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歴史的転機に立つ世界と日本

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公開日付:2013.10.04

「歴史は繰り返す」といわれるが、それは常に同じレベルでの、同じような状況の繰り返しということでなく、万物は常に止まることなく流転し、まるで一つの法則性があるかのように思える似たような要因や状況を、螺旋状に繰り返しつつも、漸進的に変化し続けるということである。
しかしその流れをもう少し注意深く分析すると、短期間での観察では、永久不変のように思える現象であっても、長期間での観察では、また違った現象の変化に気づかされ、十年一昔、それが百年、千年、万年ともなると、つくづく大きく様変わりしたものだと後になって感じさせられることが多い。
その間で、螺旋状の変化にも上方志向と下方志向があり、世の中の進歩もあれば停滞や退歩の時期もあり、それに左右・上下・浮沈の振幅や起伏の大・中・小や周期の長短、周期性の順調さや乱調を読み取ることもあり、概して漸進的変化であっても、時には画期的・劇的変化の時期もあり、まさに世の中諸行無常、人生には上り坂、下り坂、左右に折れ曲がるつづれ折り坂もあれば「まさか」という苦境の坂もあるということであり、故に、国政や経済運営、事業経営においても、常に周囲の環境や状況の変化に敏感に対処し得る情報収集と分析、客観的・多角的で冷静な状況判断力、変化に対する耐性と弾力性の余裕、機動性と柔軟性が重要ということであろうか。
このような観点から見ると、今、世界は、とりわけ日本は、大きな転機に立たされているといえる。
国政、経済運営、事業経営、人類の生活など、あらゆる面に大きな影響及ぼす周囲の環境の変化と、その周期を考察すると、先ずは、宇宙の運行、天体の回転軸の傾き、太陽の黒点出現や消滅などによる地球規模の地殻変動や、氷河期や間氷期などという気象状況の変化があるが、これは何万年から何億年といった超長期間の周期的変動であり、しかも考古学や地質学的な地質の分析、古典の記録、まだ文字がない時代の伝承などからの推測でしかなく、現代人の誰一人として実際に体験してきたことがないので、明確なことは不明である。
おそらく数百万年から何億年の単位と長期間で、規模も想像を絶するような大規模なもので、これで現代の地球という天体が生まれ、陸地が生じ、水棲動物が進化して2足直立歩行の人類が生まれ、その後幾度もの地殻大変動が繰り返されて、大海に水没した大陸もあれば、一つの大陸地の大分裂で現在の5大陸の原型が形成されたとされている。
従って現代のアフリカ大陸やアメリカ大陸、豪州、日本列島などをモザイクゲームのようにうまく組み合わせると、一魂の大陸になるのは、その証拠とされ、更にその後も幾多の小分裂や移動、隆起や沈下があって、現在のヒマラヤ山脈やヨーロッパアルプス、日本海溝などが形成されたと言われている。
だから本来は、現代とは異なり、世界は一つ、人類も同一種族であったのであり、それが世界各地に移転、分散して居住し、それぞれ各地域の環境に適応するように進化して、他民族が生じたといえるのである。
だから、地球危機に直面し、究極にまで追い詰められると、再び国家や民族が、その枠を超えて結束し、共生・共存を図ることも、人間の意識や幸福の価値観、国際社会の制度を改めさえすれば、決して不可能ではないし、単なる理想や夢でもなく、万物は分裂や結合を繰り返しながら次第に環境変化に適応するように進化し、共栄の途を辿り、それに反する行為を続けると、見えざる神の思し召しに導かれて、苦難、衰退、滅亡に向かうというのが大自然の摂理、国政や経済、経営の原理というものではなかろうか。
次に、人類の有史以来の環境変化の周期性を探求してみよう。
第1は「ミレニアム」、つまりほぼ1千年紀の周期説である。もちろん、このような長期波動の周期となれば、数十年や数百年の幅が生じるのも当然とご理解願いたい。
自然のあるがままに身を任せ、それに順応して生きてきた原始時代と異なり、漸次、人間の働きによる自然の障害の克服や、開発の智恵や技術が発達するにつれ、変化の要因も多様化し、それにつれ、環境変化の波動も激しく、周期も短縮化し、複雑化する傾向を辿りつつある。
この千年週期説の根拠要因として考えられることは、人間の意識や生活態様、社会の仕組みの変化である。
人間の知能の発達に伴う欲望の多様・高度化、すなわち動物的本能ともいうべき生存欲求から、安全・安心欲求、人並みに扱われたいとする平等・公平欲求、他者に優越し、認識・賞賛を求め対とする欲求、生活の向上を図る機会を求める欲求、人並みとか画一化だけでは満足せず、自分なりの独創的な生きざまや生き甲斐を求め、差別化を図ろうとする自己実現欲求へと欲求段階が高レベルに進化し、その意識や価値観の多様化によるものであり、これにより、支配と従属から、自主・自立、強制から自発・自律、孤独や家族単位から共同・協力生活、共生から優越・競争、信用より経済収益性重視などへと意識や生活態様、社会制度が変移してきた。
しかし、過剰なモア・アンド・モアの欲望の追求、物質文明の進歩の反面での精神文明の荒廃、公徳心の墜落、過当な競争社会の結果、これらに歪が生じ、生活疲労感も高まるに及んで、その反動から、今後は再び原点回帰で、財物的豊かさだけでなく、心の豊かさやゆとり、機械的大量生産や効率化より、希少価値や芸術性を重んじ、自然破壊による経済収益性の追求より、富の偏在の是正や、美しい自然の回復を図ろうとする「心のルネサンス」を求める傾向が高まるであろう。
第2の環境変化の波動は、400~600年周期の「人類文明の先導地域の移転であり、方位としては、インダス文明、メソポタミア文明、アフリカ文明といったように、概して地球の南部から発祥し、次第にエーゲ海文明、地中海文明へと西部に移転し、ローマやスペインなどの南欧州諸国がリードし、やがて西から北の西欧、北欧、旧ロシア帝国、北アメリカの繁栄時代となって20世紀を終え、21世紀になって東部の東アジア諸国の時代となって現代に至り、再び東南アジアからインドなどの南部に移行する傾向を示しつつある。
ちなみに、日本の大々的な行政の中心地移転である遷都も、ほぼ400年ごとに奈良、京都、東京へと移転し、早くも昨今、東京からの首都移転や、一極集中の是正、首都機能の分散論が燻り始めている。
この流れの一環として、西洋と東洋といった東西文明の興隆も、古代中国、西欧、元(現在のモンゴル)、北欧米といったように、ほぼこの周期で東西地域が交互に交代する歴史を辿ってきた。また、こういった過程で、その時代を主導する国は唯一国の独占的支配ではなく、漢民族の古代中国とモンゴル族の元、イランとイラク、スペインとポルトガル、イスラム教国とキリスト教・ユダヤ教国、イギリスとフランス、アメリカとロシア、アメリカと日本といったように、良きライバルの2カ国が併存し、共に刺激しあい競い合ってこそ発展してきたし、逆に、このリーダー国の協調がなく、対立が強くなると、両雄並び立たずの紛争が強まり、勢力が相殺減退され、どちらか一方が疲弊脱落し、勝ち残った方の国も、その時点から、一国独占の覇権の驕りからの内部腐敗や紛争、他諸国からの抵抗を受けるなどの弊害が生じ、その栄華の時期は永続せず、やがて衰退期を迎えるという歴史的事実が認められる。
こういった点からも、身勝手な超大国アメリカの日本叩きや褒め殺し戦略、中国や韓国の驕りと暴走、日本への対抗意識、現代日本の、健全な2大政党制度が育たずに崩壊し、安倍自民党の圧倒的支配と独裁色の強化、極端な富の偏在・貧富格差の増大などが好ましくなく、危険でさえあると警戒される所以がある。
第3は、100年周期説で、これは現代の経済学における景気波動の超長期周期としても立証されており、その要因は、人力、水力、木炭、石炭、電気、石油、核燃料へと移行したエネルギー革命であり、今後は深海底エネルギーと太陽熱など自然・無公害、無限のエネルギーの商業化活用が課題となる。
第4の環境変化の波は、40~60年周期説で、その要因は異常気象による天然災害の多発と農作物の不作、それに伴う諸物価の高騰、経済不振、戦争とされる。
経済を牽引する花形産業とそのヒット製品の寿命、それに対応するための技術革新も、40年周期とされている。
わが国の産業界をリードしてきた花形の歴史を回顧すると、繊維製品、それを輸出するための造船と船舶輸送、そのエネルギーとしての石炭、鉄鋼、機械産業、戦後になると経済復興のための土木・建設業、重化学工業、貿易の担い手である総合商社、高度成長期になると白もの家電、ピアノや家具などの大型耐久消費財、自動車、住宅産業、パソコンや携帯電話といった情報家電、電子工業、外食・テーマパークなどのサービス・娯楽産業、バブル崩壊後は証券化した金融派生サービス業、医療・福祉サービス業などのハードからソフト産業へと移行してきたといえ、それらヒット製品の形態や重量で見ると、トン型からキログラム型、グラム型、ナノグラム型、ゼログラム型の軽薄短小に変化してきたといえ、今後は、健康と高齢者介護ビジネスや語学や教養、心身及び智恵の福祉サービス産業などが脚光を浴びる。
発展が予想される産業としては、英語の頭文字で「AからI」まで、つまり、「A」は工業生産的屋内栽培の農業・漁業、「B」は美容と頭脳産業(brain)、「C」は環境保全・無公害のクリーンビジネス、「D」はDesire、すなわち健全な娯楽やスポーツ、家庭大工や造園(ガーデニング)、ペット飼育などの欲望(Desire)充足産業、「E」はエネルギーと教育産業(Education)、「F」はフード(食料)とファッション、証券投資などの金融サービス産業(Fainance)、「G」は、宗教(God)、貴金属(Gold)、「H」は、健康・福祉(Health)、心の癒し(Heart)など、「I」は、医療サービスと情報通信(Information)、教養(Intelligence)とインターネット・ビジネスであろう。
第5の変化は、30年で花形企業の寿命が峠を越え、別の産業や企業にとって替わるということであり、近年は世の中の激動と競争激化で、この寿命が短縮化している。
日本の企業には、この他にも、3年(ベンチャービジネスやNPO法人が脚光を浴びる期間、創業のエネルギーが燃え尽きる期間でもあり、この間に次ぎのヒットを出し続けなければ自然衰退・消滅する)、10年(創業オーナーの引退に伴う後継・世襲争いで内紛が起き易く、同族世襲が続くと経営の活力が衰え、社員の士気が低下する)。30年の節目は前記したので省略するが、この30年の節目を無難に乗り越えれば、安定的永続発展の可能性が強まる。100年の節目は、伝統ある長寿企業として磐石の経営といえるが、反面、古色蒼然の保守的経営で、ただ存在するのみで発展性なしという「老舗」が「死に店」ともなりかねないので、伝統の良い点は継承しつつも、新感覚の導入も忘れてはならない。日本は健全発展を続けている長寿企業が多い事で世界一、とりわけ業歴300年以上という超長寿企業が約1千社もある希有の存在であるが、その共通要件は、一言でいえば「和魂洋才」、その洋才も、アメリカ流の株主本位や私企業の効率、収益至上主義での亜流でなく、科学的合理性、和魂としては、芯となる本業に徹し、決して欲張って不得意な分野やマネーゲームには手を出さず、信用を重んじ、顧客サービス第一主義で、独自の特技や独占的製品を保有し、高品質・高付加価値志向、低価格商戦には参入せず、従業員を家族のように大切にし、社員の躾教育が厳しいということである。
第6に、わが国の風土が四季折々の変化に富むように、約15年ごとに(1)変化と混乱、(2)政治的安定と強力な指導力、(3)経済発展の関心、(4)消費熱と文化・娯楽志向という4つの社会的重要課題や関心事を抱え込み、都合60年で還暦を抑えて一巡し、再び混乱に戻るという循環を繰り返してきたが、その時期の課題解決に相応しい良きリーダーを得た時に、国家の発展を見てきたともいえる。
今世紀の地球規模の環境変化と激動の、これまでのような単なる周期的循環変動では見受けられなかった特徴と、待ったなしの大転換を迫られる重要課題は、(1)地球が内蔵する自然諸資源の供給力と人類の需要とのバランスが崩れ、その需要関係が「需要>供給」へと有史以来初めて逆転するようになり、エネルギーや食料など諸資源の枯渇化という難局に直面し、その獲得競争が激化すること、(2)技術革新と経済発展、物質文明進展の一方で、地球の乱開発、自然環境の荒廃・破壊が急速に進んで極限状態に達し、異常気象による地球の温暖化、海水面の上昇など、人類の快適な生活が脅かされるようになってきたこと、(3)人為的な所得再配分の不適切さもあり、富が一握りの優越者に極端に偏在し、地域経済格差・貧富格差が急速に増大し、その危険レベルに達しつつあること、(4)原子力の平和利用による核エネルギーへの関心が高まっているが、万一の事故発生の場合の完全な解決技術が未開発であり、その再検討と、代替新エネルギー開発熱が高まること、(5)核兵器・化学兵器も含めた軍事力拡大や、先進大国間の覇権争い、民族・宗教・イデオロギー対立からの戦争勃発の危機や局地戦が未だに払拭されないことと、この防止に対する国際的監視と抑止力が非力であること、(6)アメリカの威信低下に伴い、それにとって替わる、独善的でなく良識があり信頼される世界のポリス国やリーダー国が存在しなくなったこと、(7)人類の欲望や意識、価値観が多様・複雑化し、グローバル・スタンダードなど、一つの理念や施策では統御し難くなったこと、(8)モノ・カネ・ヒト・情報の自由化で国際交流が活発化し、ボーダーレスになって、どこかの国で起きた問題が、あっという間に世界中に伝播し影響を及ぼすようになったことと、その反面で、国境問題を巡る紛争やナショナリズムが再び台頭しつつあることなどである。
これらの複雑・多様な課題を解決することは、各国それぞれなりの事情もあるから至難で、一朝一夕には行かず、もちろん目先の小手先対応だけでは不可能であり、全世界・全人類の理解と協力、長期的な努力の継続が大切なことはいうまでもない。
しかし、過去にも幾多の国や地域文明の栄枯盛衰があったが、その歴史から学ぶと、いくつかの法則性があることに気づく。
その第1は、先に述べてきたような栄枯・盛衰の周期性があること、第2は、概して精神文明は世界の南・東部から、物質文明・機械文明は西・北部から発祥していること、南・北勢力の軍事戦争では、環境の厳しさから豊饒の地を求める切実さが強い北軍の方が勝利する確立が高いこと、第3は、厳しい環境や状況に追い込まれた時期に、それに発奮し、克服しようとすることで改善・向上のエネルギーと民族の結束が強まり興隆期を迎えている、まさに「逆境は進化へのチャンス」ということ、第4に、逆に、統制の限界を超えて巨大化や豊かになり過ぎ、ブレーキが効かなくなって暴走したり、勝利や財物の豊かさ、自由さや権力に奢り、精神が弛緩・墜落、社会秩序が荒廃したり、権力支配者の専横や、後継者争いを巡る内部分裂や抗争が起きることで、衰退・滅亡のの途を辿っていること、第5は、暴力やクーデターで得た地位や栄華は、いずれ暴力やクーデターで覆されるということ、第6は、額に汗をかかない不労所得、濡れ手に粟の投機や投資でのぼろ儲けの味をしめた急成金が、終生、安泰で繁栄し続けたという例はないこと、第7に、一度栄華の首座から落ちて衰退の途を辿った国や文明が、再び興隆し、首座に帰り咲いたことがないということである。
以上を総括すると、世界が抱える問題と全く同じよう問題を日本は抱えており、まさに日本は世界の縮図ともいうべき国であり、従ってその将来に向けての国家運営や経済政策の理念や方針、行動態様が、世界から関心を持たれ、良き手本にも、失敗の教訓ともなろう。また自然との調和や、心のゆとりの時代となれば、伝統的な日本的行動規範や文化が、世界のモデルとなろう。
もはや地球の安全や世界の繁栄を、特定優越国のエゴな政治・経済・軍事力で牽引、支配、保障し得るような時代ではなく、各国それぞれなりの努力だけで地球環境の改善、世界の平和と安定が確保できるような状況でもない。
今こそ全世界の全人類が、その深刻化する状況を正しく理解し、これまでの考え方や手法に固執することなく、世界的視野に立って協力・協調し、新しい時代の新しいあるべき姿を探求し、自然とも全世界とも、共生・共存・共栄を図ること。
全ての改革は、制度を形式的に改めるだけでなく、教育を通じた人間能力の向上と根本的な意識の刷新、民衆の理解と支持と協力なしでは達成できない。

著者プロフィール

経済評論家・ビジネスドクター 芦屋 暁(あしや さとる)

幼少期の貧苦体験から「十分な教養があれば民族も国家も企業も個人も安泰」との信念を抱き、一生涯を人間能力の開発と日本経済・産業の発展に捧げる1本の杭になろうと決意し、都市銀行勤務を中退してフリーの経済評論家・経営コンサルタントの道に転身、大学の教鞭やマスコミ出演を経つつ、過去通算で全国約3千市町村を講演歴訪した実績を持ち現在に至る。庶民派で皮膚感覚の簡明率直な解説がモットー。

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