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逆粉飾の手口(1)~貸借対照表の逆粉飾~

公開日付:2013.08.22


「逆粉飾」という言葉は、あまり聞き慣れない方が多いかと思いますが、
広義には、逆粉飾も粉飾の一種であり、通常の粉飾と逆粉飾のどちらが
用いられるかは、会社の状態や経営者の置かれた立場などによって異なります。

一般的には、株価の維持や対外的な信用を重んじる上場企業では通常の粉飾、
会社の存続や利益の確保・代表者の所得が優先する中小企業では、逆粉飾が
用いられる傾向にあります。

今回は、資産の隠蔽や隠し預金・裏金作りの際に行われる、貸借対照表の
逆粉飾の手口について、ご紹介いたします。
通常の粉飾は、資産⇒増加、負債⇒減少となるように操作されますが、
逆粉飾の場合は、資産⇒減少、負債⇒増加となるように操作される点で
大きく異なります。

【1.流動資産の減少】

■現預金の減少
 ・支払い時期の操作
 ・科目操作による費用の支出
 ・人件費・福利厚生費・経費の増加
 ・資産の安値売却 など

■売上債権の減少
 ・売上債権の早期回収
 ・債権流動化により売掛金を譲渡
 ・貸倒の過大計上
 ・売掛金を未収入金で計上 など

■棚卸資産の減少
 ・簿外処理、過小計上、在庫の廃棄
 ・仕掛品・未成工事支出金の過小計上 など

■有価証券の減少
 ・取得時の購入費用の未算入・過小計上
 ・子会社への一時的な売却(飛ばし)
 ・含み益の過小計上、含み損の過大計上 など

【2.固定資産の減少】

 ・固定資産を簿外資産にする
 ・固定資産の購入費用を経費支出にする
 ・不良資産の廃棄を多く見積もる
 ・減価償却を過大計上する。大きくなるような評価する
 ・耐用年数を意図的に短くし、減価償却を多くする など

【3.投資等資産の減少】

 ・ゴルフ会員権等の価格下落を過大評価
 ・投資有価証券や関係会社株式の含み損を過大計上
 ・持合株式の時価を低く評価し、評価損を計上
 ・破産債権、再生債権、更正債権の引当を過大計上 など

【4.流動負債の増加】

■仕入債務の増加
 ・架空の仕入を計上、来期の仕入を今期に計上
 ・仕入伝票の二重処理
 ・販管費にかかる債務を買掛金で計上
 ・未払金を買掛金で計上 など

■短期借入金の増加
 ・短期借入金を返済しない
 ・売上の入金を借入金で計上
 ・長期借入金を短期借入金に振替 など

■未払金、未払費用の増加
 ・未払金を過大に計上
 ・未払金の二重計上
 ・未払給与を計上、過大計上 など

■前受金、仮受金、預り金の増加
 ・売上や固定資産売却の入金を前受金や仮受金で計上
 ・仕入リベートなど受入利益を、預り金で計上 など

【5.固定負債の増加】

 ・長期借入金を返済しない
 ・1年以内返済の長期借入金をそのまま固定負債に計上する など


逆粉飾の多くは節税を目的として行われます。
税法上の観点では、脱税は違法ですが、節税は合法とされており、
グレーゾーンも多く存在します。
そのため、逆粉飾が横行する理由は、会社経営と納税の仕組みにおける
自主性と規制の環境のギャップから、必然的に生み出されていると
考えられています。

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