらあたりで冷静になって一息入れ、スピードダウンなどの適正な状態に戻し、安定・安全・安心第一の名運転手による乗り心地の良い快適なドライブに改めることも必要ではなかろうか。
 こういった、目先の経済成果や評価に拘らず、将来の地球自然や全世界の平和と安泰を深慮した思い切った世界各国、全人類の意識や理念、行動態様の切り替え、諸政策や手法の大修正と変革をし、正常な軌道の乗せることに着手しなければ、世界と人類の将来は、現在以上に平穏で住み易いものになるという保証は出来ない。その敢行の期限が諸般の事情や要素を検討して「2025年」であるというのが現代世界の有識諸賢者の多数を占める見解などであろう。
 筆者も、20世紀末期の1989年、わが国経済バブル絶頂期の頃から将来を予感して、超大国アメリカ流の自由・資本主義経済の挫折、日本のバブル経済破綻は必至であると警告を発し、そのためには、アメリカの追従・亜流からの脱皮、投資というより行過ぎた投機的資本主義経済とモア・アンド・モアの過剰欲望自由主義経済の是正、無定見な赤字国債の乱発や超金融緩和・マイナス金利などによる過剰な国家や企業・家計の借金による浪費・冗費、見せ掛けの好景気演出を慎み、好ましい政治や経済、事業経営の原点に回帰すること、わが国なりの独自性探求の必要性を提唱し、2025年頃までに、これらを改める人間の理念や意識、繁栄や幸福の価値観、政策や方針の大転換の選択と努力の適否が将来を決定付けるが、もし今後も従来どうりの惰性的小手先対応に終始し、その進路やアプローチ手法を誤ると、我が国のみならず、全世界・全人類が混乱と困窮、閉塞感と不幸に見舞われるであろうと強調してきた。
 こういった大胆な提言をした理由としては、大きな時流変化の主要因は、集約的に表現するとアナストロフィー(上方指向の破局、過欲なる困窮)に尽きる。
 つまり、「物極必反」という自然界の摂理、物事の真理に反して、もっともっとという阿漕な過剰欲望や巨大化を追求し続けるなら、「大きいことは良いことだ」ではなく、内部統制が行き届かなくなり、巨大さの弊害を露呈し、過去の大ローマ帝国の分裂、ジンギスハーンが独裁し個人管理能力の限界を超え東西に手を急拡大し過ぎた元(現在のモンゴル)の自滅的衰退、ソ連邦の内部崩壊など、大国衰亡の歴史的事実が立証するように、いずれは無理の積み重ねの限界に達し、やがて反動の大混乱に陥る。目下の中国の覇権拡大の焦りも、これらと同じ途を辿るであろうと予見し、再び世界秩序やパワーバランスが混乱することを危惧する。
 もう少し具体的に列挙すると、

 ①世界経済を牽引してきた先進経済大国が、いずれも少子高齢化の進展に伴う成熟経済期を迎えて成長率が鈍化を示していること、機械化や省力化による収益生産性、労働生産性の向上、生産コスト軽減が限界に達しつつあること、労働力不足やそのコストダウンを流入移民の低コスト労働に依存してきたのが、人種差別化の問題や先住民の職が移民に奪われることへの反発が強まることなどから、一斉に信頼や統率力が弱くなって主役の交代期に入るにもかかわらず、まだその後継主役国が出現せず、世界を主導・統率する国の空白期が生じること。
 ②21世紀期に世界の生産工場、消費市場、投資市場として驚異の急成長を示し、世界経済をリードしてきた中国が、一国二制度混用の矛盾露呈からの極端な貧富格差増大が極限に達し、民衆の反発と不満爆発、威圧と情報統制による共産党の一党独裁力が、民間人の国際交流や情報交流の進展で揺らぐこと、領有権など軍事・経済覇権拡大化に対する関係諸国からの警戒感と反発、投資・産業進出諸国の中国離れ、その引き上げに伴うトラブル多発などから高度経済成長率が鈍化に転じ、信頼も失墜し、今後の持続・安定成長の翳りが明確になってきたこと。
 国際的な信頼がなく、国内政治・経済が不安定な国で永続・発展した国はないこと、お金や暴力で得た地位は、同じくお金や暴力で再びその地位を追われがちなこと、過去に繁栄トップの地位を得ながら主役から転落した国家が、再び主役に帰り咲いた例がないことなどからも、目下の中国の発展・成長は永続し得ないであろう。
 ③EU加盟国間の経済格差顕著化から、その統合に亀裂が生じ、世界経済における影響力が低下する傾向になりつつあること。
 ④米・中国・EU・日本にとってかわる世界経済の牽引国が当分見当たらないこと。
 ⑤復権を目ざすロシアの軍事的動きや、ISやアルカイダなどによる無差別テロの恐怖と混乱。
 ⑥アフリカ、中東諸国の内乱と政情不安など、経済に優先する政治・軍事の混乱が更に激化こそすれ、平穏・解消の見通しが依然として立たないこと。
 ⑦このような難問が世界的に山積しており、世界の地域軍事・経済格差が一層増大し安定感がなくなり、勢力地図が塗り変えられる可能性が強いこと。
 ⑧地球自然環境の荒廃と、それに伴う地球温暖化と異常気象、天災や産業公害が多発化すること。
 ⑨高度経済発展諸国の人口減少と高齢化の一方で発展途上・低開発国での人口爆発的増加、天然埋蔵産業基礎資源やエネルギー資源の枯渇化、世界的な食糧危機、溢れ出るような難民の多発に伴う原住民とのトラブル激化。
 ⑩20世紀後半に見られたような経済牽引技術や、電化製品・ITなどのような平和産業製品の開発が一頓挫し、それに代替するものが未だに見当たらない過渡期にあること。
 ⑪近代世界の政治・経済思想を主導してきた自由・民主・資本主義のシステムには、貧富格差の増大を招くなど本質的な弊害があり、基本的に資源や地理的環境に恵まれた巨大・強者は益々富むが、恵まれない環境にある諸国はなかなか浮かび上がれず、貧富格差は一層増大し、危険限界を突破すると国家転覆が相次ぎかねないこと。
 ⑫特定大国主導による都合の良いグローバル・スタンダード、行過ぎた自由・市場主義経済の強引な押し付けの反発が高まること。
 ⑬今次の世界経済秩序大混乱の契機となった仕掛けの施策の一つは、アメリカが「消費は美徳、貯蓄は悪徳」と喧伝し、戦後、国際貿易競争力を強めた日本の弱体化を目論んだ情報謀略による金融ビッグ・バンである。
 金融の円滑・合理化は美辞麗句でしかなく、この秘められた真の狙いは銀行の証券化にあり、それで日本の銀行・郵貯が保有する巨額な純預貯金を国際証券市場に流出させて取り込もうと画策したものであり、バンは、火が燃え盛るというBurmではなく、従来の日本型経済・金融秩序を乱暴に叩き壊し、弱者の切り捨てを意味するBangであったことに騙されてはならない。
 ⑭地球規模的な需要と供給や人口構成のバランスの崩壊、貧富格差の危険水準値突破。
 ⑮もちろん統計経済的予測などからも、過去の歴史的事実からの体験則である周期性などからも、2025年は相似・合致する点が多いこと。
などである。
 筆者がわが国の将来を危惧して、このような思い切った提言を発した当時は、ソ連邦が内部崩壊して冷静が終結し、アメリカが独占的に世界覇権を制し、ITブームで全盛期にあったし、日本も不動産と株式のバブル高騰で浮かれていたので、このような少数の特異な見解は異端視されてマスコミからも無視され、さらには、消極的で弱気な発想、時代遅れの古典的保守主義者、偏屈なナショナリズムなどと貶され謗られたものであった。
 最近になって幸か不幸か、内外の情勢は正にその予言通りの現象を呈するようになり、このような暴論・妄論ともいわれた少数意見が、ようやく世界の有識者からも表明されるようになり、行過ぎたアメリカ流の自由・資本主義、市場万能主義経済、投資金融主義の修正を求める声が次第に高まってきたが、わが意を得たりであり、誠に妥当で結構なことである。
 その中の一人としてフランスの経済計画の権威であるジャック・ルスールヌ教授は、池の睡蓮の繁茂状態を例に引用して成長曲線を説明され、「池の睡蓮は、繁茂・開花しだしてその面積が池の半分程度になるまでには長い期間を要するが、半分を超えると加速度的にあっという間に増殖・開花するが、池を覆い尽くし頂点に達すると、今度は途端に反転して急速に衰退し枯れて行く。これは地球の人口の急増と食糧や産業資源の枯渇、新製品の発明から市場への売り出し初期、浸透成長期、成熟期、ピークに達した後の急激な販売量の下降・衰退からもご理解願えることだろう。これからの世界は、このような物質文明の急速な全盛期の反転・反動の混乱・分裂状態の時期を迎え、人類歴史の初体験ともいえる試練期で、難しい対応が要求される時代に向かうことは間違いなかろう」と述べておられる。
 これまで「行け、行け、どんどん、もっと、もっと」の拡大成長論者が、積極的プラス発想の先進的リーダーやエコノミストだと評され人気を得たものだが、冷静な判断に立てば、万変を処するに一敬(一抹の慎重さ、謙虚さ、他者を思いやる心のゆとりなど)を主とすることも、空想的未来論だけでなく、過去の歴史的に貴重な体験を踏まえ、過去と現在の中に未来の予兆が潜んでいると心得、そこから総合的に未来のあるべき姿を洞察し、構想することも重要であろう。
 思想家ルソーは、自然と歴史は最も良き教科書であると示唆したが、自然界や世の中は、太陽の当たる上り坂ばかりが永遠に続くものではなく、禍福は糾える縄の如しで、人生は七坂、登り坂も、降り坂も、左右に屈折する曲がり坂も、まさかという坂まであるし、苦・労、順境・逆境、成功・失敗、幸・不幸を重ねて体験してこそ、人間の心身も、社会も経済も、健全に育つものだし、画一的な大きい石積みよりも、大・小、強・弱さまざまな要素がうまく組み合わさってこそ、城郭の石垣もかえって堅固なものとなり、幾何学的に整理された西洋の庭園より、自然の植物や岩石をうまく採り入れ、四季折々の変化を持たせた日本庭園の方が風情があって見飽きないように、今後は経済や事業経営においても、自然界との調和的発展と多様性を尊重してこそ、シナジー効果(各種要素やエネルギーの相乗効果)や、一見した雑然さの中の統一美(秩序)が発揮され、潤いのある世になるという考え方に転換すべきであろう。
 そういった面からも、2025年の世界規模の大転換期を迎えるまでの道標としては、「屈を以って伸と為す」気構えと順序を踏むことが肝要であり、従来の踏襲でなく、これまでの好ましくなかった点は謙虚に反省し、改めるべきは勇気を持って改め、過去の残滓の大清算を済ませ、「雌伏長きは飛翔すること高し」であるから、一旦は屈んで再飛躍の力を蓄え、その間に、内外の現状の正しい認識と、各国それぞれなり持ち味や特性を徹底分析する棚卸をし、他国の物真似や亜流でなく、自国なりの生き方を探求して確立するために、先ずは人間の意識や理念、平和や幸福の価値観の切り替え、能力の開発向上教育から着手することが肝要である。
 国家も企業も個人も、常に変化する環境の中に存在し、そのさまざまな影響を受け、それが変動や不確実の源となり、ストレスにもなるが、そのストレスにうまく対応すれば、それが良い刺激となって心の引き締めや、身体・組織の活性化にも有益に働き、そういう心の弾力性があってこそ、環境との適応性や他者との柔軟な関係が保たれる。
 自動車の運転でも、ただ猛スピードで突っ走ると視野が狭くなり、周囲を見渡すゆとりもなくなり、緊張の連続で疲労が募るが、少しスピードダウンすれば、周囲への目配りも気配りも出来て、快適なドライブが楽しめる。
  将来の世界や国家の再構築を思索するに当たっても、効率とスピード重視のこれまでよりも、もう少し「ゆっくり、ゆったり、心のゆとり」の「3ゆ」を指向すべきであろう。
  地球自然が保有する供給量と、それを消費する人口との関係は、人類の有史以来、常に「供給>需要」であり、自然の開拓による潜在供給力の活用が人類の生活向上に連なったが、近未来には有史以来初めてという「需要>供給」という逆転環境を体験することとなる。従って今後は、かけがえのない地球資源や自然は、全世界・全人類共有の貴重な資産であるという発想に切り替え、特定国の力による独占を排除し、互譲、互恵、互助を心がけないと、その分捕り合いの競争が激化し、結局は全人類の困窮と滅亡を招くこととなる。
 13~15世紀にかけてのルネッサンスは、人類歴史の一大転換期となったが、今再び、地球人類は大きな曲がり角に立ち、第2次ルネッサンスの大転換に取り組まねばならなくなったが、第1次の目的が「自然の克服」であったのが、今次の目的は、世界が多極的になる反面で益々相互依存関係も強める必要もある時代となるので、自然との調和的発展、共生・共存・共栄が課題となり、全国家・人類の対立より連携と協力・協調が重要となる。このような多様な自然環境下でデリケートな関係を保つことに優れているのが日本の特性で、故に目下世界で日本ブームが起きているのであり、わが国は上手な主導力を発揮すれば、次世代の主役になる可能性も秘めている。


著者プロフィール

経済評論家・ビジネスドクター 芦屋 暁(あしや さとる)

幼少期の貧苦体験から「十分な教養があれば民族も国家も企業も個人も安泰」との信念を抱き、一生涯を人間能力の開発と日本経済・産業の発展に捧げる1本の杭になろうと決意し、都市銀行勤務を中退してフリーの経済評論家・経営コンサルタントの道に転身、大学の教鞭やマスコミ出演を経つつ、過去通算で全国約3千市町村を講演歴訪した実績を持ち現在に至る。庶民派で皮膚感覚の簡明率直な解説がモットー。

資料請求・お問い合わせはこちら。お気軽にお申込み下さい。

製品詳細・資料請求・お問い合わせに関して

製品に関する詳細情報、料金体系につきましては、「資料請求・お問い合わせ」ボタンをクリック後、以下の手順でお問い合わせください。

  1. お問い合わせ種別:「お問い合わせ」を選択
  2. お問い合わせの内容:「○○○」(任意:質問事項・要件など)とご記入
  3. ご連絡先:必要事項を入力し、送信してください。
このページを見ている人はこんなページも見ています

重要な経済指標である倒産をベースに国内経済を把握できます。
倒産月報・企業倒産白書

倒産情報や債権者リストなど経営判断に欠かせない情報誌です。
TSR情報誌(倒産情報誌)

国内を含めた世界最大級の多彩な企業情報をオンラインでご提供!
インターネット企業情報サービス(tsr-van2)

1日2回、最新の倒産情報をメールいたします。
TSR express(TSR情報Web) -倒産情報配信サービス-

TSRネットショップ TSRの商品がオンラインで購入できます!

インターネットエラベル TSRがオススメする就職・営業に役立つ地域の優良企業紹介サイト

TSR Express 1日2回の倒産情報配信・検索サービス

メルマガ登録 無料セミナーやイベントを優先的にご案内!

ページの先頭へ