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人類の思想的先導者に学ぶ新世紀の世界像

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公開日付:2014.03.07

(1)混迷の時代になると希求される救世主の出現

現在の世界と日本の経済状況を概観すると、部分的には景気回復の気配も見受けられるが、それも人為的な情宣政策誘導に煽られた実体が伴わない投資金融景気によるカラ景気の感が多分にあり、全般的には、まだ順調な上昇気流に乗ったとはいえず、閉塞と混迷の状態から完全に脱する確かな道は未だ見出し得ていない模索の状態といえよう。
確かに「景気は気から」といった面もあり、国民が将来に希望を抱いて前向きな発想でより良くしようと努力をすれば、今はどうあれ、景気は上向き経済が活気づく。
この点は今次の安倍首相の強気なアベノミクス発言のアナウンスメント効果だけで、明るい材料が乏しく停滞していた投資金融市場が好感し、株価の急騰、為替相場の修正がなされ、輸出産業を主体に企業業績が回復したことからもご理解願えることであろう。
しかしこれは、一時的な心理的操作による刺激、劇薬投与による緊急対症療法に過ぎず、この火をその後も燃やし続ける、効果的具体策の実施、実体経済の活況へと結びつけることが肝要であり、それがないと、長期的展望に立つ根本的な経済構造の改善や、順調な経済成長軌道に転換したとはいえず、永続性が期待できない。
アベノミクスの成果も、従来の政権と比較して、安倍首相の積極的な獅子奮迅ぶりは一応評価できるが、現段階ではまだ楽観視は許されず、国際的変動要素の影響を受けることも多く、国内的にも、直接生産的な投資の積極化や賃上げ、雇用の拡大、貧富格差の是正などの行方をもう暫く慎重に見極める必要があるだろう。
こういった混迷の時代になると、常に希求されるのが救世主の出現だが、真偽はともかく、世界的にも著名な日蓮などの超能力者複数名以上が、「それはユーラシア大陸東端部、三日月形の国の雪深い地域から出現する」と予言していたとする古文書もある。

(2)世界の有識者が人類思想の主柱と推挙した8聖人

道に迷った時には「原点回帰」が大切と言われるが、近年は、為政者や有識者・財界人の中にも、これを忘却し、アメリカ流の悪知恵の経済や経営理論に踊らされ、狡猾な自己の収益本位に捉われ、主導者面をしている者が多いのではなかろうか。
また「温故知新」が重要ともいわれるが、昨今はこういった先賢の至言を正しく受け止めず、例えば「温故知新」を更には「温故知真(真理を悟ること)」と、その基本理念を深く解釈すべきものを、用語の定義の理解を疎かにして、それぞれ自己に都合よく、「温故奇新(奇を衒った表現やシステムなど上辺だけの斬新さの追求)」や「温故偽信(信用や信頼を軽視した偽善的な新しさの訴求)」とか、アメリカイズムをグローバリズムと曲解している風潮が蔓延しているように感じる。
そこで本稿では、人間が正しい道を歩む行動の基点は、先ず正しい意識や理念から」との観点から、人類の思想や理念の形成に大きな先導の功績を遺し、現在に至ってもまだ人類の思想的な主柱として大きな影響力を持ち続けていると世界の有識者が推挙している8名の聖人、モーゼ(ユダヤ教の祖)、老子(道教)、孔子(儒教)、釈迦(仏教)、聖徳太子(政治家)、ソクラテス(哲学者)、イエス・キリスト(キリスト教)、ムハンマド(イスラム教)について(注:推定死没年の順に列挙)、その思想や理念を再吟味し、国際的な戦乱と、産業経済や物質文明躍進の反面で、各種競争の激化と社会秩序の混乱、精神文明の荒廃を招いた20世紀の反省を踏まえ、その改めるべきは改め、全世界の恒久平和と物心一如の豊さの追求をめざす新しい世紀の好ましい世界と日本のあるべき姿、経済秩序の再構築、全人類の幸福実現への道の探求のご参考に供しよう。

(3)人間の人格呼称ランキング

因みに、俗っぽい人間の人格呼称は、①仁徳・慈愛、②知能・才覚、③勇武・技能、④垂範・言動の4要素面からの評価で、全要素完全無欠(オール○)の「聖人」を筆頭に君子、大人、才人、名人、凡人(オール△)、奇人、小人、愚人から最低の悪人(オール×)に至るまでの10等級に分類出来ようが、その置かれた環境や時代に応じて、優れたリーダーの要件としての重点の置き方も多少は異なろう。聖人はそれを超越した神仏のような崇高な存在である。
中国の古典では、「智・勇・仁・信・礼・厳」の6要素を、徳川家康は「文・武・財・心」の4器量が肝要としているが、要はこれら諸要素がバランスよく整って高得点であることが、真に品格のある円満な人格者、つまり聖人といえよう。
こういった各要素が揃ってバランスよく高水準であることの重要性は、企業経営における期待される「人材(財)」像にも通じ、ある要素だけが突出して優れた所謂専門職人的な名人や才人は、特定分野では役立つが、他との協調性や汎用性・互換性欠く面があり、融通がきく有能社員や総合職には向かない。ほとんどの要素はそこそ平均レベルだが、これといった特性を持たない所謂凡人は、通常業務の雇員としては無難な「人員」ではあるが、業績向上への貢献度は乏しい。各要素は平均値以上であっても、何かで極端に劣る要素を持つ所謂奇人や不満分子は、企業発展にはむしろマイナスの障害となるので「人災」といえる。通常、有名な大企業といえども、社員の能力別構成は「人財2対人員7対人災1」であり、たとえば「(10+3+2)÷3=平均5」という社員能力にバラツキのある企業より、「(7+7+7)÷3=平均7」といった能力にバラツキが少ない企業のほうがまとまりも良く、組織総合力が発揮できて持続的好業績を上げており、事実、これで社員一人当たり収益生産性で10倍以上といった差をつけることも可能になる。
ここに社員の最低レベルを引き上げ平均値を高く揃えるという、社員の潜在能力の導き出し(Educationの語源の意味)という企業教育研修の重要性があるのだ。上記の他にも、世界的に聖人といわれる人物として、人類初の普遍的帝国マケドニアを創立したアレキサンダー大王、国家統治への一般民衆参加の途を開き、自由民権の原理を創立したナポレオン、欧米緒大国の支配に屈せず、弱小国の自律と独立を提唱し続けたガンジー、国際赤十字機構アンリ・デュナン、最貧国の部類にあったバングラディッシュの民衆に自主・自立の夢を抱かせ、その脱出策の実践に現在も努力し続けるグラミン銀行頭取ムハマド・ユヌスや、戦乱の世を終結させ、世界的にも稀有な長期間平和が持続した江戸幕府の基礎を築いた徳川家康、企業の目的を「論語と算盤」という簡明な理念で、独特な日本的近代資本主義産業と事業経営手法を生み出した明治~大正時代の財界リーダー渋沢栄一、経済的繁栄を通じた平和と幸福の実現というPHP運動を展開した実業家の松下幸之助などの日本人を高く評価し推挙する外国の学者も結構存在するが、ここでは、中世・近世の英傑は割愛し、世界3大宗教(注:世界の3大宗教人口1位/キリスト教、約21億人、2位/イスラム教、約13億人、3位/仏教・ヒンズー教、約12億人、合計約46億人で、これだけで世界総人口の82%を占める)思想に主体をおくこととしたことをご容赦願いたい。
現代の世界では、国家として特定宗教の信仰を禁じている中国のような国も、日本のように各種の雑多な宗教を混交して尊崇・祭祀する国も存在するが、世界の常識としては、その信仰度はともかくとしても、なんらかの宗教心を持たない者は、人間として認められず、自己の信条を持たない者として、尊敬も信用もされない

(4)8聖人の概略プロフィールと主要概念

人間のあらゆる行動は、現状や将来に関して認知する正しい情報や資料に基づいてこそ正しい判断が出来るが、この情報に間違いがあれば、間違った判断をすることとなるし、曖昧な不確実情報であれば、判断に迷い、誤った行動をとることとなる。
その正しい判断は、人間各自固有の意識や考え方、価値観で異なり、例えば、コップに半分水が入っていることを認知しても、プラス発想をするタイプの人なら、「まだ半分は残っている」と前向きに受け止めるが、弱気で否定的思考をするタイプの人なら。「もう半分しか残っていないから節約をしよう」ということになる。
このことは、経済動向の見通しや景気状況判断においても同様で、人間が有する情報量やその的確さで判断が大いに異なり、その判断場面においても、それぞれの意識や理念、思考のあり方が陽性か陰性かで判断が左右される。
世界全体や国家や社会があっての自己の幸福だと考える人なら、全体の中の自分といった発想で、他者との調和や協調、共生・共栄を優先するが、自己幸福本位の発想をする人なら、自分の幸運さや努力の結果の優越さの獲得だからと、勝ち誇るためには手段を選ばず、他者を競争で排除しても、自己の収益の極大化、富の独占を意図し、それを悪だとは考えない。
しかもこういった協調か競争か、他利優先か自利重点かなどといった思考のタイプは常に一定不変ではなく、人間には本来、性善と性悪の両面が潜在し、それがそれぞれの置かれた環境、状況立場でさまざまに異なって発揮され、その発揚の原因となる刺激は、人間の動物的な本能ともいえる欲望であり、その欲望を適切にコントロールするのがホモサピエンス(智恵ある主役の意味)たる人間ならこその理性である。
そのような人格を形成する要素は、自然の気候・風土や地理的環境条件、食事の仕方、住宅や家族関係といった居住環境、それに宗教の教義や、家庭・学校・社会生活を通じた生涯学習などによる全人格的教育にかかる。
人類の歴史、とりわけ人間の心の形成において、ユダヤ人(元来はメソポタミア地方の遊牧民でヘブライ人。その特異な思考や生活態様から誤解されて排斥を受け、それからの脱出のため、自由な大地を求めて世界を流浪し、幾多の苦難を経て現在のイスラエルに安住の地を得た民族集団で、現代でも本国のイスラエル国内より多いユダヤ人が世界に散在して帰化・永住しており、国内外総計で約1,500万人が存在し、ユダヤ教を信奉し、金融・証券、情報通信、エネルギー資源、各種相場市場、ダイアモンドや金などの貴金属、法律などの事業を主体に財を成した者が多く、現在、アメリカを筆頭に各国の経済の実質主導的存在であり、密かに世界支配を目論み、世界の富の約40%は彼らが握っているとされる)の存在は良き・悪きにつけて大きく、近代だけでも、共産・社会主義の主唱者マルクス、心理学のフロイト、科学者・思想家のアインシュタイン、ロスチャイルドやロックフエラーなどの財閥を輩出し、歴史の転換期には、必ず大きな存在感を示してきた。
ユダヤ人のモーゼは、偉大な8聖人の中で最も早い時期の紀元前1200~1100年頃の英傑で、有名な「モーゼの十戒」などでユダヤ教の経典と思想体系を纏め上げ、それで民衆を統率した。その後になって、そのユダヤ教(旧約聖書)」から分派して、キリスト教(新約聖書、イエス・キリスト)、イスラム教(コーラン、ムハンマド)が生まれたのだから、モーゼこそが世界の宗教思想を先導した先駆者、精神文明の始祖といえよう。
彼の思想を代表するものとしては、人間の心の規範、神との契約として説いた「十戒」がある。そのうち1~4項までは神との契約(約束事)、神と人間との関係について、5~10項には、人間の正しい生き方、隣人との接し方など、実際的な留意事項が述べられているが、要は「神を信じて愛すること、そうすれば自分も神から愛され、救われる。故に自分を愛するように、他者や隣人を愛せよ」ということであり、現代の感覚では、実に当たり前のようなことを言っているが、真理はいと単純明快、難しい理屈より平易な言葉の中にあり、「あたり前のことを、あたり前のように行えることが非凡である」と教えるものであり、それを思いながら、なかなか実践出来ない、人間の雑念や無限の欲望を抑制する禁欲と、戒律の厳守がこそが大切と説く。
キリスト教の開祖イエス・キリストは、こういったユダヤ教のモーゼが、自分自身が神としたものを少し改め、自分は神の使い、その教えを多くの悩める人々に伝える代弁者、神の言葉を預かっている「預言者」であるとしたのであり、超能力者や占い師の託宣の「預言」と混同してはならない。「自分が欲することを他者にも施せ」という博愛主義と社会奉仕を説く。
イスラム教の創始ムハンマドは、紀元600年代の人で、絶対全能の唯一神アッラーと、その預言者である自分(ムハンマド)を神の伝道者と認めて信じることを根本教義とし、偶像崇拝を禁止。キリスト教より教条主義的、自己犠牲的、禁欲的で、近年の欧米流物質文明や、商業至上主義、拝金主義を否定する。
いずれにしてもユダヤ教と、それから派生・分派したキリスト教、イスラム教の3宗教は源が同じで、呼称はヤハウエ、ヤホバ、アッラーなどと異なっても、同じ唯一神を崇拝している。ただユダヤ教は、あまりにも熱烈に唯一神を信仰するあまり、近代になって創始者の理念を極端に解釈し、他の神の存在や、他の宗教を一切認めようとしない頑固さと排他性、自分たちこそが神との約束で選べれた優越民族、世界の支配者、イスラエルは、その国名の由来が「神の支配する土地」を意味するというよう、やや傲慢なっところがあり、その意識が特に強いユダヤ人は、本来の知能水準の高さや、苦難に耐えて生き抜いてきた逞しさとしぶとさ、商売の抜け目なさなどから、世界から誤解を受け、警戒され敬遠されがちである。主に西欧地区や西欧系民族、アフリカ、東南アジアと幅広さ地域で信仰されるユダヤ、キリスト、イスラムの3宗教は、人間の性悪説に立ち、だから神に許しを乞う懺悔をし、他者への親切や奉仕、施しをすれば、来世には天国へ行けると説くものである。
釈迦牟尼(仏陀…梵語で悟りを得た知者の意味)を開祖とする仏教は、紀元前5世紀頃に、インドで発祥し、ヒンズー教なども交えて、現中国、北朝鮮、韓国、日本など主として東アジア地域に広く伝播し、その後の孔子の儒教、老子の道教などの思想にも、東洋人の心の形成や生活態様にも多大な影響を与えた。釈迦は、名門の出自という地位を捨て、自ら厳しい修行をして悟りを得て、苦悩する民を救おうとし、人間の性善説に立ち、因果応報を説き、信仰心と善行があれば、誰でも現世の幸が得られるとし、過剰な欲望や殺生を戒め、徳を積むことを奨励、寛容と慈悲を重視する平和主義、自然界との共生・共存の重視する「道法自然」を旨とする。
国民の意思統一の精神的支柱として仏教を導入した聖徳太子も、これに沿った心で大和国家の統治をしたといえよう。日本は国有の在来宗教「神道」に、仏教、道教、儒教、更に近世になってキリスト教など種々の宗教や思想を巧みに混淆して採り入れ、自己修養や自然との調和、節制、禁欲など、和と精神生活の重要性を尊ぶ。
西洋哲学の祖とされるソクラテスは、建前の理論観でなく、人間の理性による自律性の重要性を説き、無知を恥と戒め、各自なりの意思を持てと協調した。

(5)総括…新時代に望まれる「物心一如」の世界

以上を総括すると人類の歴史で精神文明は、三大宗教の全てが概してアジアの南部地方(但し常夏の熱帯地域ではない)メソポタミアやインドであったように、自然豊かだが、四季の気象変化や朝晩の寒暖差が激しい地域から生まれたといえ、それ故に人間の力では対抗しきれない自然現象の力の偉大さと生態系のメカニズムの素晴らしさ、その恵みの有難さに畏敬と感謝の念を抱き、その摂理に謙虚に従い、厳しい自然環境や、四季の変化、朝晩の気温差に柔軟に順応して生きる鷹揚さや、共生・共栄を図ろうとする、安定・安住志向や互助などという心と智恵が育まれた。
一方、近代の西洋を主体とした物質文明は、概して、自然環境が厳しく相対的に恵み少ないということから、常に豊饒の土地を求めて止まず広域を遊牧する移動型の生活態様や、より豊かな狩猟地に武力で進攻するという、進取の気性には富むが闘争・競争的でもあるが、必要は発明の母であり、必然的に優れた智恵と技能を育んだ。Culture(文化)の語源が、「耕された自然」である所為もここにある。
徳川家康が理念と社会制度の基礎を築き上げた江戸時代以降の日本が、この南の精神文明と北の物質文明の双方の長所を「西洋の才、東洋の魂」として最も巧みに融合させ体現した国であったといえ、それは今後の新しい世界の探求の場合にも通じるものであろう。近年、日本人より欧米人の方がこれに気づき関心を持っている。

著者プロフィール

経済評論家・ビジネスドクター 芦屋 暁(あしや さとる)

幼少期の貧苦体験から「十分な教養があれば民族も国家も企業も個人も安泰」との信念を抱き、一生涯を人間能力の開発と日本経済・産業の発展に捧げる1本の杭になろうと決意し、都市銀行勤務を中退してフリーの経済評論家・経営コンサルタントの道に転身、大学の教鞭やマスコミ出演を経つつ、過去通算で全国約3千市町村を講演歴訪した実績を持ち現在に至る。庶民派で皮膚感覚の簡明率直な解説がモットー。

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