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上場企業の「東日本大震災」影響調査 ~開示企業1,908社のうち、1,324社が被災~、信用調査、与信管理、倒産情報は東京商工リサーチ。

公開日:2011.04.08

上場企業の「東日本大震災」影響調査 ~開示企業1,908社のうち、1,324社が被災~

 東北地区を襲った東日本大震災の影響が、各方面で広がっている。今回の震災は地震や津波の被害が広範囲に及んだほか、東京電力福島第1原発の事故で生じた電力の供給不足が「計画停電」という形で首都圏の市民生活や産業界にも大きな影響を与えている。

 

 東京商工リサーチでは、震災が発生した3月11日から3月31日までに震災の影響をリリースしたすべての上場企業を調査した。震災から3月31日までに影響をリリースした上場企業は、東京証券取引所を始めすべての株式市場に上場する3,639社のうち、1,908社(構成比52.4%)だった。このうち、約7割の1,324社(同69.3%)の上場企業が何らかの被害を受けたと発表した。なかでも、被災地で店舗や工場などが甚大な被害を受け「営業・操業停止」に追い込まれたのは652社(同34.1%)あり、被害を開示した上場企業のうち3社に1社が深刻な被害を受けていたことがわかった。

 

 また、今後の事業に影響を及ぼす可能性がある要因を開示した581社のうち、震災による被害の有無にかかわらず、383社(同65.9%)が「計画停電」をあげた。産業界が電力の安定供給が損なわれる事に強い懸念を示すものとして注目される。

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上場企業の7割が被災

 被災状況をリリースした1,908社のうち、1,324社(構成比69.3%)が震災で何らかの被害を受けたことがわかった。その被害状況を東京商工リサーチでは次の5段階で分類した。

(1)「影響なし」、(2)「被害が一部・軽微」、(3)「一部事業所の営業・操業停止」、(4)「一部事業所の再開見通し立たず」、(5)「その他」(確認中・現地と連絡取れずなど)。

 

 これによると最も多かったのは(3)の「停止」で652社(構成比34.1%)。次いで、(1)の「影響なし」が584社(同30.6%)だった。以下(2)の「一部・軽微」が460社(同24.1%)、(4)の「見通し立たず」が117社(同6.1%)、(5)の「その他」が95社(同4.9%)だった。

 被災した企業を産業別でみると、「製造業」が583社(同44.0%)で最多。以下、「サービス業他」が272社(同20.5%)、「卸売業」が164社(同12.3%)、「小売業」が141社(同10.6%)の順。

 

 このうち、(3)の「停止」は「製造業」が295社で最多。製造業で「影響があった」企業の50.6%に達した。次いで、「サービス業」が144社、「小売業」が94社、「卸売業」が64社、「運輸業」の17社の順。

被災状況

被災内容 「建物損壊」が726社、「原発関連」が41社

 被災内容では、「建物損壊」が726社(構成比38.0%)で最多。次いで、「生産ライン・設備被害」(同21.7%)、「ライフライン」(同15.0%)、「製(商)品・在庫品損傷等」(同10.6%)となった。また、避難指示などで営業に支障を来たした「原発関連」が41社(同2.1%)あった。※複数リリースあり。

被災内容

今後の懸念要因 約7割が「計画停電」

 今後事業に影響を及ぼす可能性がある要因を開示したのは581社だった。これを下記の7項目に分類した。(1)「原発関連(避難指示)」、(2)「計画停電」、(3)「燃料」(供給問題)、(4)「原材料」(供給問題)、(5)「ライフライン」(電力供給など)、(6)「インフラ」、(7)「物流」。

 

  581社のうち、最も懸念する要因として被災の有無にかかわらず383社(構成比65.9%)が④の「計画停電」をあげた。次いで、(7)の「物流」が143社(同24.6%)、(4)の「原材料」が138社(同23.7%)、(6)の「インフラ」が126社(同21.6%)と続いた。※構成比は581社に対する比率、(複数リリースあり)。

 

 「計画停電」は、自社だけでなく取引先の生産・製造ラインに影響が及ぶ。その結果として「原材料」の仕入供給にも影響が出る可能性がある。また、小売業では営業停止や営業時間の短縮を避けられず、消費マインドに大きな影響を与える。安定した電力供給は社会生活に不可欠な条件でもあり、「計画停電」を懸念する産業界の声は当然かも知れない。

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 震災の直後に一部事業所の操業停止や営業停止に追い込まれた652社のうち、220社(構成比33.8%)がその後一部あるいは完全に再開のリリースを発表している。震災から約1カ月を経過し、企業活動には復興の兆しも見え始めたが、今後については「計画停電」など安定した事業活動への阻害要因を払拭できないジレンマも生じている。

 

 さらに、「計画停電」から一段と強制力を持つ電気事業法27条に基づく「電気の使用制限」の実施も検討されている。東京電力の大口需要実績は、機械器具1万6,854kWh、化学工業9,018kWh、鉄鋼業6,401kWh、食品5,588kWh、非鉄金属3,996kWh。(2010年3月期有価証券報告書)

 福島第1原発事故による電力の供給不足は解消メドが立たず、原発事故の一日も早い収束が待たれる。一日遅れるごとに生産拠点の移転や雇用問題など産業界だけでなく、社会的にもその影響が深刻さを増している。

 


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