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今さら聞けない決算書の読み方(2)~損益計算書編~

公開日付:2013.05.22


すでに一部の大手企業では、平成25年3月期の業績見通しが発表されて
いますが、とくに今期は「アベノミクス」による円安効果で、製造業を
中心に業績回復へ転じた企業が増えるのではないかと、民間企業の
決算に注目が集まっています。

そこで今回は、多くの皆様からご好評の声を頂いた第1回目に引き続き
「今さら聞けない決算書の読み方」シリーズの第2回目として、
「損益計算書」の読み方についてご紹介致します。
第1回目の「貸借対照表編」に続き、与信管理担当者が押さえておいて
いただきたいポイントを利益のカテゴリ別にご紹介いたします。


≪売上総利益までのチェックポイント≫

【売上高】 ~主力商品の売れ筋がわかる!~

企業が本業で得た総売上で「年商」とも呼ばれ、目標設定としてよく利用
されています。
一般に増収は良い傾向で減収は良くないとされますが、例えば収益性の
高い商品への販売集中で収益性の悪い商品の扱い量を減らした場合などは、
相対的に減収になったとしても一定の評価がされます。
また事業規模を示す指標でもあり、過去の流れをみるためにも最低2期分の
比較が必要とされています。


【売上総利益】 ~主力商品・サービスの強さがわかる!~

別名「粗利」とも呼ばれ、人件費や副業で得た利益を含まない、企業の
提供するサービス・商品の競争力を示す利益です。同業他社との比較に
おいてはよく、売上高総利益率「=売上総利益÷売上高×100」が利用
されます。仕入れた商品にどれだけの付加価値を付けられたかを示し、
一般的にサービス業は業界平均値よりも高く、卸売業・建設業は
低くなっています。
与信管理においては直近2期分の比較及び業界標準値との比較が重要と
されています。


≪営業利益までのチェックポイント≫

【減価償却費(販売費及び一般管理費)】 ~内部留保効果を生み出す!~

販売費及びに一般管理費ついては人件費をはじめ売上高に比例しない
固定費が多く含まれます。与信管理においては、特に減価償却費に
注目しましょう。減価償却費とは、固定資産の取得に要した購入価格を
その資産が使用できる期間にわたって費用配分されるコストであり、
実際の現金支出を伴わない費用です。これは過去に購入(現金支出)
されたものを将来にわたって費用計上(非現金支出)するため、
利益の内部留保効果を生み出すことになります。
キャッシュ・フローが重要視される近年、きっちりと減価償却費が計上
されているかは重要です。


≪経常利益までのチェックポイント≫

【営業外収益】 ~副業で得た収益がわかる!~

営業外収益は企業の副業(財テク)などで得た収益のことです。
代表的な営業外収益の勘定科目としては、受取利息・配当金があり、
投資した有価証券、不動産などで得た収益を意味します。
特に注意が必要なのは「営業外収益 > 営業利益」の場合のように、
本業より副業の方が儲けが多い場合です。財テク能力は高くても、
肝心の本業については懸念の余地が残るといえます。近年では
金融商品も複雑化してきており、レバレッジの効いた商品に手を伸ばし、
大幅な収益を生み出す企業もあれば、大幅な損失になってしまう
企業も存在し、それが原因で倒産してしまうことも少なくありません。
本業と副業のバランスを知る上で営業外収益は与信管理上、
重要となります。

【営業外費用】 ~収益圧迫の要因!~

営業外費用には、借入金の利息(支払利息)や企業の副業(財テク)
などで被った費用(有価証券売却損・評価損など)があります。
この中で最も注目したいのが、支払利息です。
無借金経営であれば計上されることはありませんが、日本では特に
金融機関への依存度が高くなっているのが現状です。
金融機関から借入を行った場合に発生する支払利息は、ダイレクトに
経常利益に影響を与えます。金利(企業の信用度が反映)にもよりますが、
基本的に借入金が多ければ多いほど利息は嵩むといえます。
よって、経常利益にどういった形で影響を与えているかを判断する
ために数期分の比較を行い、増減の要因(借入金の増減など)を確認
することが与信管理において重要といえます。


≪当期純利益までのチェックポイント≫

【特別利益&特別損失】 ~通常生じない臨時の要因!~

企業が活動する上においては、通常では発生しない臨時の収入及び
費用が生じることがあります。これが特別利益、特別損失です。
所有不動産を売却した際に生じる固定資産売却損益や、保有している
子会社・関係会社の株式を売却した際に生じる投資有価証券売却損益
などが該当します。企業にとって特別利益は利益に上乗せされるもの
ですが、「特別利益>経常利益」の場合、本業及び副業で生じた損失分を
不動産や株式の売却分で充当している可能性もあるため、与信管理
においては特別利益・損失の内容把握が重要となります。


企業にとって、損益計算書のカテゴリーはわかりやすいこともあり、
目標に据える指標としての利用は高く、同規模の同業者のデータが
あれば自社分析にも利用できます。
なお、与信管理をする際には、最低でも3期以上での比較が必要と
なります。また、損益計算書上では利益を計上していたとしても
キャッシュ(現金及び現金同等物)が減少している場合には、金融機関の
対応次第でいわゆる”黒字倒産”に陥ってしまうケースもあります。
従って、やはり貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書など、他の
財務諸表を含めた総合的な判断が必要となります。

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