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希求される「真ともな日本再興の本物リーダー」出現

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公開日付:2013.02.22

国民的行事のように定着した恒例のNHKテレビ「紅白歌合戦」が、昨年末も「歌で会いたい」をテーマとして放映された。
しかし視聴率重視で延命を図ろうとしているためか、本来の、当該年の世相を反映しているがゆえに民衆の支持を得てヒットした曲や、最も活躍した歌手を回顧しつつ披露するといった番組の趣旨から、年々、趣向を凝らした豪華な舞台装置やショーアップで、紅(女)白(男)の対抗に拘り、まるで民放の低俗な芸能番組のようになりつつあることは、ちょっと残念であった。
そんな、派手な衣装と、いずれも似たような振り付けの集団踊りで勝敗を競い合う出演歌手(Junk Entertainer)が主体の中で、一際耳を傾けさせたのは、やはりじっくりと唄そのものを聞かせるベテラン演歌歌手の熱唱であり、とりわけ筆者が関心をもって視聴し、最も心を打たれて、強い印象が残ったのは、他の煌びやかな出演歌手とは全く異なって、華麗な衣装も舞台背景も照明も、オーバーなアクションもなく、地味なモノトーンの衣装と一本の控えめなスポットライトだけでありながら、しんみりと真情を込めて歌って視聴者を魅了した、歴代最高齢出演歌手の記録を更新し、芸歴60余年にしてNHK紅白初出演という美輪明宏の「ヨイトマケの唄」であった。
このことは決して筆者だけの個人的な感想ではなく、おそらく多くの視聴者の受け止め方ではなかったろうか。
事実、この放映結果の反応は、出演歌手ごとの視聴率調査(ビデオリサーチ/関東地区)においてもトップの視聴率を獲得し、好感のコメントが多数放送局に寄せられたとも聞く。
その理由を考えてみると、これまでの過剰な演出や虚構の偶像、派手な衣装やアクションだけを売り物にし、特に若手シンガーの多くが、基本の歌唱力や演技の訓練もそこそこに、ただ可愛いっ子ぶりやセクシーさを大量押し付け売りしてきたことに、視聴者が見飽き、物足りなさを感じ出したことにあり、この傾向は歌謡ショーのみならず、政治や企業活動、消費生活などあらゆる面でも、虚飾を取り去ったシンプルながら、真ともな本物の価値や実力を求めるようになってきた社会潮流の証であるといえよう。
「歌は世につれ、世は歌につれ」といわれるように、例えば、世相が好景気で沸き立つ時期には、「365歩のマーチ」、「真っ赤な太陽」などといったアップテンポな明るい歌曲が流行り、逆に昭和初期の世界大恐慌期や戦後の石油ショックの折のように不況で人心が萎えている時には、「もしも月給が上がったら」とか、「北の宿から」、「昭和枯れすすき」などといった退廃的な歌詞や、恨み節とか人生の応援歌と言われる演歌が流行るといったように、やはり歌は、世相や民衆の心情を反映し、その支持や共感が得られてこそうけるものといえよう。
筆者がいう「真面(まとも)な本もの」とは、「(1)物事の真理に基づいた言動、(2)どんな苦難や非難を受けても、またその時点では評価されず人気を得なくて、自己の確たる信念で正論を吐き、正道を踏み外さず、ぶれないこと、(3)真実と真正面から向き合い、宿命に逃げずに対処する姿勢、(4)ありのままの自分を素直にさりげなく表現して気取りがなく、身の丈にあったことを、あるがままに振る舞い、自己顕示欲や虚構、虚飾がないこと、(5)順調な時よりも、逆境や危機に直面した時にこそ、真価が発揮できる者」のことをいい、単に、一流の大学出身だから、有名な師について学んだから、出自がいいから、恵まれた環境にあってエリートコースを歩んできたから「まともな有能者」、芸歴が長いから、美声で歌唱力があるから、演技力が巧みだからなどといった表層的・外観的なことで「本物の歌手」といったものでもなく、それは浅学非才の筆者には到底及びもつかない、高次元な目標とすべき境地である。
例えば、松下電器産業(現パナソニック)の創業者で、一代で世界の家電の雄ナショナルを築き上げたことで経営の神様と称された松下幸之助氏は、小生のような若輩者が実際にお目にかかっても、実に謙虚で尊大なところも飾り気もなく、淡々と実体験のあるがままを関西弁で話され、「自分は特別なことはしていない。他社が好況に奢り突っ走っている時もマイペースを守り、逆に皆が不況に喘いで停滞している時も、同じペースでじっくり進んでいるから、周囲が不況に強いと勝手に言って目立つだけだ。商売は目先の利益に捉われず、お客さまの立場に立って、長い目で見て、損して元取れの深い算盤をはじき、正道を根気強く歩むことに尽きる」と教わったものだが、このことは大相撲の名横綱大鵬や、世界のホームラン王となった王選手にお目にかかった時にも、同じようなことを感じたものである。
美輪明宏も、決して生まれながらの天才でも、幼少時から恵まれた環境下で育ち、音楽界のエリートコースを順調につき進んだものではなく、むしろ逆で、その生い立ちや、当時としては世間の理解もないマイナーなジェンダーの特異性から、苛められたり、いろいろな職業を体験するなど、散々苦労をしてきた人であり、努力家でもあった。
しかし、その逆境や苦難にめげず、卑下していじけたり、妬んだり、虚勢を張ってそれを隠そうともせず、むしろ堂々と、自分のありのままの思いや姿を、ありのままに素直に表現し、そういった自分の特異性を前向きに活かし、豊富な体験を通じて自学自習し、歌唱、作詞、演劇、演出、執筆、人生相談など多くの分野で自分なりの新境地を切り拓き、築き上げて、社会的活動などにも積極的に貢献してきたのだが、そういった彼の人間としての生き様や内面的な実力が、多くの人の心に伝わり、共感と支持を獲得し続けられたのであろう。
それがゆえに彼は今回の紅白出演においても、マスコミの要請や時流にも迎合せず、自分の信念を貫き通し、NHK紅白歌合戦の原点に立ち帰れとばかりに、現代の世相や民衆の心情を鋭敏に捉えた曲目を選び、演出を考え、案の定、聴衆の心を捉えて魅了し、好評を得るという結果を得たのである。
彼は、その表層的な特異な容姿や率直な言動、神秘的な私生活などから、正鵠を得ながらも、世間から誤解を受けがちな面があるが、その真底には、実学で培われ、実績で裏打ちされた、優れた教養と賢明さを秘めており、彼こそ大衆のニーズに応え得る本当のエンターテイナー、立派なタレント(有能者)であり、それを見抜いて出演を認容したNHK・TVの英断も立派であったと評したいし、そういった点こそ、筆者が「真ともな本もの」と認めるところである。
地球の自然環境が大きく様変わりし、全世界的に、近代物質文明の急速な発展の反面で、精神文明の荒廃が危惧されるなど、その副作用的な弊害が顕著になり、激動の末の混迷で閉塞状態にあり、各国ともに政治、軍事、外交、経済、産業活動、個々人の生活態様や、幸福追求の理念や価値観など、あらゆる面での根本的な見直しと変革が要求されるようになった今こそ、改めて「真とも」で「本もの」の人類の幸福や世界の平和とは何かを真剣に考究する好機であり、転機に模すべきであろう。
先ず、本物の政治や政治家とは、政治の「政」の字源が「正+武具を象徴する鞭、権威による統制」を意味し、「治」の字源が「大切なものを台の上において清めること」を意味するものであるから、「人間の幸福の実現や、その共同社会である国家や地域社会の正義を貫き、正道を歩み、快適な生活環境を整えるために、それを踏み外すことがないように、万民から推挙され支持を受けた政治家や官僚などといったエリート(有能な指導者、徳性・知性・品性を有する高貴な人、選良というのがその真意)が、率先垂範して巧みに良導するために、将来を深慮遠望した(1)ビジョンや方針を明示し、(2)目的や目標を明確に設定し、(3)その実現のために必要な具体的な方策を立案・計画し、(4)それを実行せしめるために、民衆の意思や行動をある程度に統制・監督・良導する、権力という鞭を必要に応じて適度に発動し、(5)その結果を確認し、評価と反省をしながら、(6)不適当な点があれば、それを調整したり、修正したり、改め、(7)人民の生活の安定と安心の向上を保証し、(8)世の中の平穏と安泰を図り、(9)民意をうまく纏め上げて「治め」、(10)国家や地域社会、ひいては国際社会や世界全体、全人類の発展・繁栄に、協調して寄与することをめざす管理的な行動」のことであり、特定の人や分野の利得や繁栄だけでなく、最大多数者の最大幸福の実現こそが、好ましい政治の原点、真の目的であり、彼らのその名誉や富は、この努力や貢献に対する報償というべきものであって、経済の発展や産業の振興、科学技術や医療の進歩などは、この目的達成のための手段でしかないと考えるべきで、これを本末転倒してはならないのである。
英語で政治を意味する「Politics」の語源には「思慮分別ある行為」、「Goverment」の語源にも「上手な舵取り、抑制すること」といったように、これと同じような意味が込められている。
次に、真ともな経済活動や本ものの事業経営管理とは、「経済」の「経」の真意が、「遵守すべき一定の道徳・倫理の枠」、「物事の正しい筋道を通し、社会生活の秩序を尊重し維持すること」であるから、富を得るためには手段を選ばずといった姿勢、ましてや違法や暴挙、過欲や過当な競争は慎むべきことと示唆するものである。
従ってモノ・カネ・ヒトなど、あらゆる要素の「需要と供給の均衡を図ること」と、これらの有効な活用、質の向上こそが、その安定と発展の原点といえる。
「済」は、モノやカネの取引の決済をきちんとつけ、借りたお金は約束どおりに確実に返済し、金銭の出入りは公明に記録して処理し、収める義務がある税金は公正に納め、売買取引や労働の対価は適正に支払うことが必要なことは当然であり、それを円滑にするための仲介サービス機能が金融である。
従って、その媒体としてのお金を、まるでモノのように扱い、不適正な高利で売買したり、人為的な相場操作で利鞘稼ぎの材料にしたり、投機的手段とするような過度なマネーゲームなどは、経済の安定を阻害し、世の中を混乱させる要因ともなるので、その原理を逸脱した非道徳的な不当な行為であり、永続するはずがなく、必ず行き詰まる時が来るであろうし、一部の者は勝ち誇っても、その一方で、それ以上の不幸に陥れられる多くの国や者も生じるので、本来のキリスト教社会では、好ましくない賎しい行為として、戒められてきたことでもある。
「営」は、事業経営に必要なモノ・カネ・ヒトなどといった諸要素を、上手に扱い、有効活用して、首尾よく適正な成果を得ること。
「管理」の真意も、「管」は「物事の正しい筋道」を意味し、「理」が「原理・原則に則ってムダ・ムリ・ムラなく合理的に処理すること」を意味する。
従って昔から、「道徳的に正しいことは、正しい報いを受け、非道徳な行為は永続しない」といわれてきたのである。
英語の「(Management=手)」も、「あらゆる手法を用いて、物事を上手に処理すること」といった同じような意味があり、やはり真理は一つということであろうか。
本世紀になって、これまでの世界を主導してきた欧米流の近代自由資本主義や金融経済、拝金・商業至上主義の行き過ぎに綻びが生じ、種々の問題が露呈して行き詰まり、競争の激化で、勝ち組と負け組に二極分化され、貧富格差が増大し、マジョリティーを占めていた中間所得層が減少、物質文明の急速な発展や科学技術の目覚しい進歩の反面で、精神文明の荒廃や地球自然環境の破壊、異常気象や天災の増発などといった弊害も招くようになり、その修正と改革が求められるようになったが、これらはまるで、「過剰な欲望の過積載で、猛スピードを出して突っ走ってきたトラックが、暴走してハンドルをきりそこね、脱線転覆事故を起こした」ようである。
こういった現象の全の真因は、自然界の摂理や道理に反し、虚構の繁栄や財物的豊かさに溺れて、物事の真理や真ともさの域を逸脱し、その原点や本物志向を忘却したからであったといっても決して過言ではなかろうが、未だにその愚かさに気づかず、非を認めず、依然として小手先の対症療法で、この難局を回避し、既得権益を保持しようと悪足掻きしている向きもある。
今次の世界的、いや地球的、全人類的な危機は、こんな小手先のごまかし策では乗り越えられず、一時的な小康は得ても、いずれまた、より深刻な破局を迎えることとなるので、今こそ、人間の幸福実現への意識と価値観や、政治、軍事、経済、産業、教育など、あらゆる分野の抜本的な改革に取り組むべき転機であり、好機でもある。
確かに、アメリカの亜流の経済政策と、その威を借りた勇ましい外交姿勢を示して、一時的なアナウンス効果であろうが、株高、円安誘導に成功し、景気回復への期待を国民に抱かせ、財界筋の人気を取り戻したかのようなアベノミクスだが、狡猾で利己的な外資系大口の投資機関は、虎視眈々と売り逃げぼろ儲けの機会を狙っており、もし増税と物価の上昇だけが先行し、実体経済の好況回復、中小企業の業績改善、国内の生産的な企業設備投資の拡大、賃上げ、庶民所得の向上、雇用の改善、消費意欲の積極化といったことへの結びつきや、頭寒足熱への構造改革などで、実体経済の改善効果が実感されないとなると、それを対中緊張の外交に国民の目を向けさせて誤魔化そうとしても、口先と小手先の対症療法によるバブル的経済的復調の化けの皮が剥がれれば、莫大な借金だけが膨んで残されたといったことにもなりかねない、大いなる賭けの危険性も多分に秘めている。
当面の緊急対策として、先ず国民に聊かでも明るい希望を抱かせ、元気づけようとした意図と努力は認めるが、それだけで終われば、これまで述べてきた「真ともで本ものの将来の世界と日本の再構築」といった面からは疑問が多く、その実力と真価の評価は、今後の本格的な長期的日本再興隆計画の打ち出しと、実践遂行を注意深く見守る必要があろう。
目先の功や人気に捉われず、国民は、奇をてらわず、誠実にじっくりと腰を入れた、根本的な構造改革や、自主独立国としての「まともな日本再建」に取り組む、本物の実力があるリーダーの出現を待ち望んでいるのだ。

著者プロフィール

経済評論家・ビジネスドクター 芦屋 暁(あしや さとる)

幼少期の貧苦体験から「十分な教養があれば民族も国家も企業も個人も安泰」との信念を抱き、一生涯を人間能力の開発と日本経済・産業の発展に捧げる1本の杭になろうと決意し、都市銀行勤務を中退してフリーの経済評論家・経営コンサルタントの道に転身、大学の教鞭やマスコミ出演を経つつ、過去通算で全国約3千市町村を講演歴訪した実績を持ち現在に至る。庶民派で皮膚感覚の簡明率直な解説がモットー。

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