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「東日本大震災」関連調査 ~太平洋沿岸 東北4県44市区町村の震災前経済規模~、信用調査、与信管理、倒産情報は東京商工リサーチ。

公開日:2011.03.24

「東日本大震災」関連調査 ~太平洋沿岸 東北4県44市区町村の震災前経済規模~

 

 

 地震と津波による被害を受けた東北4県の太平洋沿岸部の44市区町村の被災地にあった企業数は3万2,341社、売上規模は9兆8,982億円、従業員数は36万3,796人だった。この数値には個人の漁業、農業従事者等を含まないだけに、該当地区だけでなく東北経済に与えた打撃の大きさを示している。東京商工リサーチでは、壊滅的な被害を受けた市区町村もある太平洋沿岸の東北4県44市区町村の震災前の経済規模をまとめた。

 

 ※本調査は東京商工リサーチの企業データベース(230万5,646社)から東北4県44市区町村に本社を置く企業を抽出し、企業数、業種、売上高、従業員数を集計した。対象企業には個人企業を含むが、漁業・農業などを営む個人事業者は含まれない。

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44市区町村の企業は3万2,341社

 東北4県で太平洋沿岸部の44市区町村に本社を置く企業数は3万2,341社。県別でみると宮城県が1万4,876社(構成比46.0%)で最も多く、次いで福島県8,648社(同26.7%)、青森県5,286社(同16.3%)、岩手県3,531社(同10.9%)だった。政令指定都市の仙台市を抱える宮城県に5割近くが集中している。

 

 市区町村別でみると、福島県いわき市5,947社(構成比18.4%)、青森県八戸市3,894社(同12.0%)、仙台市宮城野区3,492社(同10.8%)の順となっている。

 

 被災した44市区町村では3万2,341社のほか、漁業・農業などの個人事業者も多く、これらを合わせた被災規模はさらに拡大する可能性がある。特に、福島県いわき市は東京電力福島第一原発の事故の収束が見通しが立たないだけに、事業再建に向けた動きはより深刻な状況にある。

社数

44市区町村の従業員数は36万3,796人

 4県44市区町村のうち、従業員数が判明した企業2万3,812社の従業員数合計は36万3,796人だった。従業員数が最も多かったのは仙台市宮城野区で5万5,041人。次いで、福島県いわき市5万4,485人、青森県八戸市4万9,919人の順。

 県別では宮城県17万9,735人、福島県8万2,266人、青森県6万7,033人、岩手県3万4,762人。

 

産業別 岩手県大泉町は第一次産業関連が10%超

 3万2,341社の産業別構成は、建設業8,874社(構成比27.4%)、サービス業7,891社(同24.4%)、小売業5,390社(同16.7%)の3産業で約7割を占めた。次いで、製造業3,088社(同9.5%)、卸売業2,954社(同9.1%)と続く。

 

 三陸沖から常磐沖にかけ水産資源が豊富で国内有数の漁港も多いが、農・林・漁・鉱業は569社(構成比1.8%)にとどまった。これはサービス業7,891社のなかに漁業関連の個人事業者が加入する漁業協同組合が61組合、水産加工業協同組合が19組合、農業関連個人事業者が加入する農業協同組合15組合など、農・林・漁・鉱業関係の381組合が含まれているため。この569社と合わせると農・林・漁・鉱業は950社になり、第一次産業関連のウェイトは高い。

 

 農・林・漁・鉱業の構成比が最も高かったのは、岩手県大泉町(構成比11.9%)。次いで、岩手県田野畑村(同9.1%)、青森県東通村(同9.7%)、青森県階上町(同8.5%)の順。

 

売上規模 判明分で9兆8,982億円

 4県44市区町村の企業のうち、売上が把握できた2万3,428社の売上高合計は9兆8,982億円だった。壊滅的なダメージを受けたところから、幸いにも一部損失にとどまった市区町村など損失ダメージの程度は異なる。だが、少なくとも大企業が少ない4県44市区町村の企業は、中小・零細規模が集積しており、震災による短期的な経済損失は売上規模に匹敵する可能性もある。

 

 県別で売上高合計をみると、宮城県が5兆1,738億円で最も多い。次いで、福島県2兆1,218億円、青森県1兆9,409億円、岩手県6,616億円の順。宮城県は全体の52.3%と、半分以上を占めている。

 市区町村別では、仙台市宮城野区が1兆8,301億円、次いで、福島県いわき市1兆3,616億円、青森県八戸市1兆3,447億円の順だった。

 

業種別売上高 卸売業がトップ

 売上規模を産業別にみると、卸売業2兆2,069億円(構成比22.3%)、サービス業1兆9,708億円(同19.9%)、小売業1兆6,394億円(同16.6%)、製造業1兆5,948億円(同16.1%)、建設業1兆3,661億円(同13.8%)の順。卸小売など物流産業の売上規模が大きいが、製造業や建設業も多く、各産業とも大きな差はない。

 漁業関連が含まれる農・林・漁・鉱業は1,896億円で全体の1.9%にとどまったが、前述のようにサービス業に含まれる漁業協同組合・水産加工業協同組合、農業協同組合など381組合の売上高2,779億1,200万円を、第一次産業関連に加えると売上規模は4,676億1,100万円(同4.7%)となり、第一次産業関連の売上規模が決して小さくないことがわかる。

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 東北地方の太平洋沿岸部では地震と津波により多くの尊い人命と企業が失われた。沿岸部だけでも震災前の売上規模は9兆8,982億円(判明分)に達する。そのすべてが喪失した訳ではないが、経済基盤と雇用の再建・創出が緊急の課題になっている。被災地では震災規模の大きさに加え、原発事故も影響して震災の傷が癒えるには相当な時間が必要だろう。今後の本格復興に向け、震災前の経済規模を認識した安全な町づくりと素早い支援策が求められている。

売上

 


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