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新時代の繁栄は東洋思想と西洋才知の調和で!

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公開日付:2014.03.24

ソチ冬季オリンピックは開催国ロシアの威信をかけた厳重な対テロ警備努力もあり、大きなトラブルもなく無事終了し、残念ながらわが国の金メダル獲得数は1個だけであったが、優勝各国の国歌を聞きながら興味を持ったのは、その歌詞の内容である。
ほとんどの国歌が、本来のオリンピック憲章の、「世界中の国や民族の平和と友好を願い、勝敗より参加することに意義あり」とした理念とは反するもので、自国の威力を誇示し、敵国との戦いに勝つために、国民や軍隊の士気を鼓舞するような勇ましく闘争的なものが大部分であり、国家と国民の恒久平和と繁栄を祈念した平和的な歌詞のわが国歌は稀有の存在といえる。
歌は世に連れ世は歌に連れといわれ、例えば、威勢の良い高度経済成長期や戦時、スポーツの応援歌などは、人間の心を高揚させる2拍子の行進曲風、繁栄の絶頂期には、華やかで享楽的な3拍子の円舞曲風、不況・困窮の時代には、退廃・厭世的な4拍子のブルースや奇妙な歌詞やメロディーの歌曲、演歌(怨歌)が流行るといったように、歌はその時代の象徴や人間の意識の反映、延長自我であるから、近代世界オリンピックが始まった19世紀以降の世界が、如何にナショナリズムの台頭と競争・戦闘的で、勝負に拘り、物質文明の進歩の一方で貧富格差を増大し、享楽・退廃的で、精神文明衰退の時代であったかが窺える。
目下の世界もこれを引き継ぎ、各国とも表面的には恒久平和の実現と共栄を標榜しているが、現実は、アメリカ主導の自由資本主義経済のグローバル化の下で、より財物的な豊かさを求めて競い合い、貧富格差増大、エゴなナショナリズム、地球自然の破壊、社会の混迷と不安定化、精神文明の荒廃を加速させている。
これを改め、全人類の真の幸福とは、好ましい政治・経済とはどうあるべきかを考究し直し、その実現を目指す新時代を構築するには、東洋の思想と西洋の才知が必要と考える。

(1)東洋文明と西洋文明の勢力と、その特性比較

昨今は「文明(Civilization、民衆の生活体験からの智恵の集積の意味)」と「文化(Culture)」との使い分けが曖昧で、同義語のように混同して用いられるが、厳密には文明の方がより広義で、「人間の思考や意識、哲学的思想や発想、宗教、道徳観念、価値観、知的・能力水準、生活行動態様から、学芸、技巧など物・心の所産の総称」であり、文化はカルチャーの語源が「耕された自然」を意味するギリシャ語に発することから、文明よりは狭義で「主として地球自然の所産に、人為的な知能や技能を加えて可視的に開化・加工された財物やシステムなどの所産」である。
世界の文明を主導してきたのは東洋思想・文明と西洋思想・文明に大別されるが、古代は東アジアが、現インドや中国を主体とした東洋思想・文明の先進地域であったが、中世・近世には、欧州を主体とした西洋思想・文明が主導し、20世紀の後半、第2次世界大戦終結以降から現代では、多民族の移植・混合新興大国アメリカが主導するようになり、経済活動のグローバル化や高度情報化社会の急速な進展もあって、東・西文明の並立といった感が薄れ、両者がうまく交流し融合したというより、むしろ従来のヨーロッパキリスト教思想による文明とは少し趣意が異なった、アメリカ流の米・欧文明ともいうべき、行過ぎた弱肉強食の自由競争、投資金融市場主義、財物的繁栄主体の思想や手法、文明というより文化が世界を席巻することとなり、相対的に自然との調和や互助・互恵、全体的な秩序の維持、過剰欲望を戒めるなどといった精神性を尊重する東洋文明やイスラム文明が蔑視されて衰勢することとなって、世界の思想・理念や文明の勢力図は大きく塗り替えられつつある。
現代のアメリカの政治、軍事、経済、産業など主要な部門を実質的に主導しているのは、その総人口の3%程度でしかないユダヤ系のアメリカンであり、それが国家の富の約6割を支配しているといわれるが、彼らは秘して表には出さないが、ユダヤ教の教義を頑固に信奉し、自分たちだけが世界人類の優越者であり、神から支配層として認められた選良の民であり、世の中は全て「2対8の原理」で成り立ち、その優越者2割に貢献・奉仕するために8割の賎民が存在していると信じて疑わず、排他的で、昔、聖地を追われて世界各地を放浪する苦難を味わい、各国に分散・仮住してきた先祖の体験から、拝金主義的で、金融や相場に関する感覚やノウハウに長け、長期の固定的設備投資が必要な製造業には手を出さず、状況の変化に機敏に対応し得る、お金の回転が速い分野への投資や投機に関心が強く、狡猾な商売上手である。
ちなみに、文明と宗教とはニュアンスが異なるが、その哲学思想が文明や国家の意思形成に少なからず影響を及ぼすという意味から、最近年の世界の宗教人口(国連統計による)を見ると、第1位がキリスト教徒の21億人(全世界人口の約33%)であり、2位がイスラム教徒で約14億人(約22%)、3位が仏教徒(ヒンズー教徒を含む)の約12億人(約19%)、その他の宗教や無宗教が約18億人(約26%)となっており、そのうちユダヤ人(ユダヤ教徒)は、全世界で約1千2百万人、本国在住より多い数のユダヤ人が自由なアメリカを主体に世界中に散在し、情報交換をしながら世界の原油や資源などあらゆる相場市場を動かしているのだから、ユダヤ教徒の数としては少なく目立たないが、世界の政治・軍事・経済への見えない影響力の強さは計り知れないものがあり、だからユダヤ人が腰を上げると世界が大揺れするのだ。
大雑把に見て、イスラム教圏の人口が約23億人(33%)、キリスト教圏人口約22億人(32%)、仏教圏人口約18億人(27%)、その他が約6億人(8%)、イデオロギー別の地域人口では、自由資本主義圏人口が約39億人(57%)、社会主義圏が約17億人(25%)、イスラム原理主義圏約13億人(18%)であり、これは当然、ほぼ各宗教圏の国家人口と相関関係にあるが、近年は、各地域や宗教圏を超えたイスラム教徒の増加と、その他の宗教や無宗教人口の増加傾向が見られ、今後もそれらの国や地域の人口増加が著しいので、その勢力の拡大と、アメリカ流の行き過ぎた自由資本主義、投資金融市場経済、拝金主義的豊かさの価値観主導への反発や抵抗が高まるものと予想される。
社会・共産主義を標榜する、東洋文明の根幹・主流となった仏教思想や儒教精神が根付いていた中国や北朝鮮も、その他の宗教国のロシアやイラン、シリアなどの諸国も、その宗教の教義尊崇を強調しながらも、近年は、その宗義の指導者への絶対服従と忠誠、愛国心など都合の良い部分だけを摘要し、実態としては、一部の特定支配者や階級層の独裁専横政治、同族世襲、富の独占となっており、宗教の理念が、国家・国民の思想的主柱や自己の精神修養に活かされてはおらず、国家統治や下層民衆を服従させる単なる手段とされている。
そんな世界の風潮の中で、他宗教を認めない一神教や偶像崇拝でもなく、他種の宗教の信仰や神仏の存在を容認している日本だけが、戦後はすっかりアメリカナイズされたものの、まだ伝統的精神の根底では、この両文明の良い点を比較的にうまく採り入れ、融合させて併用し、保持しているといえようか。
ご参考までに、以下に西洋文明と日本的東洋文明との特性を比較して列挙しておくが、それぞれなりに長所も短所もあり、また、その時代の背景や歴史的体験、置かれた周囲の環境・条件に適応することから生まれた生活態様の智恵、必然性の所産といえるものであるから、それを自国の文明だけが最高として、他に威圧的に押し付けて画一化しようとしたり、他の文明を否定したり侮蔑することは好ましくなく、互いに認め合い、尊重することが肝要であろう。

西洋文明

  1. 西洋文明優越、東洋文明卑下意識が強い
  2. 人間性悪説に立脚
  3. 唯一神信仰、他宗教否定
  4. 神との約束(法律、契約主義)
  5. 断罪の文化(論理的)
  6. 話し合いの文化(ルール文化)
  7. 訴訟社会(黒白決着明確化)
  8. 自己主張と顕示欲が強い
  9. 派手な表現・所作・演出
  10. 自己利益、保護優先
  11. 効率、合理性重視
  12. 騎士道(権力への服従)
  13. 個性尊重、独自性尊重
  14. 自然の破壊的克服
  15. 権威の誇示

伝統的日本的東洋文明

  1. 東・西両文明の長所を採り入れて融合・併用、西洋の先進性崇拝
  2. 人間性善説に立脚
  3. 多数様、多様宗教混合信仰許容
  4. 自らを律する自律主義
  5. 恥の文化(情緒的)
  6. 察しの文化(推察、思いやり)
  7. 寛容と和解(曖昧、妥協)
  8. 謙虚、控え目
  9. 秘すればこそ華(侘び、寂び)
  10. 謙譲、他利優先、自己犠牲
  11. 一見無駄な効用尊重
  12. 武士道(主従の信頼と忠誠)
  13. 周囲との調和、協調重視
  14. 自然との共生・共栄
  15. 見えないところにまで心血を注ぐ

(2)今再び、日本の伝統文化や精神文明を見つめ直す時

黒船の威力に驚かされた幕末には、鎖国攘夷か開国かで国論が二分したが、結局、明治維新後の日本は、当時の文明先進地であった欧米の思想や文化を積極的に見習うこととなったが、その過程で、特定国の支配だけに偏重せず、行政や軍事、経済システムは英国、芸術や美術はフランス、医療や化学技術はドイツ、キリスト教の博愛思想はスペインやオランダからといったように、各国それぞれの良い点を採り入れ、それに仏教や儒教など東洋の思想や文明も、わが国の優れた伝統的風習や制度も温存し、うまくミックスさせて、独自のものとして築きあげてきたが、その影響は現代にまだ及んでいる。
それが敗戦後は、占領国アメリカ一辺倒に染め替えられ、すっかりアメリカナイズされたため、近年の日本人にとって、西洋の思想とか文明といえば、アメリカに見習い追いつけとなり、その理念や思考、とりわけ生活スタイルやビジネス手法、生産技術や経済・金融・経営のノウハウなど財物的文明への関心を強め、それを隷属的に踏襲するようになり、主体性や特性を失し、東洋の思想や文明についての関心が薄らいだ。
その結果、東洋文明や仏教哲学などは、一部の研究者が古典から学ぶという程度でしかなく、江戸時代のように寺子屋で庶民までが論語を学び、写経をするといったことがなくなり、ましてや精神文明については、神聖な宗教行事の由緒や意義、精神修養の訓示などには全く無関心となり、すべて商業主義の販売促進やレジャーの手段としての受け止め方でしかなくなってしまった。
クリスマスには教会に行かず、パブで賛美歌を意味も解らずに歌い、デコレーティブな雰囲気に酔って遊びまわり、正月の初詣は婚活デートの機会、バレンタイン・デーの義理チョコレートで仲良くなり、成人式には羽織・袴の和装で参加し、節分の豆まきを奪い合ったカップルが結婚式は神社で挙げ、ホテルの披露宴では振袖姿とドレスのお色直しをし、西洋料理を箸で食し、アロハ姿でハワイに新婚旅行に旅立ち、ジーンズ姿でオペラを鑑賞し、親の面倒は見ようともせず別居し、朝はパン食、昼食は中華の餃子ラーメン、夜食はイタリアン・パスタ料理、キリスト教系の病院で出産した子供の名は占星術で決め、ミッション系の幼稚園に入れて自慢し、送り迎えの面倒などは祖父母に任せ、小学校では子供が、魔女の仮装でハローウイーン行列をして、本来の寄付金集はやらず、逆にお土産のキャンデーのおねだりし、盆踊りでは綿アメやフランクフルトを頬張り、上級学校に進学すると外国語やコンピュターを専攻し、社会人になっては、世界各国の料理を食べ歩き、カラオケで演歌を唄い、やがて高齢になると中国の太極拳を習い、東洋医学の鍼灸治療に通い、没しては葬式は仏式でお経を唱うなど、全く近年の日本人は、一体何人なのか不明で、その一生には、主義も主張も節操も、宗教心や精神修養も、愛国心も愛社精神も、古き良きマナーなどの日本の伝統文明を継承しようという理性や意識の欠片もないようである。
これに対して昨今は、日本人自体より外人の方が、日本の伝統的な風習や文明の良さを認め、「おもてなしの心」や「侘び、寂び」の精神、「和食の魅力」など、わが国の有形・無形の文化に強い関心を抱くようになっている。
われわれも今再び、日本の伝統文化や、その源流であった東洋文明の優れた点を見つめ直す必要があろう。
東洋の思想や文明については、西洋の文明や思想のように、体系づけられた理論や著名な文献が少ないこともあって、あまり知られることがなく、比較的記録が多い仏教の経典や古代中国の諸子百家の儒教や道教の説をもって代表されているようだが、いずれにしろその発祥は、近世になって興隆し近代世界を支配した西洋文明より歴史はずっと古く、その西洋思想の根底をなすキリスト教も、世界第2位の宗教人口を有するイスラム教も、隠然たる力を有するユダヤ教の祖も、生誕・発祥の地は東洋であり、したがって世界の精神文明の源は唯一、アジア南西地域といえる。
本来、地球は丸い一個の天体であり、東西に二分割され、はっきりとした境界線が引かれてきたわけではなく、特に現在のアジアと欧州の境界線辺りは、遊牧生活民の共有・共用の地だったのを、その後のエゴな民族の領土主張から力づくで一方的に独占的分割の縄張り線引きをしたものであるから、目下中国などが主張する領土の歴史的認識といっても、どの段階の歴史からの主張か実に曖昧であるし、人間の意識をグローバルな「全世界一国家意識」に刷新さえすれば、問題は解決するものであり、優越性を有して東洋を蔑視する西洋文明も、大昔は先進地域であった東洋から香辛料などの交易と共に学んで持ち帰ったものといえ、西洋・東洋といった2分割の概念は、思い上がった西欧から見た西洋蔑視であり、それは欧州を中心として見たニアー・イースト(中近東)、ミッド・イースト(中東)、フアー・イースト(極東)という呼称にも表れている。同時に、日本だけが「日の出る国」といった考えも、中国民族こそが世界一、中国が世界の中心という中華思想も偏狭であろう。
現代の世界の通念で東洋文明といえば、その中心地域はインドと中国、日本はその感化を受けた国にとされてきたが、ごく近年では、普遍的な東洋文明の思想とは少し異なる日本独特の文明の存在を認めて高く評価し、江戸時代から昭和初期にかけての「古き良き日本の精神性重視、物心一如の文明」こそが、東・西両文明を巧みに融合させた「東洋の知、西洋の才、日本の心」の結集(シナジー)成果であり、今後の世界を主導する理念のモデルとすべきとの考え方が欧州を主体に高まってきているが、それは誠に妥当で結構なものと考える。
東洋文明の主柱を成す思想や理念、行動態様は、仏教の経典にある思想と教訓と、それに戦乱が続いた古代中国で生まれた民衆の切実な生活体験からの知恵の結びつきといえ、日本の神道の理念も含まれるが(神道があまり他国に普及しなかったのは、その修義や理念の適否でなく、具体的偶像や教義がなく、謙虚でPR不足というだけのことである)、その考え方は極めて平易で普遍的な常識といえ、万民が実践・体現しやすく、心の持ち方と調整、欲望の抑制、自らの修養に重点を置き、大自然の仕組みの偉大さを尊重し、それに畏敬の念を持って接し、その掟に逆らわず、厳しさを自己鍛錬の糧として甘んじて受け容れ、自然と調和的に生きることで共生・共存・共栄が可能となり、人類の現世の幸福が実現できるとするものであり、平易さの中にこそ真理があると考える「真理是単」に基づくものである。
それに対して西洋文明は、哲人が頭で考えた理屈の論理的体系化、哲学思想といえ、極めて教条主義的、威圧的、演出的であり、自己修養より神との契約実行、その償としての幸福という、やや他者依存的で、財物的な現実の豊かさに重点をおく。
要は東・西の混合というより「物心一如」の理念こそが人類文明の究極の姿である。

著者プロフィール

経済評論家・ビジネスドクター 芦屋 暁(あしや さとる)

幼少期の貧苦体験から「十分な教養があれば民族も国家も企業も個人も安泰」との信念を抱き、一生涯を人間能力の開発と日本経済・産業の発展に捧げる1本の杭になろうと決意し、都市銀行勤務を中退してフリーの経済評論家・経営コンサルタントの道に転身、大学の教鞭やマスコミ出演を経つつ、過去通算で全国約3千市町村を講演歴訪した実績を持ち現在に至る。庶民派で皮膚感覚の簡明率直な解説がモットー。

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