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丁半の分岐点、新世界構築への基礎仕込みの年

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公開日付:2017.01.06


 謹んで新年のご祝辞を申し上げ、本年もどうぞよろしく本稿をご愛読賜りますようお願い申し上げます。
 予測通り、21世紀を迎えてからの主要国首脳の交代がいよいよ本格化して最終局面を迎え、前世紀末に世界単独覇権を制した超大国アメリカにおいても、鷹派的暴言を吐くも、自らは政治・公務・軍役歴の全く無い未知の財界人トランプ大統領が誕生することとなり、国際的な勢力図が大きく塗り替えられようとしており、各位には、本年こそは世界新時代構築への道筋が見出せるようにとの期待を込めつつ、その過渡期の動乱と混迷に適切に対処しなければとの一抹の緊張感を持って新年をお迎えになられたことと拝察申し上げます。
 そこで年初に当たり、先ずは恒例となっている60年周期の干・支の吟味から、本年の世界情勢やわが国経済・社会についての予見を申し述べておこう。
 本年2017(平成29)年の干支は「丁酉(ひのと・とり、てい・ゆう)の年」であり、
  ●丁(てい、ちょう/ひのと)
   …「干」は樹木の幹を意味し、本年の干の「丁」は十干の第4番目、「釘の頭、丁字型三叉路、まだひ弱な
     双葉の象形文字であり、親離れ自立で悩む青年男子の意味といわれる。
     丁重、丁寧、丁憂、丁年(一人前になる年)、丁子(おたまじゃくし)などの熟語に通じ、
     「丁字型三叉路」に突き当たり、右折か左折して突き進むか引き換えすべきか、立ち止まり、戸惑い、
     思案で迷い、丁半の判断・決断のしどころ、運命の分岐点であり、思案六歩、思案投げ首、思案に余る、
     思案に尽きるが、その是非が将来を左右し決定付ける重要な分岐点に立つ年である。
  ●酉(ゆう/とり)
   …十二支の「支」は枝を意味し、その12番目、動物のたとえでは「鶏」とされ、故に
     「ばたばたと慌ただしい年、翔く飛躍の年、夜明けて日が出る朝を告げる年」などと巷間でいわれている、
     それには論理的根拠が無いが、物事を良い意味に解釈して身を正すなら、それも良かろう。
     暦での方角は「西」、時刻は「午後の6時頃、昼から夜に転じ、気温の低下や夕闇の暗さに向かう時。
     字源は、酒を発酵作用で醸成するための甕・壷の象形文字。醸造、酌、猶予などの語に通じ、酒造でも、
     この時期の杜氏の仕込みの腕次第が、美味な新酒を醸し出す重要な時期であることを意味する。
 よってこの干支の両文字を組み合わせた60年周期で吟味して講評すると、本年は、「三叉路に突き当たり、どちらに進むべきか迷い、判断を迫られるが、その選択の適否が将来の命運を左右する重要な分岐点となる年」といえる。
 このような時期には、軽挙妄動、悪足掻きをせず、「勇者不擢、知者不惑、賢者不憂、仁者不驕!」とあるように、一旦立ち止まり一息入れて、未来の世界や日本の好ましいあるべき姿を慎重に考量し、冷静に正しい未来への進路を選択し、その未知の世代のあるべき姿の設計図を描き、それに至る過程の長期計画書を策定し、それをどの道を辿り、どんな手法で取り組むかを設定し、その目標実現に向かって着実な歩を進めることが肝要である。
 こういった地球世界の環境や時代の底流変化の大きな屈折点は、既に何度も申し述べてきたことだが、20世紀から21世紀への移行期にあったのであり、よって本年は、これから新たなことが起きたり始まるという年ではなく、「紀初から取り組んできたことの一頓挫期だが、これまで取り組んできた、あるいは取り組めずに繰り延べてきた課題を、いよいよ待ったなしで解決し、仕上げ、新時流に乗り換える最後の転機」ということである。
 21世紀初から取り組まねばならない重大な課題とは、「世紀の転移期は、あらゆる分野での主役交代を余儀なくされる大激動と混乱・混迷期であり、過去の大清算・整理を済ませること」である。それなしでは新しい時代が拓ける情勢が芽生えてこないし、こういった環境変化への適応、進路転換への対応を2025年頃までに完全に済ませることが必要とされ、その世界新時代構築に向かう理念や手法の選択の適否次第が、将来の地球世界、国家、人類、産業・企業、家庭生活など、あらゆる分野の将来の明暗・運命を決定づけることとなる。
 しかし残念ながら、こういった地球規模の大転換期への対応は、21世紀に入って15年、転換期限まで後10年足らずと切迫してきたにもかかわらず、これまでのところ具体的な改善姿勢が見られなかったが、本年はいよいよその転換への最終決断の正念場ということで三叉路に突き当たり、正しい選択を決断を改めて促すものとなったのである。
 道に迷ったときは、「歴史と自然は最も良き教科書」であり、「原点回帰」が重要であるから、未知との遭遇に恐れ、慌てることなく、過去の流れと現状から未来を洞察し、正しい認識と判断、それに基づく好ましい行動・操作を講じなければならず、またその手順を間違ってはならない。
 したがって今年は、「未来に対する現代の正しい選択と決断」をしなければならない過渡期として非常に重要な年であり、それだけに激動、混乱、混迷も余儀なくされるであろうし、人類の平和や幸福に対する理念や意識、価値観、行動態様の大転換、政治・経済・事業経営の理念や手法の大刷新も要求され、そういった任に相応しい冷静で良識ある乱時型リーダーの出現が希求されよう。
 旧来の軟弱な地盤や老朽化した家屋をそのままにし、その上に新しい高層ビルを構築しようとすることは愚かなことであり、新しい世界の構築は、これらの旧悪を全て完全に除去し、基礎の地盤固めから根本的にやり直すことが必要不可欠であり、そのためには、未来にあるべき姿の設計図面と長期計画書、着工手順書を策定し、その基礎地盤固めのための礎石積みとして、人材育成教育や技術開発、新経済牽引産業の創造などに努めるなど、明日の美酒を醸成する仕込みに留意すべき年であるともいえるが、まだその準備段階としての、過去の残滓の最終的大清算・整理、建設的な破壊、これまでの世界を支配し主導してきた主役国やリーダーの一斉交代が残っており、今年こそがその最後の機会の年であり、当然、旧家屋を土台から取り除くような荒療治の反応作用の激動、混乱、不安さは覚悟しなければならないであろう。
 したがって本年は各国とも、自国の体制立て直しのために、自国本位の内向き姿勢を強め、やや強引で独裁的でも、建設的破壊に挑む強力な個性と行動力を有する乱時のリーダーの出現が期待され、その手腕が注目され、支持されることとなる。
 しかしその悪阻の苦しみ、生みの苦しみに耐え抜いてこそ、丈夫な子供が体内で養育され、美酒が醸成されるのである。
 今年は明治以来150年、大正以来105年、昭和以来92年、皇紀では2677年目を迎えるが、過去の丁酉年の主要な出来事を歴史的に遡って辿ってみると、
  1981年(昭和56年、酉年)…レーガン大統領が強いアメリカへの再興を目指す経済政策(レーガノミクス)を発表、
                    イギリスのチャールズ皇太子がダイアナ妃と結婚。
  1957年(昭和32年、丁酉の年)…岸内閣成立、立川米軍基地拡大を巡る砂川事件、アメリカが人工衛星
                        初打ち上げ成功、日本でも糸川ロケット初発射成功、スーパーダイエー第1号
                        開店、売春防止法施行で赤線廃止。
  1897年(明治31年、丁酉の年)…松方内閣が貨幣法を公布し金本位制確立、新自由党結成、台湾総督府設置、
                        無線電信発足。
  1837年…徳川12代将軍家慶の天保8年に大塩平八郎の乱。アメリカ船が浦賀初来航、ブランキが「産業革命」
         という言葉を初めて用いる。
  1717年…徳川8代将軍吉宗が大岡忠相を江戸町奉行に抜擢登用。
  1597年…豊臣秀吉が慶長の役で朝鮮出兵。
  1477年…応仁の乱終結。
などである。
 以上を総括すると、やはり丁酉の年は、丁字型の双葉から新芽がすっと伸び出すには至らず時期尚早であり、ましてや華やかな開花や結実、熟成・収穫が楽しめる時期ではなく、地味だが、重要な時流変転の屈折・分岐点となる年であり、また天然災害や火災、疫病流行、劇場型犯罪が発生しやすい年、貧富格差や人種差別への不満、将来不安から、大衆が変革を求めて行動を起こしたり、建設的破壊で世直しをしようと民衆を煽動するカリスマ性のある極右ポピュリズム指導者が出現したり(次期アメリカ大統領にトランプが選出されたのがこの象徴的現象)、そのような強烈な個性を持つ独裁型の鷹派リーダーを民衆が歓迎するといった傾向が高まる年でもある。
 しかし下手をすると、そういった独裁的リーダーが暴走し、フアシズム化して戦争に突っ走ったことや、繁栄か衰退かの明暗を分かったこともあったのが過去の丁酉の年であったが、そのような苦難や混迷の逆境の中から、それから脱出する一抹の光明が差込み、未来への明るい筋道を見出したこともあったという複雑で油断のならない要注意の年であるともいえそうである。
 したがって本年は、明日の収穫を楽しみに着実な将来への布石を打つべき年とすべきであり、劇薬やバイアグラを飲んで一時的に元気付けるといった目先の小手先対応でなく、未来に向けての地道で根強い改革への努力を続け、着実な基礎固めと歩を進める正念場の年とすることが大切であると干支では示唆する。
 世界的にもわが国としても、本年中はまだ、保守・革新、新・旧、大・小、極右と極左、貧・富、勝ち組・負け組などの二極分化がさらに進み一層深刻化し、その対立と抗争が激化し、やがてそれが頂点に達し、混迷状態が続き戸惑うであろうが、そろそろ東西の主要大国をはじめとして各国ともに、新時代への転換の過渡期を主導するリーダーや勢力の出現が現実のものとなり、主役交代が進み、新たな理念や方針を求める世論の動きが湧き上がってくるであろう。
 地球世界の精神文明・物質文明発展の歴史を振り返ってみると、人類文明は、古代のメソポタミア文明、インダス文明、エジプト文明といったように南部の熱帯・温帯地方から発祥し、それが次第にギリシャ文明、エーゲ海文明、地中海文明、ローマ文明などと西へと移行し、近代になるとさらに北欧文明など北へと移行し、現代ではアジア文明や仏教哲学など東に焦点が当てられるようになり、その間に、大陸のシルクロードの整備や、海上交通の発達による大航海時代で海のシルクロードも開かれ、約400~600年周期で東西文明の交互興隆を経ながら成長発展をしてきた。
 近代のヨーロッパで発祥した産業革命以降は、元来は狩猟民族で、アングロサクソン系キリスト教徒国である欧米が世界を主導・支配するようになり、現代にまで至ったのだが、その期間が500年余に達しており、一斉に老衰化して主役交代の時期を迎えることとなり、21世紀になるとそれにとって変わって日本や中国などの影響力が強まり、相対的に彼らの影響力・主動力が低下し、農耕民族系のアジアが世界の生産基地として注目を集め、その物質文明と同時に東洋哲学、仏教美術など精神文明の面でも見直されるようになって来た。
 近代世界を支配してきた欧米がもたらした豊かな物質文明や科学技術の進歩、自由で民主的な政治・経済・社会ステムなどの功績面も多いが、彼らが残し、21世紀にまで引き継ぐことになった問題事項もある。  それは、狩猟民族は、温暖多雨で豊かな緑の樹木、自然食用作物にも恵まれた南地域に定住する農耕民族と異なり、比較的に厳しい自然環境の中で、移動しながら狩猟をし食糧を得、多くの家畜を引き連れて遊牧生活をしてきた。故に彼らは、より豊かな狩猟の成果を収め、家畜を育てるために、常により豊かな牧草に恵まれた広大な良い土地を求めて移動さざるを得ないので、土地の縄張りを求める争いを繰り返してきたので、弱肉強食の意識が強く、闘争的であり、木材資源の伐採、埋蔵鉱物資源の採掘、鹿や鯨など食用動物の大量収奪を、生活必需用のものとして、それほど悪いこととは考えなかったし、これまではそれでも自然界の需要と供給の関係からも、それが可能であった。即ち彼らの繁栄は、自然環境の破壊と他者領土の侵略による領地拡大に支えられたものであったといえる。
 しかし近年になり、地球総体としての天然埋蔵資源の限界と枯渇化が懸念される一方で、その収奪的開発が進み、自然の乱開発・荒廃が深刻化し、人口の爆発的増加もあって、需要と供給の関係が人類の有史以来初めて供給力不足と逆転することとなり、資源の国際的獲得競争が激化するなど、地球自然環境が大きく様変わりするようになったので、各国のエゴな繁栄や生き残りを主張するより、地球総体や全人類的視点からの豊かさや幸福に対する価値観、対応手法、共生・共存・共栄策を真剣に考えなければならず、したがって今年の日本経済がどのような状態になり、どの程度の成長力となるかを云々する以上に、新しい地球世界のあるべき姿を描くこと、その目的を実現するための設計書を設定することの方がさらに重要なこととなり、その場合もこういった地球規模の視点や観念を発想の根本に据えることが肝要になろう。わが国が選択・志向すべきは、IR立国でなく風格ある国家であるまいか。
 近代の世界を主導してきた欧米が遺した物資文明の繁栄、目覚ましい工業生産能力や科学技術の進歩、グローバルな各種の自由化など数他の功績の一方で、改善し得ずにやり残し、21世紀に引き継ぎ、今後改善しなければならない全世界的な課題もあるが、その主要な項目を列挙すると、①地球自然環境の乱開発による破壊と荒廃、②環境汚染公害と、それに伴う地球温暖化など異常気象の招来、③地球自然の生態系リサイクル秩序の混乱、④地球自然の需要と供給関係の不均衡化、有史以来初体験の「需要>供給」という環境への逆転、⑤それによる天然埋蔵エネルギーや産業基礎鉱物資源、食糧資源の枯渇化、⑥これら諸資源の国家間の収奪・獲得競争、貿易競争の激化、⑦その結果の勝ち組と負け組、貧・富、経済先進国と未開発国との二極分化、格差の増大、⑧この両極端者の対立激化、⑨株主収益や企業収益至上主義、効率性追求第一の影響を受けた大量リストラ、失業の発生、中間所得層の消滅、⑩経済先進国における少子高齢化の進行、労働力人口の相対的減少、熟練技能者減少傾向の一方で、経済低開発国・地域における爆発的人口増加といった人口構成のミスマッチ、経済・社会構造の脆弱化、⑪民族、宗教、イデオロギー対立の激化、⑫その影響を受けた政治・軍事・経済難民の急増と、その受け入れの是非を巡る原住民との軋轢、⑬自由・資本主義経済、金融市場主義経済の矛盾や弊害の露呈、信頼失墜、⑭政治・外交・軍事・経済・産業活動・民間生活など、あらゆる分野でのパワーバランスの崩壊と不安定化、既成の各種秩序の混乱、⑮こういった自由さや物質文明繁栄の反面での、人類の崇高な精神文明、道徳倫理観の荒廃・衰退などである。
 このような地球や世界全体、全人類の危機ともいえるような大きな環境の変化や、早急な改善を要する重大な課題山積をもたらした根本原因を探求すると、モアー・アンド・モアーの人間の阿漕な欲望追求と拝金主義、行過ぎた自由や資本主義の暴走、その結果「財貨多きは徳傷る」となり、政治・経済・経営道徳倫理観が衰退し、これらの原点を亡失したことになる。しかしこういったことは全て人間の誤った思考や価値観が招いたものであるから、その意識や理念の抜本的な刷新と正常化があれば、決して改善・解消が不可能なことではないはずである。
 「光は闇から、全ての改革の成否も、平和や幸福の実現も、人間の心から」である。21世紀の世界新時代構築への本年の取り組みは、本来のあるべき正しい理念や姿への原点回帰、それらの基礎をなす有能な人材(財)の育成から着手すべきであろう。
 正しく強い意志と十分な教養があれば、国家も民族も企業も家庭も安泰で繁栄する。
 本年が各位にとってより良い年となることを祈念申し上げます。


著者プロフィール

経済評論家・ビジネスドクター 芦屋 暁(あしや さとる)

幼少期の貧苦体験から「十分な教養があれば民族も国家も企業も個人も安泰」との信念を抱き、一生涯を人間能力の開発と日本経済・産業の発展に捧げる1本の杭になろうと決意し、都市銀行勤務を中退してフリーの経済評論家・経営コンサルタントの道に転身、大学の教鞭やマスコミ出演を経つつ、過去通算で全国約3千市町村を講演歴訪した実績を持ち現在に至る。庶民派で皮膚感覚の簡明率直な解説がモットー。

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