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世界新時代への船出の年

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公開日付:2013.01.11

新年明けましておめでとうございます。
今年こそは日本再興隆の契機となる良い年になることを祈念しつつ、本年も引き続き、権力や人気取りに迎合しない一匹狼として、真理に基づく是々非々の直言を発してまいりますので、よろしくお引き立て、ご愛読ください。

この新年稿の執筆は、民主党野田政権の解散に伴う第46回衆議院議員総選挙が、終盤の追い込みから、投票日を迎え、予想されていた以上の大差での自民党の圧勝、民主党の壊滅的敗北といった開票速報を片耳に入れながらの、もちろんまだその確定結果も、後継新内閣の首相も、各閣僚の顔ぶれも解らないという予測が本当に難しいデリケートな時期に締切日を迎えることとなった。
とはいえ、乱立割拠した各党の選挙向けのPRでは、いずれも耳障りの良い公約を並べ立てているが、政権が変わり誰が首相になろうとも、世界の情勢も国内の事情も直ぐに好転するものではなく、難題山積なので、表層的なスローガンやシステムの変更や、一時的なご祝儀相場の株高などはあっても、そう短期間で簡単に根本的な改革の良い 成果が望めるものではなかろう。
むしろ、多分にマスコミの煽動的報道に乗せられた軽薄な民衆の、人気投票のような選択、バンドワゴンにつき従う興味本位の野次馬的行動、勝ち馬に乗ろうとする無定見さなどから、前回選挙では永年の失政を非難され大敗した自民党が、再び独占的大勝をし過ぎそうなことや、国民の政治不信からの投票率の低さが心配であり、このようなフアッショ的両極端な揺動は、いずれまた必ず、大きな揺れ戻しがあるものだから、目先の細密な予測より、大局的見地からの時代の底流の趨勢だけは見誤らないことを念頭において、本年の経済・世相の見通しを述べることとしよう。

1 干支吟味による経済・世相見通し…将来に備えた田づくりと種子蒔きの年

先ず、恒例の自然哲学的アプローチの「干支吟味」からの見通しとしては、暦では「癸・巳(みずのと・へび、き・み)、五黄土星の年」であり、古代マヤ文明の暦では地球の終末期(?)となっており、明治元年以来で満145年経過ということになる。

癸…十干の最後であるこの字源は、三本の刃先を備えた武具の鉾が交差している様の象形文字で、字義は、双方の対立と拮抗、立ちすくみ状態、支配者への反抗、不満が頂点に達し爆発寸前で、種々対策を謀るも、直ぐに有効な手立てが見出せない混迷状態を意味し、一揆や反発に通じる。韓国大統領選挙の途中速報でも、両候補が鍔競り合い拮抗状態と伝えられるが、国民の政治への関心の強さと投票率の高さは、日本と大きく異なる点である。

巳…巳は十二支の第6番目、方位は南南東、時刻は午前10時頃。「巳」は「己(初め)」や「已(すでに止む)」と類似するが、字源や字義は全く異なるので要注意である。この字源は、精霊を象徴する蛇の姿と考えがちだが、その習性とは全く関係なく、「まだ固い殻を被った種子から、ちょっぴり尻尾状の根が伸び出しはじめた様に形どる」と解釈するのが正しい。
やがてこの固い殻が割れて地上に新芽が吹き出しはじめると「己(紀、初め)」となり、その茎が伸び終わって衰退すると「已(既に止む)」となるのだ。字義は、「神様を崇め祀り、地上に止めて、五穀豊穣を願う」を意味することから「祀り」に通じ、自然の摂理や真理に謙虚に従う重要性を示唆する。

よってこの両文字を組み合わせた干支(幹と枝の意味)から総括吟味した本年の経済世相は、過去の歴史的出来事を振り返って見ても、「重大事件や動乱の新たな発生は比較的に少ないが、環境激変後の余震や後遺症がまだ残存し、その後始末に追われて苦慮し、こういった膿を出し切るような清算・整理を済まさないと問題解消の見通しがつけ難い状態」にあるといえる。それを「目先の奇を衒って小手先の対応や下手な治療で誤魔かし、将来への進路を踏み間違えると、かえって副作用で悩み、病状が悪化するように、問題がこじれて更に深刻化し、二進も三進も行かなくなる 危険性を孕む」こととなるので、慎重な正しい判断が要求される「万変を処するに一敬を主とせよ」の年といえよう。
これまで対立してきた両勢力や、イデオロギー、価値観、手法など、あらゆるものごとがぶつかり合い、打つべき手に行き詰まって動きがつかず立ちすくむが、その有効な打開策が未だ見出せず、互いにその脱出策や次の一手を探り合っている混迷状態が続く。また「これまでの時流が頓挫して行き場を見失い、一つの時代が終焉を迎えたことを示すと同時に、新しい時代への大転換への過渡期」ともいえる。
60年周期前の癸巳の年(1953年、昭和28年)の主要事項としては、野党の質問に対して首相が馬鹿野郎と暴言を吐いたことで第4次吉田茂内閣が解散に追い込まれ、中国・ソ連からの引き上げが始まり、占領軍が警察保安隊の強化を図り、日本の共産化を警戒して逆に防共の盾にする方針に転換、経済復興支援を積極化、ソ連ではスターリンが死去、軍需関連株を中心株式市場が大暴落などがあり、敗戦後の混乱処理に一応の目安がつき、平和な自由主義経済国家としての新生日本の復興の針路と姿が形づけられる年ともなった。
これらを総括すると、日本再興隆に向けての適切な今後の針路設定と、その未来像が明示されない限り、残念ながら今年も、目標が見定まらない混乱と混迷から、戸惑い逡巡し、不安と緊張感が払拭し切れない八方塞がりで臥薪嘗胆が要求されよう。したがって新政権の英断と活躍に、国民の期待と国家の命運がかかる。

2 世界情勢…二大国の対立激化、内向くアメリカ、孤立無援の日本

本年は、地球の自然環境の荒廃と、その影響からの異常気象、世界の経済や軍事の秩序混乱が極限に達し、もう待ったなしで、世界が一致協力してその再構築の道を探求し、それに向かう助走の足場固めをすることが課題となる。
幸いというべきか、昨年末から今年初にかけて、アメリカ、ロシア、中国、日本、韓国など、世界的影響力がある国家の元首交代があり、いよいよその体制を整える好機を迎えることとなったので、各国のエゴを慎みつつ、人類の良識が試される年とすべきであろう。
しかし誠に残念ながら、ノブレス・オブリージュ(優越的で指導的立場にある者に要求される高尚な倫理観と良識、理性や品格)をもって行動し、協調して世界を主導すべき2大国米・中の対立は、最近のTPPやCOPの交渉を見ても解るように、中華思想(中国こそが世界の中心・主導国)による世界覇権を目指して攻める中国、既得権益と地位を死守しようとするアメリカといった構図で、先鋭・深刻化する傾向にあること、世界をグローバル・スタンダードで支配してきた行過ぎたアメリカ流の資本主義・マネー経済の歪が顕著になり、その修正が求められるようになって、威信と影響力が低下したこと、中国も、一国二制度の矛盾露呈や習近平体制の権力構造の不安定さ、世界覇権の野望と軍事力強化への近隣諸国の反発などといった問題を抱え、バブル経済の崩落、内乱勃発の危険性が高まりつつあること、ロシアのルック・イースト政策への転換、北朝鮮の核武装化の可能性、日・中・韓の離島の領有権を巡る紛争などで、東アジアの不安定化が逆に高まっていること、相対的な東南アジア諸国の台頭が見られること、世界的な地域別貧富格差の増大が危惧されること、地球が内蔵する天然資源の枯渇化と需給の逼迫から、海洋や宇宙も含めた資源獲得競争が一層激化すること、国際貿易・ビジネス競争が一段と厳しさを増すことなどから、今年も混迷が続き、不安定感は除去されず、新しい世界秩序再構築に関心が高まる傾向にはあるが、それより前に、各国の自国保護の内政重視政策の方が優先され、内向くアメリカ、横暴さを増す中国、孤立無援で苦境に立つ日本となり、まだその具体化までには到らないものと予想する。

3 国内政治と経済の展望…激震後の揺れ戻しに要注意

今回の総選挙は、その前からの大マスコミの、まるで各社間の申し合わせがあったかのような野田政権潰し、安倍ノミックス礼賛のキャンペーン報道展開で世論形成がなされ、それに煽られやすい民衆が乗せられ、騙されて、戦う前からもう既に決着がついていたかのような嫌いがあり、煽動したマスコミと勝ち馬に乗ろうとする無定見な民衆の双方の姿勢に疑問が残る。やはり「国家は、その国民の選択・判断能力レベル以上の良い政権を持ち得ない」という名言を改めて痛感させられるものとなった。
自民党の安倍党首は、自民党は生まれ変わり、もう過去の自民党ではないと言い、早速に経済再建優先策で、物価上昇目標を2%と定めた人為的なインフレ誘導、デフレ脱却、10兆円の大幅補正予算、それを10兆円の追加金融緩和政策の実施で賄えるように日銀に協力を要請し、その上で消費税の増税をするといったアベノミックスを表明し、その結果、たちまち株価上昇、円安に転じたと自画自賛するが、それなら自分が以前に総理であった時点で、なぜそれを自信を持って実施しなかったのか。
これらは言うは易く行なうは難儀しであり、その裏づけと具現化と有効性が疑わしく、反作用のリスクも、その恩恵に預かれず見捨てられて犠牲にされる者もあり、負担を押し付けられる家計への手当ては別途考えるというだけで明示されず、結局は対米迎合、財界や富裕層志向の旧自民党の政策への回帰と受け取られても、また過去の、実体経済の裏づけなき虚構の繁栄を煽り、挙句にその反動の長期デフレ大不況招来で、20年間余も国民を苦しめ続け、資産を減価・消失させた自民党当時のバブル経済とその破綻の悪夢再現でしかなく、その責任を強く感じ、反省に立ったものとは到底思えないと言われても仕方がなかろう。
大勝に奢って傲慢・強引になると、勝ち過ぎたことの弊害が生じ、マッチ・ポンプを通例とするマスコミの、掌を返したようなあら捜しも厳しくなろうし、国際・国内事情が不安定で複雑なこの時期に、憲法の大幅改正や軍事力の強化を全面に打ち出したことも、貧富格差の是正や、マネーゲームに走り、国内実体経済強化への投資、雇用の創出には注力しない身勝手な大企業や富裕層への増税、生活必需品への消費税非課税化などには触れようともしない感覚は納得しかねる。
金融の緩和政策は、既に長期的ゼロ金利政策が採られてきたこともあって、打つべき手は限られ、間接的・心理的なアナウンスメント効果は期待できても、大量に市場に放出される資金の使途が、従来のように海外投資やマネーゲームに投入され、国内実体経済の発展に役立つ再生産的投資に向けられなかったというような愚を繰り返さないようにチェックを厳格にしないと、その分配の末端への浸透の有効性は薄れる。
民衆が選挙熱から覚めて冷静さを取り戻し、こういったまやかし政策の問題に気づき不満が高まれば、いずれ近々に必ずその反動の揺れ戻しがあり、下手をすれば民衆一揆が起こることさえ危惧される。
狡猾な外資系ヘッジフアンドは、この政権交代に揺さぶりをかける日本褒め殺し戦略で、売買差益稼ぎ、食い逃げ大儲けのチャンスを虎視眈々と狙っているのである。
そうなれば、マネー経済とマスコミ操作による一時的な安倍人気も、目先の景気回復策も、たちまち泡沫に帰し、混乱が更に増幅するので、再び期待はずれにもなりかねない。
新しい国政のリーダーには、将来の世界と日本を遠望した確たる政治哲学と理念、国家ビジョンと具体策の提示で国民に夢と安心感を与え、それを実現し得る卓越した信頼と、強い意思と実現力、国際的な存在感を示す外交手腕がなければ、過去の失政の残滓の清算・整理もまだ出来ていない状況なので、本年も内政・経済は不安定さと混迷が続き、順調な上昇軌道乗せは至難となり、進路や手立てを間違えば、更なる混迷の増大ともなりかねない。
日本の国力を弱体化した失政の当事者というイメージが強く残っている安倍・麻生コンビが後継リーダーになるとの予想報道が流れているが、これでは新味が期待できず、敗者復活・名誉挽回の機会を与えるほど、今の日本には余裕はないはずと思うが、如何なものか?
激震後の揺れ戻しに注意を要し、取りあえずは応急補修に注力すべきであろう。

4 世相動向…「温故知“真”」、歴史から学ばなかった現代の日本人

「温故知新」とか「道に迷った時は、歴史は最もよき教科書」といった格言があるが、残念ながらわが国では、勝者により美化され、必ずしも学問的・客観的事実からも正しいとは言い切れない虚構の歴史を、ただロマンティックに懐かしむだけの「恩顧痴新」でしかなく、真実の歴史から冷静に、物事の真理や善悪を学ぶことは少なく、それゆえに同じような失敗を繰り返し、過去の事実から新しく正しい未来の道を悟るという「温故知“真”」の賢者の歴史学習ではなかった嫌いがある。
古代の賢者も、国家荒廃の兆しとして、「その志は利(拝金主義)、その装は華(華飾)、その容は婦(男性の容貌や所作が女性っぽく、なよなよとし軟弱)、その声は奇妙(音曲や言葉づかいが頽廃的、軽薄で幼稚っぽく乱れ、自分なりの考えや物事の善悪判断がしっかり出来なくなること)」などであると警告を発しているが、まさに昨今の日本の世相、とりわけ明日を担う若者の言動を観察していると、その通りと共感すると同時に、日本の未来を考えると嘆かわしい限りであり、空恐ろしい感を抱く。
こういった、「自我が確立しておらず幼稚っぽく、IQが低く、自分なりの考えを持たず、目標も夢も抱かず、勉強も努力もせず、他人依存や親がかり、その日その日さえ楽しければと放浪し、礼儀作法を知らず言葉遣いが乱れ、悪いことをしてでも目立ちたがり屋で、お笑いタレント崇拝志向、マスコミやCMに踊らされやすく、流行を追い、それでいて、お金への執着だけは強く、陰では一人前の文句をいいながら、人前では堂々と対話が出来ず、少人数の同類グループ間でしか付き合えず人間関係づくりが苦手で、孤独感と自己愛が強い、虚勢を張りたがるが、打たれ弱く忍耐力もなく、飽きっぽく、無責任である」といったタイプの若年・中年層が最近の社会では増殖しているとある大手広告会社が調査結果を発表し、これを「B層群」と名づけているが、こういった世相はS層群だけでなく現代の日本全体の社会傾向といえ、これはまさに亡国の兆しである。
国家や社会、企業といった組織は人間の集合体であり、それを構成する人間の質の良悪に栄枯盛衰がかかり、過去の大国の衰亡要因も多くはこれに起因してきた。
このようなB層群が多数を占める社会が生まれた背景には、豊かさの弊害・副作用といった面と、貧富格差の増大からの厭世観、不況の長期化による将来不安、その国の学校・社会教育を含めた生涯学習環境、道徳観・宗教観などがあるが、親から子供・孫へといった躾の家庭における伝承教育の影響も大きい。
こういった世相は、一朝夕で改められるものでないので、本年も引き続き、他者への配慮や譲り合いを考えない自己中心的社会、弱者苛めの卑劣な行為や詐欺事件といった犯罪発生の増加など、社会秩序の乱れや精神文明の荒廃は続くものと予想され、余程優れた、精神的支柱となるカリスマ性のある救世主的リーダーが出現しない限り、直ぐの社会改善や世相の好転は難しいであろう。

5 本年への期待…世界新時代への船出の年!

以上述べてきた日本が抱えるさまざまな難題の根本な改善策としては、人間教育と意識の改革を、あらゆる改革の最優先課題に据えることと、哲学的理念を持った良い政治で、国民に国家の将来に夢を抱かせ希望を持たせること、基本的な生存権の保証と公平性を重視し、不安・不満感の解消を図ること。
その段階として本年は、世界も日本も、過去の膿を全て出し切る大掃除を済ませ、従来からの一つの時代の終わりを、同時に新しい理想の時代への転機と心得て、万民が不安がなく幸福を感じるよう平和な理想の新世界創造の道を探求する船出の体制固めの年としたいものである。
政治・軍事は経済に優先するので、世界の平和と、その期待に応えられるような新政権の誕生と良導、あわせて各位のご健闘を祈念して止まない。

著者プロフィール

経済評論家・ビジネスドクター 芦屋 暁(あしや さとる)

幼少期の貧苦体験から「十分な教養があれば民族も国家も企業も個人も安泰」との信念を抱き、一生涯を人間能力の開発と日本経済・産業の発展に捧げる1本の杭になろうと決意し、都市銀行勤務を中退してフリーの経済評論家・経営コンサルタントの道に転身、大学の教鞭やマスコミ出演を経つつ、過去通算で全国約3千市町村を講演歴訪した実績を持ち現在に至る。庶民派で皮膚感覚の簡明率直な解説がモットー。

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